技術の進歩により、昔に比べてタックルは非常に頑丈になり、大抵のことでは壊れなくなった……とはいえ、全く壊れないなんてものはありません。
近年は繊細な釣り方も多く、ロッドに関しては感度を高めるため細いティップが好まれています。そのせいで折れやすくなっているのが現状です。
タックルの破損につながる、やってはいけない行為を知っておきましょう。
メンテナンスはしっかりと

当たり前ですが、タックルを長持ちさせるにはメンテナンスが必須です。砂やホコリ、ゴミ、特にソルトルアーは塩分が故障や劣化を早めます。
最低限、釣りに行ったらリールやロッドを水洗いし、きれいに塩やゴミを洗い流しましょう。
早く乾かそうとして天日干しをする人もいますが、直射日光も熱が溜まるため破損の原因になることがあります。
日陰に干しておき、十分乾いたら湿気の少ないところに保管しましょう。ルアーも同様にメンテナンスをしてサビを防ぎましょう。
ロッドの場合
ティップの破損

繊細なアタリを拾ってくれるがゆえに、ティップが折れるなど破損が多い場所でもあります。
ぶつけたり突くことはもちろん、ティップへのライン絡みでも折れてしまうことがあります。
絡んでいることに気づかずラインを巻いてしまうと、ティップを強く締め付けることになり、折れてしまうケースです。
ラインを巻きすぎてティップにルアーがぶつかって折れるケースもあります。
トップガイドに何度もスナップなどをぶつけていると、折れなくてもガイドの破損に繋がりますので、巻き込みすぎないように注意しましょう。
輸送中の破損もよくあること。ロッドベルトやロッドケースを使って破損を防ぎましょう。
限界角度とは?

ロッドには限界角度というものがあります。簡単にいえばロッドがどこまで曲がれば破損につながるかというものです。
大物をランディングするとき、ネットがないからといって無理にロッドで抜き上げようとすると、限界角度を超えてしまい、破損するケースがあります。これは根掛かりでも同様のことがいえます。
また、ガイドにルアーを引っ掛けて移動する人もいますが、これにも注意が必要です。
ガイドが傷つく、というよりはルアーを引っ掛けるときにロッドを過剰に曲げてしまい折ってしまうことがあるのです。間違ってラインを引いてロッド破損になることもあります。
ガイドやリールのベイルアームにフックを引っ掛ける人はよく見かけますが、より大事に扱うならロッドにルアーを引っ掛けるためのグッズがあるので、そういったものを利用するとよいでしょう。
ロッドの継ぎ目
ロッドの継ぎ目も破損の多い箇所です。
抜けなくなるなどのトラブルの場合、力任せに引き抜こうとしてロッドが裂けるようにして割れるということもあります。
ロッドを抜き差しするときは真っすぐ、というのは基本ですが、もし抜けない場合はロッドを回しながら抜きます。
このとき、より力を入れて回すために、ガイドを掴んでねじろうとすると、ガイドが歪んだり、取れてしまう危険があります。

ロッドが折れた場合は、修理は難しく、壊れたパーツをまるごと交換するケースが多く、それなりに値段がかかってしまうので大切に取り扱いましょう。
自己責任ならロッドの補修方法はありますが、使用感が変わることがありますので、素直にメーカーに出すほうが無難でしょう。
リールの場合

精密な構造になっており、ほんの少しの故障が破損につながるおそれがあります。
特にスプールエッジやベイルアームに傷が入ると、ラインブレイクしやすくなるので釣り自体できなくなります。
こういった傷は、地面にタックルを置くだけでも発生することがあります。それを防ぐために、ロッドスタンドやリールスタンドという便利なものがあるので活用しましょう。
根掛かりの外し方にも注意

根掛かりを外す際に、真っすぐロッドを引くという方法がありますが、リールに大きな負荷が掛かると、これも破損の原因になります。
特に頑丈なラインとリーダーを使う場合はラインブレイカーなどの道具を使って根掛かりを解消するようにしましょう。
砂にもご注意を

特にサーフの釣りですが、砂もリールを故障へと導く天敵です。
リールを地面につけないというのは言わずもがなですが、つけなくても風で飛んできた砂がリールについてしまうというトラブルがあります。
こうなると、もうリール内部の砂を除去するしかないので、オーバーホールが必要になってきます。ギアの故障を避けるためにも早めにメンテナンスしましょう。
遠征・運搬時

旅行や宅配で釣り具を送りたいという場合、何も考えずに送れば運搬時に破損しやすくなってしまいます。
宅配する場合は送り状に必ず「釣り竿、精密機器(リール)」などの明記をしておきましょう。
ロッドはハードケースに入れ、中で動かないように緩衝材を入れておきましょう。ハードケースがない場合はホームセンターなどに置いてある塩ビ管を使うとよいでしょう。
緩衝材といえばいわゆるプチプチなどが思い当たりますが、ない場合はタオルで代用するとよいでしょう。
リールも同じく緩衝材で固定しておきます。ソフトケースがあればなおよいでしょう。
ハンドルはつけたままだと故障の原因にもなるので外しておくほうが無難です。ただし、細かいパーツがあるので、なくさないようにケースに入れて管理しておきます。