ルアーは生物をイミテートしたものがほとんどですが、それは形状だけではなく泳ぎ方や泳ぐときに生じる水の波動や音などをくわえて、よりリアルに、より釣れるように開発されています。
このことから、そのときシーバスが食べているエサに合わせたルアー選びが基本ということになります。ここでは基本的なルアーの選び方とその特性を考えてみましょう。
レンジの重要性
市販されている何百というルアーの中から、その日釣れるルアーを選ぶのは難しいです。そもそも、釣れるルアーを選ぶ時点で間違っているともいえます。
ルアー釣りで釣れる要素は、以下の4つのパターンが多いです。
・そのとき食べているエサのサイズに近い。
・そのとき食べているエサの形状に似ている。
・エサ(シーバス)が泳いでいるレンジをルアーが通るように引いている。
・思わず飛びついた。
この中でも特に重要なのがルアーが泳ぐレンジです。

それも表層をシーバスが泳いでいるのにボトムを狙っているというような大きな違いではなく、特に表層を狙う場合は10㎝くらいの単位で気にしなければならないくらいです。
少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、それほどシビアに考え、また、自分が使用しているルアーがどのレンジを泳ぐのかを把握しておかなければならないということです。
シーバスがそのとき食べているベイトと似つかない形状のルアーであっても、シーバスが捕食しているレンジに合っていれば、釣れる可能性があるわけです。
事実ベイトと似ても似つかないショアラバにシーバスが食いついてくることもあります。
シーバスは偏食な魚なので基本はマッチザベイトを狙いますが、見た目よりまずはレンジが大切ということです。こうやって見ればルアーを選ぶ目も変わってくるでしょう。

ルアーを選ぶ順番
シーバスを狙う際、ルアーを選択する要素はレンジの他にベイトの種類や大きさ、狙う距離、時間帯、潮の色など多くのことから選ぶことになります。
この要素に合わせるためには、市販されているルアー全てを持って行き、1本ずつ試してみると面白いのですが、あらゆる意味で非現実的です。

これを最小限に抑えるため、お気に入りのルアーをタックルボックスに入れて、釣れるまでローテーションしながら狙うというのが初級者では多いでしょう。
このローテーションのやり方も、考え方一つで釣れるローテーションとなることを知っておきましょう。このことを理解することで、揃えるルアーの目安となります。
まず前述のように、レンジのローテーションを基準にルアーを揃えます。同じメーカーのルアーで揃えれば、レンジの違いが明確に分けられているのでおすすめです。
やり方はトップとボトムのローテーションではなく、まずは同じレンジ内でルアーチェンジして探ってみましょう。
このことから、まずはレンジに変化がつけられるルアーが必要なことがわかります。ここで重要なのがリトリーブ速度です。
使うルアーごとに変えてしまうと意味がありません。どのルアーを使うときも同じ速度で引いてみましょう。もしくは、ルアーごとに同じように速度のローテーションもくわえるようにします。
ルアー購入の決め手となる順番の例
①レンジ
②サイズ
③重量
④形状
⑤カラー
リトリーブ速度

「どのくらいの速度でルアーを引けばよいのか?」という疑問は絶えずあるのですが、その日によって変わるため絶対にこれだという速度はありません。
ただし、シーバスが捕食できないほど速い速度は厳禁。基本となるルアーを引く速度の決め方は、ルアーがアクションする速度と泳がせたいレンジです。
つまり、明るいうちに確認しておかなければわからないということです。
そのルアーが泳ぐ速度を基準にして、少し速く巻いたり、遅く泳がせたりすることでどのくらいレンジが変わるのかを把握しておきましょう。

一般的に例えられる基本の速度が「リールハンドルを1秒間に1回転巻く速度」です。
リールの番数やギヤ比、ラインの号数によって左右される速度ですが、3000番でそれくらいの速度と考えるのが普通でしょう。
ただし、これが無条件に釣れる速度ではないことを認識しておきましょう。これよりも速く、これよりも遅く巻くことで釣れることも多いです。
あくまでも基準の速度と捉え、そこから速度のローテーションをしながら狙います。次のように考えるとよいでしょう。
早巻き(1秒間に1.5〜2回転)
フッキングしやすく、ルアーを見切られにくいです。活性が高いときや、日中に有効な速度。
通常巻き(1秒間に1回転)
ルアーを長時間アピールできます。早巻きよりは見切られる可能性が高いです。アタリが明確にとりやすく、基本的な速度で、昼夜問わず有効。
遅巻き(1秒間に1回転以下)
ルアーを見切られやすいため、夜間やボトム狙いに有効です。ルアーの軌道がコントロールしやすいのも利点です。
カラーリングの考え方

生物をイミテートしているため、魚の模様を模したものが多いです。しかし、魚には似つかないカラーリングもあります。海中でルアーはどのように魚の目に映っているのでしょう。
シーバスは近眼だといわれています。しかし、色を見分ける機能は持っています。人間と同じ色彩感覚ではないにしろ、エサを選んで食べていることだけは確かです。
また、ルアーのカラーにしても、その日特に釣れる「当たりルアー」というのもあるから不思議なものです。シーバスが好む色彩を知っても、その日ごとに釣れるカラーが変わっては意味がありません。
結論として、多くのカラーを持ち合わせる必要があるということになります。
カラーの使い分け
カラーは大きく分けて、ナチュラル系とアピール系に分けられ、そこから細分化されています。基本的なカラー素材を複合して、数多くのカラーリングが存在しています。
購入の目安として、同系色は避けたいところですが、中には全て同じカラーで揃えているアングラーもいます。
まずは自分が釣れそうと思うカラーを使ってみて、それから色を揃えていくとカラーリングに迷わない知識が身につくでしょう。
ルアーアクション

ルアーを引く際にロッドで調節するアクションは、なにもしないタダ巻きが基本アクションです。というのも、ルアー本体にアクションが備わっているからです。
細かなロッドアクションよりも、リトリーブスピードによる、ルアー本来のアクションを覚えておきましょう。これは個別に違ってくるので、自分が愛用するルアーを熟知することです。
次に、風や波によるアクションの違いです。
特に波立っていたりウネリがあるときは、ラインとの関係でルアーのアクションが変わってしまうことが多いため、自分のルアーがどのようにアクションしているのか、絶えず気にして釣るように心がけましょう。
