
百合野 崇
ゆりの たかし
金龍鉤スペシャルスタッフ、シマノフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。2018年シマノジャパンカップクロダイ大会優勝。チヌ釣りに賭ける情熱は師匠である大知 昭さんに「世界の百合野」と呼ばせるほど。

最近、撮影時に水中ドローンを入れることが何回かありまして、魚の有無、海の状況がその場で把握できる機会に出くわしました。
結論から言うと、思っている以上にチヌはマキエに寄っていて、マキエに反応していました。
ただ私が映像を見る限り、積極的にマキエを捕食しているチヌは皆無に近く、マキエの煙幕を囲むようにものすごく警戒しながら、少しずつ捕食している感じに見えました。
おそらくほとんどがこのケースで、タイミングなのかスイッチの入り方で、そのマキエの煙幕に入り込んだチヌが釣れていると思います。
警戒する様子がかなり強く、マキエの煙幕の外にあるツケエは、警戒して食べないと言い切れると感じました。いかにマキエとツケエの同調が大切かということを認識させられます。
こんなアタリも本命

基本的にアタリは全てチヌと思って竿を出していますが、小刻みに震えるようなアタリはフグやチャリコが多いです。
またツケエがオキアミの場合は、皮や身が小さく刻まれた取られ方はエサ盗りの場合が多いのですが、潰れたような形状で戻ってきたときは、チヌの場合が多いです。
仕掛け回収時にハリに付いたオキアミの形状は必ず確認してください。
これから水温が上がると、ボラが湧くことがあるかと思います。かなりの数のボラが湧いてるのにエサが無反応で取られる場合があります。
マキエに反応して水面でバシャバシャしているすぐ下にチヌがいて、ハリスが立つ前にエサを取っていることが多々あります。

この浮いたチヌは、浮いている=高活性ではなく、ただボラの高活性に吸い寄せられて浮いているだけで、意外にツケエへの反応がシビアです。
先沈するハリスに違和感を覚え、半分だけ捕食されてそのまま沈み、とどめをエサ盗りに取られるため、ウキや道糸に反応が出にくいケースがほとんどです。
この場合、やはりハリスを思いきって短くするのが正解で、アタリを拾いやすくなります。また沈下速度が遅くエサ持ちの良いコーンも効果的です。

カケアガリの見つけ方
ある程度、地形の把握は重要です。特にカケアガリ位置の把握は釣果を左右するほどです。
ウキ止めを付けないスタイルですので、地形は釣りながら仕掛けの回収具合で把握していきますが、あくまでもおよその枠でしか認識できません。
このあやふやな認識を、海の状況から確信に変えていきます。その海の状況ですが、やはり不自然な波の変化や潮目です。潮流でできる潮目は必ず動きがあります。

それは時間とともに消えたり、いきなりできたり、沖から寄ってきたりしますが、カケアガリに当たってできた潮目は、定位置に存在し、波の立ち方が変わったり、浮遊物が止まったままだったりしますので、その変化に注意しながら海面を観察しています。
仕掛けの回収具合、海の表層の状況から確信へ変わります。