百合野 崇のチヌ釣り学 黒鯛心悸 第十二回「一年でもっともパワフル 夏のチヌ攻略法」

百合野崇プロフィール

百合野 崇
ゆりの たかし

金龍鉤スペシャルスタッフ、シマノフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。2018年シマノジャパンカップクロダイ大会優勝。チヌ釣りに賭ける情熱は師匠である大知 昭さんに「世界の百合野」と呼ばせるほど。

元気たっぷりの夏チヌは、暑さを忘れさせてくれるぐらいの力強い引きで楽しませてくれます。

個人的には梅雨明けから8月一杯までの間が、年間で1番楽しく好きな時期であり、型・数共に狙えるシーズンだと思っております。過去歳無しを釣った数は、大型狙いの乗っ込み期よりも、この夏の方が圧倒的に多く、私の師匠でもある大知 昭さんも60㎝アップを何度もこの時期に釣り上げております。

デカチヌ狙いのときは極翔硬調黒鯛かアートレータがおすすめだ。

確かに乗っ込みは、産卵に備えて食いのスイッチが入るため大型狙いに最適な時期ではあるのですが、チヌ自体が群れてしまう傾向があり、低水温の影響も受けたりなど、場所・時期・タイミングのどれかでも外すと結構厳しかったりします。

しかし、7月を迎えるころには、乗っ込みから体力が回復し、水温も20度を超えていますので、マキエやエサへの反応も早く、高活性である状態が多くなります。

チヌの好きな濁りを重視したマキエ。素早くチヌの反応を引き出すことがエサ盗り対策にもなる。また高活性時はマキエの沈下速度もゆっくりがよい。その中で仕掛けを漂わせるイメージ。

基本、チヌは底狙いがメインになりますが、この時期は浮くことも多く、意外にも1番浮いた浅いタナで釣れたチヌが1番大きいサイズだったことは多々あります。チヌ特有の「大きいサイズから釣れる」もこの時期最も顕著に現れますので、特に朝一は先打ちマキエ多めで太仕掛けの上層狙いは必須になります。

一年通じて練りエサを使うが、エサ盗り対策でマーブルにすることが多い。

上層から中層にしっかり濁りが効き、その濁りの層からコーンやムギ、カキ殻などのペレットが単体でユラユラ落ちるマキエの中に、基本ノーガンの仕掛けで、練りエサの重さだけでなじんでいくようにすれば上層から全てのタナを狙うことができます。もちろん、チヌの活性・上潮のスベリ・水深等考慮してガン玉は適時使用してください。

暑さを忘れさせてくれるぐらい楽しい時期にはなるのですが、つい夢中になって忘れがちになる塩分・水分の補給は必ず行ってください!

夏のチヌの引きはパワフルで、それまでのイメージを一新するほど楽しめる。

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