メタルジグを食わせるための選択法

メタルジグを選択するにあたって一番大事なのは、使用するメタルジグがどんな動きをするかを知っているかどうかです。当然、重心の位置や形状なども関係してきますが、そのジグが実際にどう動くのかということを頭で把握しておかないと釣りを組み立てられません。まずは、自分が持っているジグや購入しようとするジグがどのような動きをするのかを把握することから始めましょう。

手持ちのジグは実際に投げて動かしてみたり、これから購入しようとするものは、まずはパッケージの説明を熟読すること。実際にそのジグを使ったことがある人がいれば、話を聞くのもよいでしょう。そして最後は購入して実際に動かしてみる。思い描いていた動きと答え合わせです。

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動きをイメージ

さまざまなケースがありますが、ショアジギングでは100m以上遠投することもあります。しかしそこまで遠投した場合、往々にしてラインが潮の影響を受けてしまい、ジグの動きがボケて思い描いた通りの動きをしていないことも。現実的に意図した通りの動きをしてくれるのは50m前後といったところでしょう。

動き方が分かっていないジグを遠投しても魚に対して効果的なアクションを見せることは難しいです。動きを把握するまでは視認できる範囲で何度も投入して、速巻き、遅巻き、フォール、シャクリ、ジャークなどさまざまな動きを試してみることです。速巻きと遅巻きでのフラッシングの違い、フォール時の落ち方の違い、シャクったとき、大きくジャークしたときなどそれぞれの動きのパターンを把握しておくと釣りを組み立てやすいです。

サイズを意識する

タングステンなどの比重の大きい素材のジグは、同重量の鉛製のものに比べて小さく作れます。この小さいことはさまざまなメリットを生みます。まず、同重量なら風の抵抗を受けにくいため遠投が効きます。当然、水の抵抗も減るため早く沈み、速く巻けます。そして何より大事なのは魚へのプレッシャーが少ないということです。

穴場を見付けて黙々と1人で釣り続けているような状況ならあまり変わらないですが、混雑する場所で数人が横並びでキャストするような状況では、このプレッシャーが少ないジグが大きな武器になります。ここぞというときに出す切り札的存在としてラインアップに加えておきたいところです。

大物のベイトは、必ずしも大きいとは限りません。相手がヒラマサのような大型青物でも、小型ジグの方が良いパターンもあり得るのです。

カラーの選択

魚は側線という器官でエサの動きを察知して捕食していますが、側線でカラーを判別することはできません。最終的には魚の眼で追って捕食するため、多少なりともルアーのフォルムやカラーに影響されます。当たりカラーを探り当てるためには、闇雲にルアーを試すよりも、早く見付けるために引き出しを多く持つことが重要です。

カラーのチョイスは、フィールドのコンディションや対象魚、タックル、アクションなど、さまざまな要因が絡み合うため、このときはこの色と断言することは難しいです。また必ずしもカラー選択が最重要というわけでもなく、ルアーフィッシングの中でも、特にショアジギングにおいては「カラーは何でもいい」という状況に当たることもままあります。当然、何を投げても釣れるようなときはカラー選択に頭を悩ませている場合ではなく手返しを優先すべきでしょう。問題は、その状態に持ち込むまでです。

ナチュラルとアピール

メタルジグのカラーは大きく分けるとナチュラル系とアピール系の2種類。

ナチュラル系は、ベイトとなる魚に似せたものが多く、魚体のブルーやウロコの反射をイメージしてシルバーやゴールドカラーがベースとなっています。アピール系はイエローや黄緑、パールカラーなど目立つカラーです。実際にはブルーベースに派手な蛍光カラーの模様が施されていたり、ホログラムシートが貼られていたりと、単純に分けられないものもありますが、見た目に派手かそうでないか程度の曖昧な分け方でも自分のルアーを把握しておくと、いざ選ぶというときに迷わなくてよいです。

基本は天候と海の色を目安とします。空が曇っていて光量が少なくかったり海が濁っているような場合は、目立つようにアピール系を選択し、晴天下で底まで光が届くようなときはナチュラル系を使用します。簡単に説明すると、目立ち過ぎず、地味過ぎないように魚に対するルアーの見え方を調整するということです。

そういう理由から、日中、海がクリアな場合はナチュラル系をメインとし、朝夕のまづめ時のローライトな状況ではチャートなどのアピール系をメインに、クリアならシルバー系、濁っているときはゴールド系、グロー系などがよいです。夜、常夜灯や月の明かりがある場所ではシルバー系、ホログラムが有効です。

基本カラーを決めておく

自分なりのカラーローテーションを決めよう。

カラーの選択肢は多いに越したことはないですが、使わないものを現場に持ち込むのは効率が悪いです。重量のあるメタルジグならなおさらです。とはいえ、カラーは無数にあるため、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。

そこで、それを自分で決めてしまうのです。系統の違う種類を2系統ないし3系統用意しておけば、状況に合わせて対処しやすいです。最低限、ナチュラル系とアピール系に分けて用意し、シルバー、ゴールド、グロー系などを追加するようなイメージです。

コントラストを意識する

魚のほとんどが、人間に換算すると0.1程度の視力しかありません。視力の良いカツオでも0.6程度といわれています。これだけ近眼だと、ベイトやルアーのフォルムはもちろん、カラーもぼんやりとしか見えていません。特に濁った海などでは、捕食対象を見分けることは難しいです。しかし、それでも遠く離れたポイントからベイトを追ったり、ルアーにアタックしてくることも多いです。なぜでしょうか。それは、シルエットで捕食対象を判断したり、側線で波動を感じ取ったりする能力が優れているからです。

シルエットを認識させるのはフォルムの違いだけではありません。例えば緑色に濁った海中でグリーン系のルアーを使えば当然背景に溶け込んでシルエットはぼやけます。逆に緑色の反対の色を使えばクッキリと浮かび上がります。これはルアーと背景のコントラストの違いです。

色のコントラストはいくつかの種類がありますが、分かりやすいのは明暗の対比でしょう。真っ黒と真っ白を思い浮かべて欲しいです。これが最もコントラストが高い状態です。

また、明暗以外に、色味の違いでもコントラストが生じます。ルアーのみならず、全ての色にはその反対となる色(補色)があり、その補色同士の組み合わせが最もお互いの色を引き立てます。つまり目立つのです。

例えば青の補色はオレンジ色、緑の補色は赤色、紫の補色は黄色などです。それぞれを海の色に当てはめると、海が真っ青なときはオレンジ色、緑がかっているときは赤が目立つ。カラー選択に悩んだら海の色によって変えてみるのも一つの手です。

グローカラーの可能性

朝夕の光量が少ないときはグローカラーも有効です。ただし「光を蓄えて放つ」という性質を考慮すると、蓄えるだけの光量がない場合、つまり暗すぎる場合はあまり意味がありません。暗くなってから使うのではなく暗くなる前に使うのがより効果を引き出す方法です。また近年はタテ縞模様にグロー塗装が施されたゼブラカラーが流行しています。幼魚やエビの体によく現れる縞模様を模すとともに、フラッシングとグローの効果を併せ持つので、活躍する機会も多いでしょう。

トラブルの少ないルアーを選ぶ

ショアジギングにテーリング(ラインがルアーのフックに絡んでしまうこと)は付きものです。原因はルアーとフックのバランスが合っていないこと、着水時やフォール時の操作が悪いことなどが挙げられます。

原因をつぶしていくのは解決方法の一つですが、現場でフックを交換したり、ルアーの操作方法を試行錯誤するのは時間がもったいない。手っ取り早いのはルアー自体を交換してしまうことです。

ルアーを回収したときに毎回テーリングしているようでは、ただ金属の塊を投げているのと同じことです。「一つのルアーでトラブルは2回まで」などと自分で決めておき、その回数を超えたら即座に交換します。

トラブルが多いルアーはケースを分けておき、釣りを終えてからセッティングを見直すなり動きの確認をすればよいのです。

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