釣り人にとって最も開催してほしくないイベントといえば「オマツリ」。
無論わかっているとは思いますが、山笠やねぶたなどが出てくるお祭りではなく、仕掛けが絡むトラブルのオマツリのことです。
しかし、船が流れ仕掛けも流される以上、ある程度オマツリが発生するのは仕方のないこと。でも極力避けたいものです。
そんな迷惑なイベント「オマツリ」を回避する方法をご紹介します。
オマツリはなぜ起きる?

オマツリが起きる原因は船の流れ、潮の流れ、風、タイラバやジギングの場合リフトさせる際のアクションなどいくつか要因があります。
「仕方のないこと」と前述したのには理由があり、魚がアタったことによる仕掛けの移動や、潮上と潮下との流れの違いなど、人間が完全に回避するには難しい要因があるからです。
そのため、プロであったとしても、オマツリが起きることは仕方のないことなのです。
しかし、オマツリが起きやすい状況はある程度回避することが可能です。
重量を揃える

これはオマツリ以前に常識にもなってきますが、タイラバはシンカーの重量を同船者と揃えることが前提となります。
キャスティングを伴わないオフショアや、船のエサ釣りの大半はこのルールが存在します。
重さが違うということは、必然的に潮に流されやすさも変わります。
自分だけ指定された重さより軽い、あるいは重い仕掛けを使ってしまえば、水中のラインの角度が変わり、オマツリが起きやすい状況ができてしまいます。
事前に予約する際に、必ず船宿や遊漁船に使うシンカーの重量を聞いておきましょう。
仕掛けを同時に投入する

これも前の項目と同じく常識です。仕掛けを投入する際は船長の合図を待ち、周囲と同じタイミングで仕掛けを投入します。
タイミングがズレると周りの釣り人とラインが交差しやすくなり。オマツリが発生する確率が上がります。
完全に周りとシンクロしなくてはいけない……とまではいいませんが、ある程度合わせることは大事なマナーの一つです。
サミングをする

ラインを出しすぎるのもオマツリの原因です。沈んだラインが潮で煽られ、絡みやすくなってしまうのです。
仕掛けを落とす際は、ラインを出しすぎないためにも軽くスプールに指を置いてサミングしながら落としましょう。
近年スピニングリールのタイラバが流行っていますが、スピニングはどうしてもフォールの際にラインがスプール一周分ずつ放出されるので、特に注意しましょう。
糸が流されていると感じたら一度ラインを巻き取って糸フケを取ってから、またフォールさせると良いでしょう。
少しだけ前に投げる

基本的にキャストをしない釣りであるタイラバですが、軽く前に投げると仕掛けが離れて、絡む確率が減ります。
だからといって通常のタイラバでキャスティングするのは混み合った遊漁船内では大変危険なので、あくまで軽く前に飛ばすような感覚で行います。
ラインが斜めになりすぎたら回収
船は基本的に固定せず流されています。なので、だんだん仕掛けは最初の投入点から離れていきます。すると潮の流れも相まって少しずつラインが斜めになっていきます。
ラインが斜めになりすぎたと感じたら一度回収し、なるべく周りと絡まないように少し前方に投げると良いでしょう。
また、ラインが船の下に潜る角度になった場合も、同様に対処しましょう。
ヒットしたら声を上げる

タイラバだけではないオフショア全般のマナーですが、魚が掛かったら「ヒットしました!」と同船者全員に伝わるように声をあげましょう。
魚が暴れて左右に走り回り、周りのアングラーのラインに引っかかり、オマツリが起きるどころか最悪魚がバレてしまいます。
もし、同船者からヒットしたことを聞いたら、速やかに自分の仕掛けを回収しましょう。同じ船に乗る仲間が協力しあうこともオフショアでは大切なことです。
オマツリが起きてしまったら

これだけ気をつけていても、相手は自然。どうしてもオマツリが起きるリスクは存在します。
もし起きてしまったら、まずは素直に謝りましょう。どちらが悪いというものでもなく、トラブルを避けるためのマナーです。
そして、慌てず釣り糸を回収してオマツリを解消しましょう。この際、片方のラインはある程度フリーにしておくとラインが船底にこすれて切れるなどのトラブルを避けることができます。
絡み具合によってはラインを切るしかありませんが、その際相手のラインも切らないといけない可能性があります。
焦らず、お互いに協力しながら冷静に対処しましょう。
余談「なぜオマツリと呼ばれるようになったか」

本来楽しいイベントで使われるはずのオマツリという言葉。この嬉しくないトラブルがそう呼ばれるようになったのはなぜなのでしょう?
これは諸説ありますが、「絡んだ糸をほぐすとき、踊っているように見えるから」や「絡んだ仕掛けを当事者たちが解消している様子が祭りのようににぎやかだったから」といわれています。
ちなみに自分で自分の仕掛けを絡ませることを「手前祭り」と呼ぶようです。