シーバスのランカー攻略は、フィールドの状況で刻々と変化します。例えば、大型の個体ほど少ない光量を好む傾向があります。
つまりナイトゲームか濁りを常に視野に入れたデイゲームで、光と影を意識したアプローチがランカーには有効といえます。
ナイトゲームとデイゲームのどちらを選択するのかは、いつ雨が降ったのか、水温変化はどうかなどで変化します。
同じように重要なのはベイトフィッシュの動きです。大きな個体は身体を維持するためにより多くのエサを効率的に捕食する必要があり、それが可能なテリトリーにポジションします。
また、セオリー通りの捕食行動をとるシーバスは、アングラーからより多くのアプローチを受けることになり、長く生き延びる可能性は少ないです。
ランカーが個体ごとに持つ特殊性やわずかなパターンの違い、イレギュラーな部分をいかに状況に合わせて対応するかがキーとなるため、状況に対応するためのヒントをいくつか出しましょう。
スマートテリトリーを読む

港湾、河口、河川、運河などフィールドはさまざまでも大型は一番良い場所をテリトリーに待ちます。迷わず最初に最高のコースを狙い、1投目はミスキャストをしないように全神経を集中します。
ポイントまで届かず手前側に落ちたルアーに対しては極端に反応が落ちるからです。自分が想定したコースや深度をルアーが確実に通過できるプレゼンテーションをします。
パターンフィッシングを読む
夜間やまづめ時にシーバスが高活性状態で一定のエサのみを選択的に捕食する「パターン」と呼ばれるタイミングがあります。
それをイミテートすることができれば、興奮状態になっているランカーを比較的容易にバイトに持ち込むことができるので、事前にエリアの情報を収集しパターンフィッシングで担います。
水温と溶存酸素を読む

フィールドで溶存酸素量が心配される時期、最も酸素が豊富な場所は流入河川となります。シーバスは水温の上昇とともに代謝が活発となり、体が必要とする酸素量も増えます。
大型魚ほどこの傾向が強くなるので、海水温がピークに達する時期に大型を狙うなら河川かその流入部分がベストとなります。
潮汐を読みランカーに近づく
潮汐表と実際の誤差を含めて潮位の予想ができるようになれば、最干潮時のウエーディングゲームも視野に入れ、比較的場荒れしていない回遊ルートを打ちます。
大潮で最も潮位が低くなっても水があるチャンネルは、大型シーバスの回遊ルートになりやすいです。
普段の潮位ではフラット部分を広範囲にミグレーションしている回遊型の大型シーバスを、最干潮時に狭くなったミオ筋などで狙い打ちします。
河川の見えない変化を読む

特に河川内では、上げ潮の止まる前と下げ潮時に、護岸の際や橋脚などにできる明暗部を意識したシーバスの活性が高くなります。
潮が大きく動くタイミングや止まる雰囲気を感覚で覚えると非常に有利になります。
また、ビジブルストラクチャーのない河川の流芯は、明確なハロクラインの発生で荒らされていない絶好のポイントとなることがあります。
さらに、瀬では増水した場合、流芯よりも流れの際でのヒット率がアップします。
専用メソッドでランカーに近づく

ランカーのみに通用するメソッドの一つとしてビッグベイトパターンがあります。主にナイトゲームで大型のミノーやビッグベイトなどをサブサーフェスで使用するメソッドです。
これは大型の個体ほど捕食のエネルギー消費以上のエサを必要とするために成立するテクニックといえます。
小さなエサを追いまわしエネルギーを多く使いながら捕食活動を繰り返すより、一度の捕食行動で大きなエサを獲得する方が効率的だからです。
生存時間が長いだけにさまざまな経験を積み学習度も高いので、個体ごとに効率的な捕食パターンを持っています。
そのパターンを見つけ大型のルアーでアプローチすれば、選択的な効率の良いランカーハンティングが可能となります。
スローな動きはランカーに近づく

スローなアクションは大型のシーバスの捕食スイッチをオンにする可能性が高いです。
大きな個体は捕食に適し、仕留められそうなエサを経験則から吟味し、ゆっくりとしたスピードのエサを選ぶ傾向にあります。
スローな動きはエサが弱っているか、水流や抵抗などの外的要因により行動を制約されていると判断するためでしょう。
またスローが有効と思われる要因は、ランカーは体の大きさや長さの割に尾ビレが小さい。尾ビレの大きさは捕食行動のときの移動スピードと距離に影響します。
体に対して尾ビレが小さいという事は動きまわり捕食する事が少ないと想像させます。そして大型の個体は、大きく開閉する容量の口を最大に活用して対象を吸い込むように捕食します。
これはターゲットにしたエサを確実に仕留めるためで、ルアーの場合、ラインテンションが強い場合やリトリーブスピードが速い場合はルアーを弾かれたり浅いフッキングでバラす原因となるので、ラインテンションをかけ過ぎないスローなアクションが有効だといえます。