大物を逃さないために知っておきたい ドラグの基本と設定

ドラグとは、魚とのやり取りをスムーズにするためのリールの機能で、設定以上の力が加わるとドラグが滑ってリールスプールが逆転し、ラインを放出する仕組みになっています。だからドラグの設定値よりも引きの強い(重量のある)魚が掛かるとラインが放出されるし、逆に締まり過ぎていると設定値を超えた力が加わった場合は竿がノサれたり、ラインブレイクやロッドの破損に繋がります。ドラグ設定は適度に滑るようにしておくことが基本です。

ドラグの仕組み

ドラグシステムの実物がこちら。このようにいくつもの座金で構成され、締め具合の摩擦力でブレーキが掛かるようになっています。

ドラグの仕組み自体は単純で、摩擦力を使ったブレーキシステムです。一般的なものでいうと、ドラグノブを締め込むことでバネが縮まって座金(車などでいうディスクブレーキ)が押さえられ、摩擦が大きくなり滑りにくくなるというもの。

釣り人の耳を刺激するドラグ音は、逆転するネジなどの音ではなく専用に取り付けられた金具の音です。逆転がわかりやすいように多くのリールにセットされています。

ちなみに釣り人にとって心地良いドラグ音ですが、これはドラグが逆転していることを「通知」するための機能だけで、ドラグの締まりとは無関係です。

★設定値についてはこちらに詳しく解説しています。

ドラグ力とは

通常は「最大ドラグ力」と表示されており、それ以上の力(重量)が加わるとリールスプールが逆転するという値です。

シマノの場合は、「最大ドラグ力」と「実用ドラグ力」という二つの表示があるので、シマノをモデルにドラグの特性を説明していきましょう。

まず最大ドラグ力とは、その名の通り、最大力の表示で、目いっぱいにドラグノブを締め込んだ際の値です。対して実用ドラグ力とは、微調整が効く最大値を表しています。
ボルト&ナットを例にして説明すると、目いっぱい締めた状態が最大ドラグ値。そこから工具を使って徐々に緩めて手でも緩めることができるようになった時点が実用ドラグ値です。つまり、手では緩める・締めるということが微調整できるが、電動工具は一気に締まる・緩むため微調整できない範囲というイメージです。

言い換えると以下のようになります。

  • 調整されたドラグ設定=実用ドラグ範囲
  • フルドラグ=最大ドラグ値

ドラグの調整

大まかにいうと、使用しているラインの強度(最大重量値)に合わせてドラグを設定します。最大値の70%ほどが目安です。

ギリギリに設定しない理由として、ロッドなどの摩擦や急な魚の走りに対応ということもありますが、あまり知られていないのがリールスプールのラインの残量によって、ドラグ値が変わっているということです。

スプールに目いっぱい巻かれたラインのときと、残りわずかなラインのときでは、ラインを引く(ドラグを逆転させる)抵抗が大きく変わるということです。実際に自分で手で引いても分かるほどだから、ライン巻き変え時などに試してみるとよいでしょう。

具体的にいうと、ラインを多く出しているときほどドラグ力が大きく設定されていることになります。だからマックスにラインを巻いた状態で70%に設定したドラグ値でも、ラインが少ないときは100%に近い設定になっていることも考えられます(300mのラインだと2㎏以上変わるといわれています)。このことから、設定は少し緩めにしておき、魚が掛かったら調整しながら釣り上げてくる人が多いのがこのためです。

保管時のドラグは締める? 緩める?

最近のリールは水洗いできるようになっているから、流水で遠慮なく丸洗いする人もいるでしょう。まさか水没させて洗うような人はいないでしょうが、注意点があります。

ドラグノブには水が入りにくいようにゴムパッドが施されている。ノブを回す際のギア音はノブの内側に鳴らす構造があり、いわゆるドラグ音とは別物。

ドラグを緩めて水洗いをすると、フェルトなどに水が染み込んでしまうこともあります。水の侵入を防ぐ構造にはなっていますが、防水レベルではないので、水洗いをするときはドラグを締めてから行う方が無難です。

逆に保管時は、押しつぶされた状態で長時間放置するとヘタレの原因になるので、ドラグは緩めて保管するのがよいでしょう。

ドラグの設定いろいろ

設定する前にその方法ですが、リールをロッドにセットしてラインを通し、その先にチェッカーなどを付けて計測するのが一般的。リールから出ているラインを直で計測すると数値がかなり変わるので理解して計測しましょう。

ドラグ設定機器、ドラグチェッカー。7000円ほどで購入可能です。

おすすめドラグチェッカー

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これを持っていれば場所を選ばず現場でも設定できるから重宝します。とくに細かく測って安心しておきたい人におすすめです。

大雑把でいいから体で覚えておきたい人は、水での計測がよいでしょう。1L=1㎏だから、3㎏に設定する場合はペットボトルやバケツに水を入れて持ち上げて設定するとよいでしょう。

次にバネばかりなどをラインの先端に結んで引っ張って計測する方法。メモリー付きの計測器なら1人でもできますが、バネ式で戻る場合は数値を読む人が必要なのでもう1人応援が必要です。

設定はどれで行っても絶対ではありません。ラインに傷が入っている、ノットが弱かったなど他にもラインブレイクする要素は多くあります。さらに、バーチカルなジギングとキャスティングではロッドやラインに負荷が掛かるタイミングやポイントが異なるため、ロッドを曲げたり伸ばしたりして、どれぐらい変わるのか把握しておく必要があるでしょう。

最適なドラグ数値で設定しているときは、思いっきりロッドを持ち上げて魚と安心してファイトすることが可能です。その余裕がバラさない要因ともなるので、ぜひともドラグを最適な設定にしてガチンコ勝負を楽しんでください。

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