ライトタックルで挑む50㎝級の尾長グレ

ライトタックルで挑む50㎝昼尾長

グレ釣り師の勲章が60㎝オーバー、通称ロクマルであるのはいうまでもありません。しかし、専用のゴツいタックルを揃えたとしても、年間に何度出撃できるでしょう? 一回? それとも二回? 一般の釣り人の場合、ロクマルの可能性が高い釣り場に行ける回数はわずかなものです。しかも、ロクマルがヒットする確率はどんどん低くなっています。

それよりは使用頻度の高いライトタックルで、近場でもヒットする確率の高いゴーマルをターゲットにした方が楽しめるのは間違いないかもしれません。そこで、ライトタックルを使用したゴーマルの攻略法を紹介してみました。

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ロクマルを仕留めるためのトレーニング

釣り師の皆さんが普段お目にかかることができる口太のサイズはどの程度でしょうか? 釣り場によってかなり差があると思いますが、30〜40㎝というのが妥当なところでしょう。30㎝でも年に1、2尾しか遭遇できないという人もいたとしたら、お気の毒としかいいようがありませんが、地域によってはそれが現実かもしれません。

そんな人達にとってロクマルは夢のまた夢、道具はないし、挑戦できる機会は少ないし、たまたま遭遇できたとしてもあっという間にバラしてしまう可能性が高いです。取り込むことはできなかったがよい経験をした、次の機会に生かしたいと前向きに考えることができたしても、次の機会がいつ訪れるかはまったく分かりません。その点、対象をゴーマルに置くと現実味はずっと増します。

言葉も出ないほどに感動
もちろんロクマルを取れれば最高。その栄誉を得るためにもゴーマルをライトタックルで挑みましょう。

ライトタックルだと使用頻度が増えるし、自分の釣行エリアでも遭遇できるチャンスはあります。そしてなによりも、ロクマルと出会ったときのトレーニングができるのです。30〜40㎝の引きしか経験したことのない釣り人がいきなりロクマルの走りに出会うと、ただただ圧倒されるだけに終わりかねません。

だが、ゴーマルを釣っているとある程度の予想がつきます。それなりの対処もできます。秒殺で終わることはないでしょう(実際にはゴーマルとロクマルの差は想像以上に大きいのですが)。

では、将来ロクマルを仕留めるためにゴーマル捕獲作戦を始めるとしましょう。

ポイントは潮筋か磯際の二つ

尾長といえば本流がガンガン走る沖の潮筋というイメージが強いです。パラパラとスプールから出ていく道糸が、いきなりシューッと走りだすという爽快なアタリを体験した釣り人は多いでしょう。

しかし近年、口太を含めて本流でアタることは少なくなっています。代わって浮上してきたのが磯際で、真上から見ると尾長が岩陰から出たり入ったりしているのが分かる場合が多いです。

面白い現象があります。九州の離島では大型の尾長というのは夜釣り一本槍でした。その夜釣りにおける尾長のポイントは磯際オンリーで、タバコ一本分以内を釣れといわれていました。ところが、近年、磯際でのアタリは少なくなり、中間距離でよく釣れるようになっているのです。

夜釣りでは磯際から中間距離に移り、昼間は沖の本流から磯際へとメインのポイントが移ってきています。今後はどう推移するのかまるで見当がつきません。

さて、この磯際と潮筋とでは、釣り方も当然ながら仕掛けの強度も変えなければいけません。一般的に、磯際で食わせるときは強引に取り込む必要があり、硬い竿&太いハリスを使います。

しかし、尾長に関しては逆になります。なぜか? 磯際で食わせる場合、尾長は釣り人が近いせいか極度に警戒するからです。そのため、太いハリスでは非常に食いが悪いのです。

この傾向は四国南西部では特に顕著に表れています。それだけ釣り人が多く、連日連夜攻められているのでしょう。ハリス4〜5号では見向きもされず、2〜2.5号に落とすと一発で食ったのはいいけれど、あえなく瞬殺というケースが相次ぎました。

それに対して、潮筋でアタる場合はエサも尾長も流れに乗っているせいなのか、比較的太い仕掛けでも食ってきます。

それにともなって取り込みは非常に楽になる。しかし、いかんせんアタリの回数が圧倒的に少ないのです。そのため、釣り人はどちらで食わせるかという二者択一を迫られることになるのです。

本命はアタリの多い磯際だが……

まずは尾長に遭遇するチャンスの多い磯際攻めから解説しましょう。ポイントとしては当然足元から切り立った地形を選びます。波があると仕掛けは安定せず、沖に出ていこうとするからNG。サラシが周囲を取り囲んでいたらこの釣りは諦めた方がいいです。海面は穏やかで、できれば当て潮が望ましいですが、横流れでも構いません。

ただ、沖に出ていこうとする部分があればそこは避けます。ツケエが磯際に沿って沈むことを最優先します。

そんな場合、竿が短いと磯際に固定しやすいのですが、尾長が掛かったとき弾力を効果的に生かせません。釣りづらいでしょうが、5.0〜5.3mで磯際を釣るように心がけましょう。

ライトタックルで挑む50㎝昼尾長

仕掛けは図のようにゆっくり沈めていきます。バーチカル釣法がおすすめですが、尾長の姿が見えたりしてタナが分かりやすい場合は半遊動の方が有利になります。理由はウキが沈む一瞬の余裕があるからです。

例えば尾長のタナが竿1本だったとしましょう。沈め釣りにしろ全層&全遊動釣法にしろ、そこまで仕掛けが沈んだところで道糸を張り、仕掛けが沈むのを止めます。すると、アタリは一気に竿先を直撃します。アタリと走りの間に間隔はほとんどありません。

半遊動ならわずかにしろウキが沈む余裕があり、その間に態勢を整えることができます(といっても一瞬でしかないのですが)。

このときハリスは、磯が近いから太いほど望ましいです。しかし、前述したように太いと食いません。5号ではまず無理と思ってよいでしょう。ここで自分の技術とのバランスを計る必要があります。2号まで落とすと確実に食いはよくなります。が、果たして取り込めるかどうか……。

自信がなければ2.5号、あるいは3号を使わざるを得ません。ロクマルほどではないとはいえ、ゴーマルも一日のうちに何度もヒットするわけではありません。食ったら確実に取り込みたいです。

四国南西部に比べて九州の離島ではまだまだ潮筋でアタる確率は高く、よほど食い渋ったときでない限り磯際を攻める釣り人は少ないです(夜釣りは除く)。だが、他のエリアでは磯際に比べてヒットする確率は極端に低いです。一日釣りをして何度アタリがあるかどうかであり、まさしく運任せという要素が強いです。

しかし、ハリス3〜4号でもヒットする可能性が高く、食わせたら取り込める確率は磯際よりはるかに高いです。そのため、取り込めない磯際よりは潮筋で確実にという釣り人も少なからずいます。磯際で何度も手痛い目に遭っているだろうことは予想がつきます。それはそれで賢明な選択といってよいでしょう。

尾長をバラす理由その一 歯ズレ

ライトタックルで挑む50㎝昼尾長
喉まで飲み込まれる前にハリを掛けることで、歯ズレを防ぐ事ができる。

同じグレでありながら、口太と尾長の歯は違います。口太のそれは軟らかいのに対して、尾長の歯は硬く鋭い。いくら硬くて鋭いといってもナイフではないのだから、2〜3号のハリスがすっぱりと切れることはないでしょう──40㎝クラスの尾長しか釣ったことのない釣り人はそう考えるでしょう。

しかし、歯に当てたままでゴリゴリと横にこすったらどうなるでしょう? 尾長がハリを飲み込み、歯を食いしばったままで走り回るとその状態になります。一度や二度では表面にキズが入るだけですが、強く張ったままでそれを繰り返すとハリスは切れます。

それが歯ズレという現象で、それだけではなくエラブタでもハリスは切れると強く主張する釣り人もいます。切れたハリスがガサガサではなく、スッパリと切れていることから歯ズレではないという。が、ここでは言及を避け、歯ズレ対策についてのみ解説します。

これを防ぐ手立ては、現在のところ三つあります。飲み込まれにくいハリを使うというのが最初の方法で、ハリ先が少し内側を向いているものを選びます。いわゆるネムっている状態で、ノドの奥に達してもすぐには刺さらず、滑って出てきて唇の内側に掛かるようにします。

以前は、ハリ軸を長くして歯とハリスを接触させないように意図したハリがありました。しかし、飲み込まれてしまうと効果はあまりなく、またハリが重たくなって食いが悪くなる傾向が指摘されて現在のネムったタイプが登場しました。明らかに尾長を対象とした釣行の場合は必ず準備しておきたいです。

二番目の対策としてはチモトの補強が挙げられます。ダイニーマ、セキ糸を使った編みつけやウレタンチューブを被せるなど各種あり、この効果は多くの釣り人によって支持されています。

ただし、難点が二つあります。食いが悪くなるのと面倒なことです。自宅で準備しておいて釣り場では道糸とハリスを直結するだけにしておけば、面倒なのはある程度解消できます。しかし、食いが落ちるのは救いようがありません。活性が高いとき限定の対策と考えていた方がよいでしょう。

最後が最も単純で手間いらずの早アワセという方法です。コンマ数秒早くアワせればハリを飲み込まれることはなく、唇の内側に掛かります。歯ズレの心配をする必要はなくなります。

とはいえ、これは言うは易く行うは難しの典型的な例になります。早すぎると掛からない。遅いと飲み込まれる。絶妙のタイミングをつかむのは至難のワザといって良いでしょう。なにしろ、時間の経過とともに尾長の活性は変わるし、ツケエの大きさやタナによっても食い方は微妙に変化します。カンしか頼りにはできません。

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トリプルエイトノット(PE1.5号:ナイロン4号)3.7kg 4.9kg (132%へUP)

尾長をバラす理由その二 逸走

ライトタックルで挑む50㎝昼尾長

70㎝を超えるヒラマサの走りを体験したことのある釣り人ならある程度予想がつくでしょうが、そうでない場合は言葉で説明するのは難しいです。スピードとパワーがケタ違いで、とにかく止まりません。

まず竿を立てることが第一のステップとなります。沖で食わせるとその余裕がありますが、磯際では非常に難しい。なにしろ、仕掛けを磯際に固定させるため竿先を海面に向けています。油断しているとそのまま竿先を海中に引きずり込まれ、まさに瞬殺です。

アタった瞬間竿を立てて、魚をどれだけ浮かせることができるかが勝敗の分かれ目になります。このとき、竿が硬いとそれを起こすためのパワーが必要となり、釣り人にかかる負担は相当大きくなります。これが、ロクマルは諦めてライトタックルをおすすめする理由その一になります。

ここでいうライトタックルとは1.7〜2号の竿であり、このクラスなら慣れていない釣り人でも比較的竿を起こしやすいです。

竿を伸ばされてバラすのを防ぐという目的で、ベイルを起こしてアタリを待つという方法もないことはありません。道糸がシュッと出たところで態勢を整えて竿を立てれば、なるほど秒殺はないかもしれません。しかし、先手を取られているのは間違いなく、尾長はしっかりと戦闘準備に入っています。すでに磯に張りついている可能性も高いです。取り込める確率はかなり下がっていると見てよいでしょう。

ロクマルほどではないものの、ゴーマルの戦闘力もかなり高いです。ハリ掛かり直後の逸走を止めて少しでも磯から引き離す。それができれば取り込める確率はかなり高くなります。

尾長をバラす理由その三 タモ入れ時

ライトタックルで挑む50㎝昼尾長
空気を吸わせたからといって油断してはダメ。最後まで気を引き締めよう。

一般に、空気を吸わせると魚はおとなしくなるといわれています。事実、水面まで浮かせて口を持ち上げると、それまでどんなに激しく抵抗した魚でも途端にパワーを失います。長年釣りをしているとそれが身につき、空気を吸わせたからもう大丈夫と安心するのは仕方のないことでしょう。

ですが、そこで安心したため尾長をバラした釣り人は数知れません。ゴーマルを超す尾長は最後の最後まで抵抗します。空気を吸ってもパワーは衰えません。片手で竿を立ててもう一方の手でタモを手にする。その瞬間が一番危ないのです。

まるで釣り人の動きを見ていたかのように尾長は隙をついて反転し、突っ込みます。その結果、岩に張りつかれるか、竿を伸ばされて切られるかのどちらかです。それを防ぐには、タモで掬って魚を磯の上に横たえるまで緊張を持続するしかありません。

その点、沖で食わせた場合はたっぷりと疲れさせることができます。急がずにゆっくりと浮かせ、抵抗が弱まったところで引き寄せれば足元で反転するケースは少ないです。潮筋で食わせた場合は、釣り人にとってなにかと有利な要素が多いというのは分かっていただけたと思います。

尾長をバラす理由その四 仕掛けの弱点

尾長とやり取りしている最中の仕掛けは強度の限界に近いです。特に、磯際を釣る場合はより細い仕掛けを使うため、ギリギリまで追い込まれています。弱いところがあればそこで破綻し、バラシという現実を目の当たりにします。

したがって、弱点を解消する仕掛け作りが要求されます。

「ちょっと待て、弱点を解消する仕掛け作りとはなんだ? そんなの聞いたことないぞ」

と思う人がほとんどでしょう。そりゃそうです。尾長釣りほどシビアに仕掛けの強度を要求される機会はそうそうあるものではありません。

しかし、弱点を排除した仕掛けが実現できれば、通常相手にしている口太とは、今までより一ランクも二ランクも細いもので対等に渡り合えることになります。

以下、弱点を解消するためのチェックポイントを挙げてみましょう。

竿

ライトタックルで挑む50㎝昼尾長

ケースとしては少ないですが、折れる可能性は皆無ではありません。穂持ち(穂先のすぐ下)とその下が折れる可能性の一番高いところで、曲がりの支点となるため一番力がかかります。そのため、ここにキズが入るとやり取りの最中に折れる可能性が高いです。

竿のキズは内部に入っている場合が多く、チェックするのは難しいです。それでもやらないよりはましなのですが、そもそもは竿を磯の上に寝かせたりする雑な扱いが原因となっています。普段から竿にキズが入らない取り扱いを心がけましょう。

道糸&ハリス

ライトタックルで挑む50㎝昼尾長

破綻が生じるのはこの部分が一番多いですが、いかんせん長い。すべてをチェックするのは難しいから、要点を絞る必要があります。

一番注意しないといけないのが結び目です。キズが入っていない状態で一番弱いのがこの結び目で、引っ張り合いをすればここから切れるか、ハリの場合はスッポ抜けます。スッポ抜けるというのは結び方に問題があるわけで、普段より太いハリスを使うと往々にして締め方が甘くなります。ツールなどを使ってしっかり締め上げ、釣りをしている間も緩んでいないかを確認しておきましょう。

また、結び目がずれるとハリの耳で切れる可能性もあります。さらに、フグなど歯のある魚がツケエをかじるとチモトにキズが入ることがあります。というわけで、ハリの周囲はとりわけ入念なチェックが欠かせません。

同様に、道糸とハリスの直結部分も念入りに見ておきます。この部分は結びが乱れる可能性があり、きっちりと巻けていないと強度が落ちます。結んだ時点では気がつかないほど小さな乱れであっても、次第に大きくなる可能性があります。ハリスは長くても4〜5mにすぎず、全体をチェックしたとしても大した手間にはなりません。数投おきに指先を滑らせてキズを調べ、同時に直結部分を見ておきましょう。

ハリ

近年、ハリ先はどこのメーカーも念入りに検査をしており、甘い商品はほとんど出荷されていません。ただ、あまりにも鋭さを追求するあまり先端が欠けやすい恐れがあります。根掛かりしたときはもちろんですが、オキアミを刺すだけで鈍る場合があります。オキアミの皮にスッと通りづらくなったらすぐ確かめてみましょう。

また、ケースとしては非常に少ないですが、ハリ先とチモトを摘んで引っ張ると簡単に曲がるハリがあります。ハリスに結ぶ前は必ずチェックしておきたいです。たったそれだけのことを手抜きしたためバラしたのでは、泣いても泣ききれません。

最後に、どんなに万全の態勢で臨んだとしても、肝心の釣り人に問題があるとすべてが台なしになります。これは大きいと感じたらなにより慌てないことが大切です。失敗したとしても魚1尾の問題でしかありません。ゴーマルなら何度でもチャレンジできる。それくらいの余裕を持って挑みましょう。

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