インターネットやテレビで手軽にピンポイントの気象情報を入手できるようになった現在。
特に短期予報(今日・明日・明後日)は、80%以上の的中率で予測可能だといわれており、釣り人が安全かつ快適に釣行するのに役立っている。
しかし、一般的に晴れ・曇り・雨(冬季は雪)および気温が重要視されているが、釣り人にとっては少々物足りない。
釣り人からすると、天候や気温以外にも風の状態や波高など気にすべき項目はほかにもある。
日の出・日の入り

一年で最も日照時間が長いのが夏至で、それを境に冬至に向かうにつれて太陽が出ている時間は短くなる。
釣り人にとって外せない時間帯として「まづめ」というものがあるが、これは日の出や日の入り前後の時間帯を指す。一般的に、日光の光量が著しく変化する時間帯に魚の食いがたつといわれている。
また、日が暮れるとライトの準備やケミカルライトを装着できるウキや電気ウキが必要になるなどタックルの構成にも関わってくる。
そのため、日の出や日の入りは事前に確認しておく必要があるといえよう。
風向き・風速

多くの釣りでは、風は弱いにこしたことはない。風が強いと投入時や道糸のコントロールが困難になるからだ。
強風時にはインターラインのロッドや細めの道糸、また、高比重のウキを使うなど扱いやすいように工夫して対処する。
まずは風向きや風速を事前に調べておき、タックルと風裏となる釣り場選びの参考にする。なお、風速4m以上では困難な釣りとなるだろう。
風は潮流にも影響を与える。上潮が滑る二枚潮などがその例。風の状況は常に頭に入れておくようにしておきたい。
風への対策をしよう
釣りは糸を長く延ばすことで魚のいる場所までエサ、もしくはルアーを運び掛けることが可能になる。釣り糸は潮に流されているだけだから、人間が操作し魚の居場所へハリを導く必要がある。
このことを「ラインメンディング」と呼んでいるが、きっちりとできるようになるには少々時間がかかる。しかし何もしないと釣れる確率がグンと下がってしまうので、基本的な対応策は覚えておこう。
ラインメンディングはルアー、エサ双方に対策があるが、ここからはウキ釣りを例に対策していこう。

釣り糸を操作する上で一番厄介なのが風だ。道糸をフワフワと持ち上げたり、飛ばしたりしてしまう。
掛けを流す基本はツケエが先行し、ハリス→オモリ→ウキ→道糸の順に流れることだ。風が強いと道糸が先に流れたり、流れとは違う方向へと仕掛けごと引っ張ったりする。
しかし風が強い日のラインメンディングは、ベテランでも難しいものだ。

そこで、風が強く道糸が引っ張られるようなときは、仕掛けを重くして対応するのが一番だ。まずは仕掛けが風に邪魔されないようできるだけ潮に乗ってナチュラルに流れることを優先しよう。
風向きと流れの方向がキーワードだ。
なおルアーの場合は、感度を保つためにも基本は糸フケを出さないほうがよいと考えていいだろう。ただし、あえて糸フケを利用する釣り方もあるため、例外も多い。
波高・波の方向

安全面に配慮をするうえで釣り人が注意しておかなければならないのが波やウネリである。高波に呑まれると道具を流されたり身の危険にさらされる。
渡船では船長の判断に従うのがルール。地磯や堤防では常に周囲に気を配っておく必要がある。
実釣面について述べると、サラシの出方によってポイントを変えたり、波の影響を考慮してウキのサイズや形状を選択する必要がある。
雷と釣り
稲光りを見たり雷の音が聞こえたら、すぐに納竿するか竿を置いてその場を離れるのが無難だ。落雷は動きが読めず、いつどこに落ちてもおかしくない。
そのうえカーボンロッドは電気を通しやすい。竿をすぐに置き、くれぐれも安全に心がけてほしい。