ルアー釣りのラインの選び方

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ラインの進化

ロッドやリールは高性能なものにこだわるのに、ラインを慎重に選んでいないアングラーもいますが、これは大変な間違いです。

むしろ、ラインの高性能化が現在のさまざまな釣りを成立させたと言っても過言ではありません。現在のルアーフィッシングではメインラインとして高い割合でPEラインが使われています。

このPEラインの登場によってルアーフィッシングに劇的な変化をもたらしたと言ってもよいでしょう。

PEライン

PEラインとはポリエチレン繊維を複数合わせて編みこんだラインで、このような構造を持つラインのことをマルチフィラメントと呼んでいます。

PEラインの最大の特徴は引っ張り強度が高く、低伸度ということでしょう。

引っ張り強度とは、文字通り引っ張る力に対して強いということです。PEラインは同じ号数のナイロンやフロロカーボンラインと比べると、3〜4倍程度の強さがあると言われています。

低伸度とは伸びないということです。ナイロンラインなどと比べると感覚的には全く伸びないと感じるほど伸びが少ないのです。この伸びが少ないという特徴は、そのまま高感度へと直結します。

魚のちょっとしたアタリを何十mも先の手元に、ダイレクトに伝えてくれるということがルアーフィッシングにおいては非常に大きなメリットになります。

特にラインの放出量が多いオフショアフィシングにおいては、PEラインの存在は不可欠です。

また非常にしなやかなため、キャストでルアーの飛距離を伸ばせる、そして劣化にも強く長持ちするというメリットがあります。

PEラインの登場で、ルアーフィッシングは劇的に進化した。

このような高いメリットで、またたく間にルアーフィッシングのメインラインとして地位を築いたPEラインですが、もちろんデメリットもあります。

メリットとデメリットは表裏一体の場合が多く、伸びないという性質は反面、アタリを弾きやすいというデメリットを生みます。

またしなやかさはコシの無さに繋がり、ライントラブルの原因となってしまいます。PEラインはもつれてしまった場合、元に戻せないくらいにグチャグチャになってしまうことも少なくはありません。

そして最大の弱点は摩擦に対して非常に弱いということです。擦れることに関してはフロロカーボンやナイロンと比べると想像以上に弱いのです。

海底の岩や魚のエラやヒレなどに擦れると、いとも簡単に切れてしまいます。そのため魚や岩などと接触しやすい先端部分にはフロロカーボンやナイロンのリーダーを結束して使われます。

また結束するときも唾などで常に濡らしながら締めていかないと、摩擦で簡単に切れてしまうので注意が必要です。

価格と性能の差

店頭にはさまざまな種類のPEラインが並んでおり、価格も幅広いです。

価格を左右する大きな要因に編み込み数の違いがあります。高価なPEラインは、より多くの原糸を編み込んで作られているものが多いのです。

例えば上に取り上げた参考商品のパッケージに表記されている4ブレイドというのは、4本の原糸を編み込んだものです。8ブレイドは8本、12ブレイドは12本ということになります。

メーカーによっては「X4」や「4本編み」と表記されます。

本数が多くなればなるほど1本の原糸は細いものを使用します。

編み込み数による断面の違いイメージ。

ブレイドの数が多くなった場合のメリットは、断面が真円に近くなるということが挙げられます。真円に近くなれば表面の凸凹がなくなり、よりなめらかになっていきます。

その場合、ガイドの滑りが良い、潮ギレが良く潮流の影響が少なくなる、汚れが付着しづらくなるなどのメリットが生まれます。

また太い原糸を少なく編んだものより細い原糸を多く編んだ方が強度を出しやすく、結果、同じ号数ならより細く仕上げることができます。

ラインが細くなればキャスト時にはより飛距離が伸び、沈めるときにはより潮流の影響を受けにくくなります。また同じリールのスプールでも巻けるラインキャパが増えるというメリットもあります。

リーダーの役割

リーダー(ショックリーダーとも呼ぶ)の役割は擦れなどからメインラインを守ることです。そのためルアーフィッシングでは多くの場合、リーダーはメインラインと同等かより強いものを装着します。

ルアーフィッシングでリーダーとして使用されるラインは主に2種類あります。フロロカーボンラインとナイロンラインです。

PEラインにはリーダーを結束して使用する。

フロロカーボンライン

フロロカーボンは、炭素の鎖を軸にしてフッ素と水素のペアが何対も付いたような構造をしています。ナイロンと比べると摩擦や破断に対する強度が高いという特徴が挙げられます。

摩擦などに対する強度というのが、本来リーダーに求められている要素なので、この強度を理由としてフロロカーボンを選んでいる人が多いです。

また、比重を高く設定でき、水に沈むものが多いようです。ラインの浮力が邪魔になる超軽量なルアーを使うような釣りでは、フロロカーボンラインが好んで使われます。

フロロカーボンラインのデメリットとして巻きグセが付きやすいということが挙げられますが、リーダーとして使う場合は、そこまで長さを必要としないので、ほとんど気になることはないでしょう。

傷に強いフロロカーボンラインはリーダーとして好んで使われている。

ナイロンライン

やわらかく扱いが簡単なので多くの釣りでメインラインとして使われているナイロンライン。

メリットとして挙げられるのは、価格が安いということでしょう。またガイドの通りが良いため太いリーダーを使い、キャストが伴うような釣りではナイロンが使われることも多いです。

デメリットとしては吸水性があり、紫外線などの影響で劣化が早いということでしょう。

本来デメリットとされる伸度が高い、つまり伸びるということについては逆にメリットと捉えているアングラーもいるようです。

大物が掛かった場合に伸びることによって力を吸収するので、むしろフロロカーボンより強いと捉えている人もいます。

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