すべての釣りで、あらゆる魚が釣れるとされる夢のポイントがあります。それはカケアガリ(ブレイク)です。
キスやカレイ、シーバス、アジ、チヌ、グレ、ヒラマサからブラックバス、トラウトに至るまで、エサ、ルアー対象魚に関係なく釣果が得られて、海でも川でも湖でもサーフでもどこでも存在します。
ではなぜ魚がカケアガリに着くのかを解説していきます。
カケアガリとはなにか

カケアガリとは海底の地形変化において、岸から見て沖側に急激に深くなっている斜面を指します。ちなみにその逆をカケサガリといいます。
カケアガリができる理由はいくつかありますが、有名なのは船の通り道。船が何度も同じ海道を通ることで海底に圧が掛かり、海底がえぐれてカケアガリが生まれます。
他にも水流や元々の地形などさまざまな要因が複雑に重なって、カケアガリはありとあらゆる場所に存在しています。
カケアガリとブレイクはよく混同されますが、厳密に言えばブレイクとは急激に落ち込んでいる場所のこと、カケアガリとはブレイクにある斜面のことを指します。
また、岸から数えて最初のブレイクを第1ブレイク、続いて第2ブレイクと数え、ブレイクのあるエリアのことをブレイクラインと呼びます。
カケアガリが釣れる理由

カケアガリが釣れるというのは、もはや釣り人では常識ともいえることですが、なぜここまで魚種を問わずに釣れるのでしょう?
基本的に魚は何も変化のない場所には停滞しません。
人間に例えると、なにもない道路を通り過ぎることはあっても、長時間何もせず立っていることはないでしょう。もし立っているとすれば興味がそそられるものがあるから。
興味がそそられるものといえば、ブティックや釣具店など人間の文明的要素を除けば、レストランなどの食欲が理由でしょう。魚の場合、カケアガリがそれにあたります。
カケアガリにはエサがたくさん

流されてきた遊泳力のないエサは、流れの変化に逆らえません。その流れの変化が起きやすいのがカケアガリというわけです。
カケアガリで待っている魚にはオキアミなどのプランクトンやバチ、弱ったベイトなど、多くのエサが流れによって常に提供されていきます。
待っているだけでエサが流されて来るので無料のレストランといえるでしょう。その代わり、食物連鎖で下位の魚は捕食されるリスクもあるわけですが。
ちなみに、流れもなにもない場所にエサが全くいないわけではありません。
しかし、まとまってはおらず、あちこちに散らばっています。だったらまとまって捕食できるカケアガリで待っていたほうが魚たちにとっては効率が良いのです。
カケアガリは身を潜めやすい

自分の天敵がいる場所にわざわざ近づいてくる動物はいません。魚も同じで、群れをなしているベイトフィッシュは、天敵から逃げながら泳いでいます。
しかし、一つ段差があると、捕食対象から見つかりづらく獲物を狙いやすくなります。ヒラメを始めとするフラットフィッシュは特にカケアガリ近くに身を潜めている可能性が高いです。
回遊魚の通り道
回遊魚の場合、カケアガリに沿って移動する習性があります。エサをいつでも捕食できますし、非常に効率の良い通り道といえるでしょう。
このようにカケアガリには、たくさんの釣れる要素が重なっており、結果、ほとんどの魚に有効な爆釣エリアとなっているのです。
カケアガリの見つけ方

分かりやすい例は波が立ち上がる場所です。波が立つということは、水流がカケアガリによって上方向に変化しているということ。
また特にサーフでは重要な要素ですが、波打ち際も立派なカケアガリです。
ウェーディングするときに、いきなり水深のある場所を歩いてしまうと、手前のポイントを潰してしまう結果にもなりかねないので注意しましょう。

海水の色が変化しているところもカケアガリの可能性があります。カケアガリは水深がその場所で深くなるので、色が濃くなります。
偏光グラスなどが重要視されるのは、こういったポイントを見逃さないためでもあります。

なお、海の色が濃くなる原因としてはカケアガリ以外の可能性もあります。沈み瀬や藻などのストラクチャーがある場合です。
カケアガリと同じく魚がよく付く場所なので、見つけたら狙ってみましょう。ただし、根掛かりには注意が必要です。
カケアガリの見つけ方についてはグーグルマップなどの衛生写真を確認する方法もあります。ルアーが届きそうな距離に色の変化がある場所は狙い目です。
ただ、衛星写真はどうしても画質が粗くなるので、カケアガリで色が変わっているのか、別の要因で色が変わっているのかは分かりづらいです。あくまで参考程度にしておきましょう。
また潮目が停滞していたり、ゴミが溜まりやすい場所、泡が立っている場所は、何かしらの流れの変化を起こす要因があるということ。これもカケアガリの可能性があります。

足元も魚からしてみれば一種のカケアガリといえます。エサが溜まりやすく、堤防のケーソンなど身を潜める場所があるケースも多いです。
ルアーを回収する直前、足元で食ってくることはよくある話なので、足元までしっかり巻いていきましょう。
投げ釣りや一部のルアーでおこなうボトムをズル引く釣り方の場合は、陸から視認できないカケアガリを見つけやすいです。
ズル引いているときに、急に仕掛けが重く感じた場所は、カケアガリになっている可能性が非常に高いので、そこで待っていると高い釣果が期待できます。
カケアガリを攻めるには

カケアガリの攻め方は釣種によってさまざまです。
例えばジギングやルアーの場合は、カケアガリに差し掛かったらステイさせるのが効果的です。引き波を利用できそうならラインを送り込むようにしても良いでしょう。
カケアガリを長く通すため、斜めに投げて、ブレイクラインに沿うようにルアーを通す方法も有効です。
同じように、フカセ釣りや投げ釣りなど、カケアガリの攻め方はルアー、エサ問わず存在します。自分の釣りに合わせた攻略法を学んで積極的に狙ってみましょう。