磯靴の選び方とメンテナンス方法

足元が不安定で凸凹しており、滑りやすい磯場。その釣行の際に機動力や安全の要ともなるのが磯靴です。形状はボディタイプだけでなく、ソールの種類も多岐に渡り、それぞれで適したフィールドが異なってきます。ゼロからでもわかるように、ボディタイプによる性能の違いや各種ソールの特徴のほかメンテナンスや保管方法まで含めて解説します。

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磯靴の種類

一口に「磯靴」といっても、シューズタイプかブーツタイプか。ソールはフェルトかスパイクか……というように意外と種類が多いです。

まず形状に関してですが、ポピュラーなのはやはり普通の靴形状のシューズタイプでしょう。履きやすく、通気性が良く、機動性も良好なため、歩きの多い釣行を始めとする多くの場面で使われています。ただし悪天候や波に弱く、防寒効果が低いため冬では厳しい思いをすることが多いです。

ブーツタイプはその真逆です。防水性が高いおかげで天候や波に左右されにくく、冬場においては防寒効果があるおかげで足を冷やすことなく釣行に臨むことができます。反面、夏場は非常に蒸れやすく、足首の可動範囲を狭めるため障害物が多い場所では苦労します。

悪天候時や波が高い磯場、船上ではブーツタイプを。障害物が多い釣り場や歩きの多い釣行時にはシューズタイプを、といったように状況によって使い分けると良いのですが、最初の一足として買うのであれば機動力に優れるシューズタイプがおすすめです。

ソールの種類と特徴

磯靴は、ソールに金属のスパイクやフェルト生地などが採用されており、海のさまざまなシーンで滑り止め効果を得るように設計されています。しかしソールのタイプにより、適した状況や環境が異なるので、それぞれの特徴をしっかりと把握しておかなければ磯靴が安全装備として十分な効果を発揮せず、思わぬ事故に繋がることもあります。

スパイク

砂岩、花崗岩といった表面に凹凸があり軟らかい岩質に向いており、山歩きなど起伏の激しい場所でも活躍します。その反面、滑らかな岩場ではグリップ力が低く、突き上げ感が強いせいで疲労しやすいです。

フェルト

オールラウンドにグリップ力を発揮する素材。天候に左右されにくく、突き上げ感を和らげるソフトな履き心地のため疲労も少ないです。しかし、ぬかるみや落ち葉の上では滑りやすく、臭いが染み込みやすいです。

ラジアル

表面が滑らかな1枚岩や打ち立てのコンクリート、渡船のデッキなどスパイクピンが滑るような足場に向いており、摩耗に強いおかげで耐久性にも優れています。ただし物理上、接地面とソールとの間に水膜ができるため、濡れた地面ではやや滑りやすいです。

粗い岩場の磯では岩に足を掛けなければならないため、凹凸を捉えることができるスパイクソールが向いており、比較的足場の良い磯や波止では、疲労が少なく濡れた足場でもグリップ力を発揮するフェルトソールが向いています。ラジアルソールは濡れた足場に弱いため磯での使用には向いていないですが、それ以外の場所ではオールラウンドに使うことができます。

これらに加え、フェルトスパイク、ラジアルフェルト、フェルトラジアルスパイクのように前述したソールを組み合わせたものもあります、それぞれのソールが持つ利点だけでなく欠点も併せ持っているということをしっかりと頭に入れておきましょう。

ソール交換型のメリット&デメリット

磯

靴本体はそのままに、ソールだけを張り替えることでスパイクやフェルトを手軽に使い分けることができるのが交換型の最大の特徴です。特に消耗が激しいフェルトを使う場合は、グリップ力が無くなるたびに靴ごと買い替える必要がなくなるため重宝します。しかしその反面、ソールが交換用に設計されているという構造上、一体型と比べると薄く(スパイクならばピンが短く)なっており、摩耗が早く来るということは知っておきましょう。

どの磯靴を使うにせよ、丁寧に扱うことと状況を判断して無理をしないことが重要です。特徴を踏まえて、安全な釣りを心掛けましょう。

磯靴のメンテナンス

磯靴は海という過酷な環境で使用するアイテムのため、しっかりとメンテナンスを行い適切な場所で保管しておかなければすぐに破損などの問題がおきてしまいます。

特に塩抜きは釣行から帰ったその日に行わなければ、塩ガミや劣化の原因となるので毎釣行ごとに行いましょう。

インソールを本体から取り外す

磯靴

インソールは海水や汗だけでなく、エサが入り込んでいる場合もあります。臭いがこもりやくなっている部分であるため、しっかりと洗っておかなければ異臭の原因にもなります。

取り外し可能なソールを装着している場合は本体から取り外す

磯靴

一体型の磯靴ならば問題ないですが、交換型だと隙間から海水やゴミなどが入り込んでいることが多いので、忘れず外すようにしましょう。

磯靴

強力に貼り付いているから、先端をマイナスドライバーなどで少し開けてやると剥がしやすくなります。

靴内部とインソールの洗浄

磯靴

前述したように靴内部は海水や汗の臭いなどがこもって染みつきやすいため、消臭効果のある家庭用洗剤を使い、しっかりと手洗いをしましょう。洗濯機などで洗浄をすると痛みやすいから避けましょう。また、洗うときには水道水と中性洗剤を使うことが重要です。ぬるま湯を含むお湯や中性洗剤以外(塩素系や酸素系)を使うと生地が傷むだけでなく、靴とソールの接着面に負担がかかり、剥がれやすくなったりヒビ割れが発生して靴の寿命を縮めることとなります。洗浄は風呂場で行うと楽ですが、室内でやる場合はライブウェルなどでやるとよいでしょう。使用するブラシも硬すぎないほうが靴をキズ付けにくいです。

ソールの洗浄

磯靴

フェルトやスパイク、ラジアルのソールの目に詰まった砂や小石などを、水道水を含ませたブラシで洗い落とします。このとき、単に汚れを落とすだけでなくマキエなどの臭いがしなくなるまで洗う必要があります。自分自身がマキエを使っていなくとも釣り場に落ちているマキエを踏んでいることが多く、それに気付かないまま干してしまうと次回の釣行でソールが濡れた際に強烈な臭いを放ち始めるからです。付け替え可能なソールの場合は、表面は一体型と同じ洗い方で良いですが、裏面は強い力を掛けると目が潰れる場合があるのでブラシを使わずに、流水で優しくもみ洗いをしましょう。

乾燥した岩の上で釣りを行った場合は、さほど汚れていないですが、海苔などが生えた磯で使用した場合はかなり奥まで染み込んでいる場合が多いです。フェルトの色が緑色など本来の色と変わっているときは特に念入りに汚れを落としましょう。

陰干し乾燥

磯靴

ペーパータオルなどを使って水気を切ったあと、磯靴本体はかかと側を下にして風通しの良い日陰で干し、ソールやインソールは日向で干します。早く乾燥させるためにドライヤーなどを使いたくなるかもしれませんが、これもまた劣化・破損の原因になるので必ず自然乾燥させましょう。特にフェルト生地は乾燥が遅いので念入りに乾かすことです。

保管方法

磯靴

磯靴本体、ソール、インソールが完全に乾燥したら直射日光や室内灯が当たらない場所に取り外した状態で保管します。紫外線や温度上昇は日焼け、退色、剥離、強度劣化、ヒビ割れなどさまざまな劣化原因となります。長持ちさせるためにも注意しましょう。また、一般的な靴屋で販売されている消臭ボールを磯靴本体の中に入れて保管しておけば効果的です。

ブーツケースやバッカンなどに保管する場合、湿気が多いとカビの発生原因になるから注意しましょう。ファスナーをすこし開けておきましょう。また、除菌消臭スプレーをかけておくのも効果的なのでおすすめです。

売れ筋の磯靴

防水性抜群 ブーツタイプ

がまかつ スパイクブーツ

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Gamakatsu(がまかつ)
ブーツの横幅を3Eに設定し、日本人の足に合わせた幅広設計を採用。

ダイワ ネオブーツ NB-3105

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ダイワ(DAIWA)
保温性、耐久性、クッション性up!柔らかく、伸びがあるから履き心地向上

シマノ サーマル カットラバーピンフェルトブーツ

履きやすさがポイント シューズタイプ

ダイワ フィッシングシューズ DS-2150CD

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¥15,048(2023/12/05 00:16時点)
耐久性のあるコーデュラ素材をアッパーに採用。スタイリッシュな磯シューズ新登場。

プロマリン フェルトスパイクシューズEX

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¥7,231(2023/12/04 20:57時点)
テトラ、岩場で活躍するフェルトピン底を採用した、ダイヤルロック式ハイカットフェルトスパイクモデル。

シマノ カットラバーピンフェルトフィットシューズ

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シマノ(SHIMANO)
¥14,200(2023/12/05 10:08時点)
軽量、屈曲性、通気性、排水性に優れたミドルカットシューズ。
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