ウキフカセ釣りの要 マキエを使ってグレをコントロールする

グレはどこにいるのか、どの水深にいるのかを予測してそこにツケエを送り込む。フカセ釣りの世界ではそれがスタンダードな考え方です。20m沖で食わせたいと釣り人が思っても、グレがそこまで出てくれなければ食わせることはできない。同様に、ウキ下3mで食ってほしいと願っても、5m以上は浮上する気がなければ無理な相談です。あくまでも魚に合わせないと釣ることはできない、というのが常識といってよいでしょう。

しかし、「マキエを利用する」という考え方が導入されて、魚に合わせるという常識は少しずつ変わってきています。いい例がエサ盗りを釘付けにするための足元マキエです。沖でグレを食わせたいから、エサ盗りは沖に出てほしくない。そこで、足元にとどまっていてほしい。つまり、エサ盗りの行動をコントロールするためのマキエなのです。

マキエの役目は基本が三つ

もともと、マキエは魚を寄せるためのもので、かつては「寄せ餌」と呼んでいたことからそれと分かります。しかし、釣りを取り巻く環境が変化するにつれて、マキエの役目はどんどん増えていきました。

魚を寄せるという以外に、現在では魚の活性を上げる、マキエに紛らせてツケエを食わせるという目的を担っています。活性を上げるという目的は今さら注釈を加える必要はないでしょうから、もう一方のマキエに紛らせるという役割を簡単に説明しておきましょう。

ツケエを1匹だけ流してもグレがヒットする確率は非常に低いです。だが、マキエというブロックが流れ、かつ沈んでいくと魚は夢中で追いかけ、エサを次々と口の中に入れる。その中にツケエがあれば、少しばかりマキエと異なる動きをしていてもためらわずに食ってくるものです。

現代のグレ釣りには、この三つのほかにさらにマキエの役目が増えています。それが魚をコントロールするというものです。前述したように、エサ盗りの大半は足元に集中してマキエを入れるとそこから離れようとしません。同様に、条件によってはグレもマキエによってその動きをコントロールできるのです。

魚に食欲があればマキエを食べようとして移動する。それを利用すれば魚の動きをコントロールできるのです。

最初に断っておきたいのですが、グレをマキエでコントロールしようとしたとき、そこには大きな前提があります。グレに食欲があることです。いくらグレがたくさんいても、食欲がない限りマキエで動きを制御することはできません。つまり、ある程度活性が高くなければこの試みは成功しないといってよいでしょう。

上の図はグレを水平に左へ誘い出す方法を示しています。グレの住処がある沈み瀬の近くで食わせると取り込みに苦労します。特に、沈み瀬の沖でヒットすると良型はまず取り込めません。そこで、沈み瀬の潮下であるB、さらにCにマキエで誘い出し、そこで食わせるというものです。活性が低いとAから出てこないから、最後の手段としてAを釣らざるを得ないですが、そうでない限りできるだけ沈み瀬から引き離す手立てを考えるべきでしょう。 手順としては、少しずつ沈み瀬から離してマキエを投入する。すると、グレはエサを追って少しずつBへ、そしてCに移動します。もちろん限度はあり、どうしてもCまでは動いてくれない場合もあるでしょう。そんなときは集中してBを攻めればよいのです。 同じことが下の図でもいえます。

釣り人が立っている磯にグレの住処があれば、そこからどれだけ沖に誘い出せるかが課題になります。他に沈み瀬がなければ、グレにとってF、Eは脅威のエリアになりますが、活性が高いとマキエを追って出てくる可能性があります。釣り人にとってはFで食わせた方が取り込みやすいし、沖だと浮きやすいというメリットもあります。マキエで誘い出すことができれば釣り人が有利になるのですが、やはりどうしても沖に出てくれないこともあります。その場合は磯際で食わせるしかありません。

マキエするとグレが浮く。これもコントロール

マキエを入れるとそれを食べようとして魚が浮いてきます。釣り人からすると当たり前の光景ですが、実はこれも魚の動きをコントロールしているのです。これまでの項目ではグレを水平移動させましたが、垂直移動させることも難しくはありません。

事実、活性が高い時期は簡単に浮いてきます。グレを浮かせるとさまざまな面で釣りやすくなり、釣り人は極力浮かせようと努力します。

しかし、自然条件はさまざまで、浮かせるよりもある程度沈めた方が釣りやすいケースもあります。いい例がエサ盗りが湧いた場合で、警戒心のない小魚は水面近くでマキエを追います。そのとき、グレは小魚の群れの下でおこぼれを拾っているのです(まれに上層まで突進することもあります)。

そのような状況では、エサ盗りとグレを分離するためグレをある程度沈めると食わせやすくなります。距離が近いとグレだけを狙い撃ちするのが難しいのは自明の理というものです。

そのためには二種類のマキエが必要になります。エサ盗りを水面に集めるには軽いものが必要で、グレ用には中層まで固まりのままで沈むマキエが欠かせません。

といっても、現場ですぐ準備するのは難しいです。これまで紹介したように、オキアミを原形のままで、しかも撒き方を工夫して早く沈ませることを心がけるようにしたいです。冷凍状態のオキアミをバッカンの一方に立て掛けておくと、このようなとき役に立ちます。

ウキ下とはツケエが漂う水深ではない。釣り人の操作でどうにでもなるもの

ウキ止めを竿1本の位置にセットすると、仕掛けが斜めになって流れることを無視すればツケエは約5mの水深を漂います。だから、ツケエの水深は絶対的にウキ止めが支配していると思ってはいないでしょうか。実は大半の釣り人はそう思い込んでいます。だが、それは大きな間違いです。道糸を引き抜けばツケエは簡単に浮上し、ウキ下よりも浅い水深に達します。道糸を送り込めばツケエはゆっくり沈んでいきます(ガン玉のサイズと位置によりますが)。

これは誘い、または狭い範囲の探りとしてまったく知られていない操作ではなく、多くの釣り人が利用しています。

ただし、それは誘い、探りとしてのカテゴリーにとどまっています。ツケエが流れる層としては捉えていないのです。「流れる層」として捉えるには時間が短すぎるという欠点があるものの、短時間だとグレが食わないというわけではありません。一旦引き上げてグレの目の前でゆっくり沈ませれば抵抗なく食い込んできます。問題はどのように利用するかというところにあります。闇雲に仕掛けを引き上げていたのでは誘い・探りと変わりません。グレに食わせるため、ここぞというところでグレの目の前にツケエを引き上げるのです。

グレをうまくおびき出し、自分に有利なフィールドに誘おう。

水面近くにエサ盗り、その下でグレがこぼれエサを拾っているという状況では、まずツケエを守るため仕掛けを沖に遠投します。そして、深いウキ下で流してマキエの投入点に近づけます。こうすればツケエに被害は及ばないだろうという推測の元でです。マキエの近くに到達した時点で仕掛けを引き上げ、そこにいるであろうグレの目の前でツケエをフカせるのです。その付近ならマキエが沈んでいると予想できるため、同調を気にする必要はないでしょう。

この操作で重要なのは、ツケエの位置とグレの泳層です。ツケエの位置はウキの真下ではありません。設定したウキ下と流れを計算して、ウキがここにあればツケエはどこかを推測します。グレの泳層は深くはないはずです。5mという見当をつければウキ下10mなら5〜6m引き抜きます。そして、ゆっくり落とし込む。アタリがなければすでにツケエはないとみて、またこれを繰り返します。

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