ベイトリールの機能を使いこなそう

釣りのタックルは日々進化しており、その性能の向上には目を見張るものがあります。特にリールは軽量化が進み、高い防水性能とドラグ性能を兼ね備え、さらにはシルキーな巻き心地を実現したものが増えてきました。

性能面ではどんどん進化している近年のリールですが、機能面では過去のものと比べても劇的な変化というのはあまりないように思えてしまいます。特にスピニングリールはほとんど変わっていないような印象を受けます。

ですが、ベイトリールにはタイラバやSLJといったライトなオフショアゲームの人気が高まってから採用率が上がった新しい機能があります。それはICカウンターです。

ICカウンターを備えたベイトリール。

IC技術の発達により、より小型化・高性能化されたカウンターが、小型のリールにも簡単に取り付けられるようになったため普及したものと思われますが、これは近年のリールの変化の中でもかなり劇的なものではないでしょうか。

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ICカウンターの機能

カウンターはラインの放出量を分かりやすくするための装備です。これがIC(集積回路 :Integrated Circuit)化されることによって、単にラインの放出量だけでなく、フォールや巻き上げのスピードなども計測し、表示できるようになりました。

この液晶画面にいろいろな情報が表示されます。

ラインの放出量が表示されるメリットは、ルアーがどのレンジにあるかの目安となることです。ラインは海中では潮流の影響を受けるため、ロッドの先から垂直に、自分の真下には出ていくわけではありません。特にドテラ流しでは、船は風や潮流にまかせて流していくため、ラインはかなり斜めに放出されていきます。そのためカウンターの数値=ルアーのある水深というわけにはいきませんが、おおかたの目安にはなります。

これによってまず、いつボトムタッチするのかが分かりやすくなります。水深は船長のアナウンスなどで事前に把握できるので、水深相当のラインが放出されたら、あと少しでボトムに到着することが予想できます。ボトムを取り直すごとにラインの放出量が増えていくことさえ認識しておけば、ボトムタッチが分からずにいつまでもラインを出しっ放しにするということも少なくなるでしょう。

ICカウンター付きモデルは各メーカーからラインアップが増えています。

また、魚がヒットしたときはカウンターの数値を確認しておくことをおすすめします。そして次はその数値近辺を集中的に探っていけば再び魚に出会う確率が高くなるでしょう。

これらのことはPEラインに着色されたマーキングを数えていけば、通常のリールで再現することは可能です。しかし、いちいち色の変化を凝視しながら長さを把握していくのは非常に面倒です。ICカウンターなら、パッと見の数値で分かるだけでなく、音で知らせてくれるものもあります。

巻き上げスピードやフォールスピードが表示されるタイプは、タダ巻きを多様するタイラバやSLJでは特に重宝します。

特に定速巻きが基本となるタイラバでは、数値でアタリの巻きスピードを確認することができるのは非常にありがたいことです。どちらも感覚だけに頼らず、数値によってヒット状況の再現性を高めることができる機能だと言えます。

フォールをコントロール

フォールレバーを備えたシマノのベイトリール。

シマノ製のベイトリールには、フォールレバーが装備されているものがあります。これはレバーの操作一つで簡単にフォールスピードを調整できる便利な機能です。

多くの魚がフォールに反応することは知られていますが、より効果的にフォールでヒットさせるために考案されたものです。

タイラバやSLJでは巻き上げ時にヒットしてくることが多いですが、実際はフォール時にアタックしてくる魚も少なくはありません。ただ、フォール中のアタリは分かりづらいため、気づかないことも多いです。

フォール中のアタリを逃さないため、また積極的にフォールで食わせるという、今までになかったスタイルを実現するのがこのフォールレバーとなります。

このレバーを操作することによってフォールスピードを調整できます。

通常のベイトリールでフォールスピードを調整しようと思うと、サミングによるものと、メカニカルブレーキによる方法が考えられます。

サミングは人の感覚だけが頼りとなるため経験と感が必要となります。またメカニカルブレーキは調整が少し面倒です。

レバーを倒したり、戻したりするだけの簡単操作でフォールスピードをコントロールします。

フォールレバーは基本的にメカニカルブレーキの発展形となるわけですが、いままでなかった機能であり、ある意味革新的だといえます。レバーを倒す、起こすという動作だけでブレーキの効き具合を調整できるので、誰でも簡単に狙ったフォールスピードを再現することが可能なのです。

さらにフォールレバーとICカウンターの両方が搭載されているモデルなら、フォールスピードも巻き上げスピードも正確に再現することが可能となり、攻めの戦略が大幅に広がることでしょう。

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