
山口美咲
やまぐちみさき
トーナメントに励みながらも、プライベートでは大物釣りに夢中。シマノ、オーナーばり、マルキユー、釣研フィールドテスター。Zeque、ルミカフィールドスタッフ。


最近は釣りブームの到来なのか、釣りガールと呼ばれる人も増えました。
私も一応釣りガールの一人かなと思っておりますが、自分の中では男女関係なく釣り人。釣りが好きならそれでよいという考えです。
しかし、それでもやはり釣りは男性が多いのが現状。実際釣り場でお会いする女性はすごく稀です。
そんな釣りの世界で、私も女性釣り師として良い経験をさせていただきましたし、逆に大変なことも多かったです。今回はそんな釣りガールとしての経験を少しお話します。

私は親の影響で磯釣りを始めたこともあり、幼いころから釣りをしていました。
当時は子供が磯で釣りをすることがとても珍しがられ、さらには女の子ということで話題になったようで、中学のころに釣り雑誌で毎月コラムを連載させていただきました。
今思えば、釣りガールならではの経験だったのかもしれません。

幼いころ、いつもテレビで見ていた児島玲子さんに憧れて、釣りのお仕事を志しました。
もう何年も前のことですが、とあるイベントで釣りガールトークショーがあり、そのメンバーとして参加させていただいた際に、同じステージでお話させていただいたのがなんと児島玲子さん。
夢のような時間で何を喋ったのかあまり覚えていません。ただ、どんどんみんなに会話を振り、ステージにいた全員の話を引き出す、これがプロなんだ! と強く印象に残っています。
そんな時間を過ごすことができたのも釣りガールならではの経験かもしれません。
特に男性が多い磯釣りの世界。女性にはみなさんとても優しいです(笑)。もしかしたら内緒の秘策なのかな? というようなことも、こっそりと教えてくださります。

また、これはいつも申し訳ないなと思うことなのですが、荷物を運ぶのを手伝ってくれたり、とても親切にしてくださる方が多いです。いつも本当に感謝しています。
私はトーナメントにかなり力を入れておりますが、正直言って女性はほぼいません。試合は体力的にもかなりハードな面もあって、あまり口に出したくはありませんが女性には不利なことも多いです。
しかし、それは言い訳にしかなりません。苦手を克服するのと同様に、足りないことは補えばよいのです。

女性として一番足りないのはやはり筋力。何年か前は筋力を付けるためにトレーニング漬けの毎日を過ごしていました。特に腕の力は必須です。
魚を釣るのはもちろんですが、重たいマキエをスタスタと歩いて運ばなければいけません。
また、私が行くエリアでは、足場の高い磯だと、自分の頭よりも上に荷物を上げなければいけないこともよくあります。
釣りに行く以上は、自分で全てできて当たり前。どんなに重いものでも上げられて当たり前。ある程度のトレーニングは必要かなと思っています。
そして最後に、いつも思うのですが、女性が少ないからこそ? なのか、たまに女性同士で釣りに行くことがあるととても楽しいです! ずっとお喋りしてしまいます。

普段話せないこととか、女性ならではの悩みや経験などを話しているとどんどん時間が過ぎていきます。
女性が磯に渡るとなるとトイレの問題や、荷物の重さなどさまざまな壁があります。なかなか踏み込めないのが実情だと思います。
しかし、船にトイレが付いていて、見回りの際に貸してくれる渡船もありますし、隠れられるような広い磯に降ろしてもらうという手もあります。
荷物に関しては、自分で持つことができるエサの量にしたり、二つに分けて重さを分散させたり。
工夫次第で女性でも気軽に釣りに行ける環境を整えることできるので、これからさらに男女関係なく多くの方に磯釣りの楽しさを知っていただきたいなと思っています。