
グレが浮き上がってくるタナを知る要素は主に7つあります。水温・潮・天気・波・磯からの距離・地形やマキエがそれに当たります。その日のタナを予測できれば効率良く狙えて釣果も上がります。グレが浮きやすい・浮きにくい条件を知り、適切にタナを狙ってみましょう。
タナを知る7大要素とは?

その1/水温
一般的にグレの適水温は17〜20度といわれています。
適水温なら活性は高く、マキエを撒くと浮きやすくなります。適水温より低い(もしくは高い)と動きにくくなります。ただ水温が高い・低いというのは相対的なもので、前日より上昇、下降した時点でグレの行動は変化します。適水温より高くても低くても、安定していれば活性は上がりやすいです。釣行日の2、3日前からの水温の動きに注意しましょう。

その2/潮
グレに限らず、魚は潮が動くと活性は上がり、止まると落ちます。とはいえ、これは原則であり、しばしば例外を生みます。海峡などの常に潮が速いエリアでは、潮が緩んだときに活性が上がりやすいです。また、多くの魚は満潮前後に活性が上がり、浮上してきます。当日の潮汐は必ずチェックしておきましょう。

その3/天気
海の中に日光が差し込むと周囲がよく見えます。周囲がよく見えるということは、グレからも見られているといえます。こうなるとグレの警戒心は著しく高まります。その結果、簡単には浮上しなくなるのです。グレは上空の海鳥からの脅威にも晒されています。なので太陽が隠れると警戒心は緩みます。当日の日照の強さにも気を配りましょう。

その4/波
日光と同じく、水面が滑らかなナギの状態だと上空から海の中がよく見えます。つまり磯の上で竿を振る釣り人の姿も見えているということです。そんな条件ではどれだけ活性が高くてもグレの警戒心が上回り、浅ダナまで浮いてくることはありません。そういうときにカモフラージュ効果を得られるのが、波やサラシです。グレがサラシの中では浮上しやすいというのは同じ理由によります。

その5/磯からの距離
磯は釣り人が立っているところですので、そこに近いほどグレの警戒心は強くなります。とはいえ、磯際はすぐ近くに逃げ込むところがあり、中間距離ほど警戒心は強くありません。いうまでもなく沖は警戒心が弱く、浮きやすいです。遠投釣りはエサ盗り対策以外にこういうメリットもあるのです。

その6/地形
海底や壁はグレの逃げ場であり、そんなところに近いとグレは安心します。沈み瀬があれば、その上にも浮いてくるから1〜2ヒロのウキ下でもヒットする可能性があります。裏返せば、何もなければ浮きにくいのですが、沖だと浮きやすいという逆の現象を見せます。

その7/マキエ
マキエを投入すると、魚はそれを求めて集まってきます。グレも例外ではなく、マキエが浅ダナにあれば当然それを食べようとして浮上してきます。さらにエサを追う競争相手が多ければ、グズグズしていては食べ損なう恐れがあるため警戒心が薄れて浮き上がってくる傾向があります。
7大要素のまとめ
グレがなぜこれらの要素に反応するか、理由は二つに分けられます。その二つとはグレの活性と警戒心です。水温、潮、マキエはグレの活性を直接刺激します。活性が上がればグレの遊泳層は浅くなり、活性が下がれば深くなります。
対して、天気、波、距離、地形は警戒心を左右します。警戒心が強くなればどんなに快適で食欲が湧いていても、グレは浮いてくることはなく、一定以下の水深にとどまります。
活性と警戒心のどちらが優先され、どの程度影響されるかは状況によります。最後は釣り人が判断しなければならないのが難しいところです。
この要素以外にも左右するものがある
水温や潮などの釣り場の自然条件がグレの遊泳層を左右することは説明しましたが、実はそれ以外にも要素はあります。
その例がサメや青物、イルカの存在です。脅威となる生物が近寄ればグレは怖れてすみかに逃げ込みます。エサを食べるどころではありません。じっとして、恐怖心がなくなるまでひたすら身を隠しています。

サメや青物が少しでも距離を置けば、グレはすみかから出てきてエサを追います。いうまでもなく、すぐ逃げ戻れるような範囲でです。したがって、上層まで浮いてくることはないでしょう。
ただ青物の場合は対策がないでもありません。ブリやヒラマサのような魚は潮の動きのよいところを好み、次々と流れてくるマキエを拾っています。したがって、その周囲にグレはいません。本来、グレは潮が流れるところを好むものですが、このケースではあえて潮が緩い場所を狙います。そうすれば浅ダナでヒットする可能性が高くなります。
また、青物に限っていえば、滞在時間は長くはありません。いくらマキエがあったとしても、いつまでもそのエリアにとどまらないためです。彼らが去るまでじっと待つのも一つの方法です。