フックが標準装着されていないメタルジグでは、どのようなものを装着すればよいのか悩むアングラーも多いようです。そこでフック選びとセッティングの基本的な考え方を紹介します。
タックルバランスが重要

釣りにおいてタックルバランスというのは非常に重要です。その中でも、ロッド、ライン、フックというのはとてもに綿密な関係にあります。それゆえ、フックチョイスは使用するロッドやラインとバランスを考えることが要となってきます。
例えば、ヒラマサなどパワーのあるターゲットを狙う場合、200g程度のメタルジグを扱える強いロッドにPE3〜4号などの太いラインを組み合わせ、フックも5/0などの大きく太軸なものをチョイスするのがスタンダードです。

この組み合わせであれば、10㎏オーバーのヒラマサでも、ラインブレイクやフックの伸びを気にすることなく、強気のファイトで魚を寄せることができます。
ベースをこの組み合わせとして、例えば、ロッドをスーパーライトジギングやタイラバ用のライトなものを使用すると、魚がバイトしてきたときにアワせてもロッドが曲がるだけで、なかなかフックを貫通させることができません。また、ラインをPE1号程度の細いものにすると、簡単にラインブレイクしてしまうし、フックをタイラバ用の細軸のものを使用すれば、簡単に伸びたり折れたりしてしまいます。
しかし、細軸のタイラバ用フックにPE1号を組み合わせ、軟らかいタイラバロッドを使えば、多少時間がかかるにせよ、同じヒラマサが獲れたりするものです。
つまり、フックチョイスの基本は、使用するタックルとバランスさせるということが大切なのです。

フックサイズ
大型でパワーのある魚を狙うときは強度の高い、太軸で大型のフックを使い、小型の魚を狙うときは吸い込みやすい、細軸で軽量なフックを使うのがフックサイズ選びの基本です。また、ターゲットの捕食の仕方や口の形状・大きさなどでもサイズのチョイスが変わってくきます。
例えば、マダイのような口が小さく硬い歯を持っているような魚は、青物狙いの大型のフックでは口の中に入りづらいです。一般的なルアーフィッシングでは、青物やマグロなどの大型魚を狙うとき以外は、2/0以下のサイズでほぼ事足りるでしょう。もちろん、これはタックルバランスが適正だという前提の話となります。

では今度は使用するメタルジグとの相性を考えていきましょう。
ここで重要な点は、フックがメタルジグを抱かない(引っ掛からない)サイズを選ぶということです。フックがメタルジグを抱いた状態になると、当然、魚がバイトしてきても、フッキングしづらくなってしまうからです。
フックがメタルジグを抱くのは、メタルジグの幅と同程度のサイズのフックを選ぶと起きやすくなる現象で、その場合はフックサイズかメタルジグを変える必要があります。
多くの場合、ベイトや水深に合わせてメタルジグをチョイスするので、フックを変えるという方が現実的でしょう。このとき、フックサイズは大きくしても小さくしても問題ありません。もちろん、これはタックルバランスが崩れない範囲で行う必要はあります。

小型のメタルジグに大型のフックを装着すると、アンバランスにも見えますが、ベイトが小さいときはありうるチョイスです。また、ライトなタックルで水深のある場所を狙うときは、大型のメタルジグに小さなフックというチョイスも考えられる組み合わせです。
ただし、メタルジグの重量というのも、タックルバランスの中に含まれてきます。強いロッドにあまりにも軽量なメタルジグやライトなロッドに基準を超えた重いものを組み合わせると、アクションさせづらくなることは考慮しておかなければなりません。

アシストライン
アシストラインの長さというのも、ある程度は考慮する必要があり、長過ぎるのも、短か過ぎるのも良い結果には繋がらりません。
市販のアシストフックを使用する場合は、アシストラインの長さというのはある程度決まってくるため、そこまで神経質になる必要もありませんが、おおよその判断基準を紹介しておきます。
アシストフックはフックを含めたアシストラインの長さがメタルジグの1/3〜1/2程度になるのが基本となります。

青物などはベイトの頭にアタックすると言われており、これくらいの長さにしておけばフッキング率が高くなりやすいのです。
ただし、ロングタイプのメタルジグの場合はこの範囲に収まらなくても問題ありません。アシストラインをあまり長くし過ぎると、フォール時にメタルジグ本体からフックが離れてしまい、フッキングしづらくなるので注意が必要です。
また、メタルジグの前後にアシストフックを付ける場合は、フック同士が絡まない長さにすることが大切で、フロントに対してリアを少し短めのものを装着するというのが一般的なパターンです。