オモリの種類
鉛、シンカーとも呼ばれるオモリは、海面に浮かんだウキを安定させるために欠かせないアイテムで、仕掛けを遠くへ飛ばしたり海中深くへと導く役割りを担っています。
ウキと組み合わせて使用されるオモリはガン玉、ジンタン、割りビシ、中通しオモリ、ナス型オモリ、丸玉オモリ、オモリ付きのカゴなどで、イカ釣りに用いられるスッテやテーラーもオモリの役割を果たします。
オモリのサイズは極小のガン玉から200号を超えるものまであり、一言でオモリといっても幅が広いです。



素材は鉛が一般的ですが、小型化とより潮の影響を受けにくくするため、鉛よりも重たい素材であるタングステン製のものもあります。
ガン玉とジンタン、割りビシには切れ込みが入っていて、ラインに噛み付けます。中通しオモリは中心に設けられた穴にラインを通して使います。胴突き仕掛けなどで使用される環付きのナス型オモリや六角オモリは、環にラインを結びます。
オモリは適材適所で正しく使うことで、シンプルな仕掛け作りを心がけましょう。
浮力とは

一般的な円錐ウキや棒ウキにはBとか0といった数字が記されていますが、それが意味しているのは浮力です。
B浮力のウキは、Bの重さが加算されてもウキが浮いているというのが基本です。通常はBと書かれたウキにはBのガン玉(オモリ)を組み合わせて使います。
浮力というのは水に浮かぶための力のことで、ある物体が液体に浮かぶためには、その液体よりも密度(物体の質量を体積で割った値)が小さいこと(真水の密度は1.0、海水の密度は約1.03)が条件となります。

比重とは物の密度を真水の密度で割った値。例えば桐という木材の比重は0.2~0.3程度しかないですが、桐を材料としたウキを製造する場合、内蔵させるウエイト(オモリ)の重さを増すことでウキ全体の密度を高くし、浮力を抑えることができます。
そのような調整をした結果がBとか、0といった浮力ということになります。
ウキはもともと水面に浮かべてアタリを取るものでしたが、フカセ釣りにおいてはウキごと仕掛けを沈めていく釣り方が有利なケースもあります(強風による二枚潮が発生している場合など)。
そのため、00や000といった、オモリなしでもウキ自体が沈んでいくタイプも企画・製造されています。
ガン玉を使う理由

ウキを使用する釣りで重要なのは、エサを食ってきた魚にウキ(浮力)の抵抗を感じさせないことで、そのためにはウキが沈まないギリギリまで浮力を抑えることが望ましいとされています。
いわゆるシブシブ(浮かず沈まず)の状態にするためにオモリを使用するのです。
フカセ釣りで使う一般的なオモリは、散弾銃の弾の規格がベースとなっているガン玉。
号数ごとの正確な重量を知っておく必要はないですが、Bのガン玉2個の合計重量が2Bの重さと同じとはならないことは覚えておきたいもの。
Bと書かれたウキにはBのガン玉を組み合わせると前述しましたが、実際はその組み合わせでもシブシブとはなりません。

その理由は釣り場による塩分濃度の違いや製造過程における精度のバラツキへの対応策として、余浮力(与浮力)を持たせているからで、G5~G8のガン玉を追加することでシブシブになる程度に余浮力を持たせたウキが使いやすいでしょう。
Bのウキを使った仕掛けに打つBのガン玉のことを浮力調整用ガン玉といい、その位置はウキストッパーの直下とするのが一般的です。
それに加えて潮流が速ければ小さなガン玉をハリスに段打ちしたり、食ってくるタナが深ければ大きめのガン玉をハリスの中央に一つだけ打ってツケエを速く沈めるなど、状況に応じた対応をしていきます。
より自然にツケエを流すことと、狙ったタナまで確実にツケエを届けることを考えると、ガン玉をセットする位置は重要で、流れの速さや狙うタナの深さに応じて位置を微調整しながら釣る必要があります。
フカセ釣りの釣果を左右する最も重要なパーツがガン玉だといっても過言ではないのです。

ガン玉の号数と重さ
号数 | 重さ(g) | 号数 | 重さ(g) |
---|---|---|---|
8号(G8) | 0.07 | 1号(G1) | 0.4 |
7号(G7) | 0.09 | B | 0.55 |
6号(G6) | 0.12 | 2B | 0.75 |
5号(G5) | 0.16 | 3B | 1 |
4号(G4) | 0.2 | 4B | 1.2 |
3号(G3) | 0.25 | 5B | 1.85 |
2号(G2) | 0.31 | 6B | 2.65 |
割りビシの表記と重さ
記号 | 極小 | 小小 | 小 | 中 | 大 | 大大 | 特大 |
重量(g) | 0.2 | 0.25 | 0.35 | 0.8 | 1 | 1.35 | 2.35 |
オモリの号数と重さ
号数 | 0.5号 | 1号 | 1.5号 | 2号 | 3号 | 4号 | 5号 | 6号 |
重量(g) | 1.88 | 3.75 | 5.63 | 7.5 | 11.25 | 15 | 18.75 | 22.5 |
重たい仕掛けと軽い仕掛け

仕掛けに使用するオモリの大きさにより、仕掛けを重いとか軽いと表現することがあります。例えばグレ釣りでは3B以上の仕掛けを重い仕掛けと呼んで差し支えないでしょう。
重い仕掛けが特に有効な場面は深いタナを効率良く狙いたいときや、本流の流芯を流したいときで、水中ウキと組み合わせて使うパターンもあります。
さらに、エサ盗りのスズメダイが密集する浅い層を一気に突破するという使い方もあります。
比較的浅いタナを釣ることが多いグレ釣りでは軽い仕掛けが基本ですが、全く反応がないようなら思い切って1号ぐらいのウキに替えてみるというのも一考の余地があります。
重たい仕掛けのデメリットは、ツケエの動きが不自然になることで、マキエと同調していないツケエは足の速い(泳ぎの速い)エサ盗りに狙われやすいです。
さまざまなオモリ

フカセ釣りの仕掛けをできるだけシンプルにするために、活用したいのがオモリの役割りを果たすスイベルや、ウキストッパーとしての機能を併せ持つアイテム。
ガン玉何号相当という仕掛けパーツが豊富にラインアップされています。
ウキに貼り付ける板オモリはウキ自体の浮力を変えられる便利グッズで、0号のウキを00や000として使い回しをすることができます。
板オモリを使用する場合はウキが本来持っている重心を崩さないことが肝心で、大きく1枚を貼るよりも、小さくカットしてバランスを考えながら貼るとよいでしょう。
ウキの浮力に影響を与えるほどではありませんが、ハリの重さも仕掛けの入り方に影響します。ガン玉で仕掛けを入れるのではなく、ハリの軸を太くするという選択肢も頭に置いておきたいです。

カゴの重さに注意しよう
最後に、サビキ釣りやカゴ釣りで使用するオモリ付きのカゴ、スッテやテーラーをセットした仕掛けを組む場合は、何号のウキを選べば良いのか分かりづらいですが、取りつけたカゴやスッテの重量によってウキが沈んでしまうというトラブルは避けたいです。
例えばカゴの場合はカゴの号数よりも1~2号大きめのウキを選んでおくのが無難で、ウキが浮き過ぎるようならオモリを足せば対応できます。