
山口美咲
やまぐちみさき
トーナメントに励みながらも、プライベートでは大物釣りに夢中。シマノ、オーナーばり、マルキユー、釣研フィールドテスター。Zeque、ルミカフィールドスタッフ。

グレは繊細な魚
チヌもグレも両方釣る私にとって、グレというのはとても繊細だという印象です。
ツケエにほんの少し硬いものを使うだけでも嫌がって離したり、道糸を引っ張り過ぎても違和感を覚えて食ってこなかったり……。仕掛けを流しながら釣っていくフカセ釣りにおいて、いかに違和感を与えずに流してヒットに繋げるかという、とても難しい釣りだと思います。
もちろんそんなときばかりではなく、何をやっても釣れてしまうような、高活性のときもありますけどね!
シビアなときに心掛けていること
せっかくなので、シビアなときこそ気を付けていることを紹介します。
まずは仕掛けの流し方、これが実はとっても重要なんです。基本的によく言われるのが、「張らず緩めず」。
まさにその通りなのですが、きちんとできていますか?
単純に竿先だけを見て糸を出し過ぎないとかそういうことではなく、仕掛けを入れた瞬間の道糸の置き方、潮の流れとの向き、そして流しながらのメンディング。
この一連の動作がきちんとできている方は、かなりレベルの高い方だと私は思っています。というくらい、大事なことなのです!
例えば、風が強いとき。仕掛けをキャストするとどうしても風にアオられて、必要以上に道糸が出てしまいますよね。
そういうとき、そのままにしていませんか?


正しい位置に道糸を起き直すことが大切です。
また仕掛けを流しながら随時道糸をメンディングしていくことが大切です。
きちんとした位置に道糸を置いていなければ、何の抵抗もなく流れていくマキエと、引っ張られながら流れる仕掛けでは、どんどんズレが生じてしまいます。マキエとズレるだけでなく、本来流したい潮筋からも大きく外れてしまい、ヒットからは遠ざかってしまいます。
ワンポイントとして言えるのは、フワっとてんぷらのようなキャストだと余分な道糸が出てしまいやすいので、弾丸な軌道で真っ直ぐにキャストをするように心掛けると良いですよ!
風が強い日は特に意識してやってみるだけで、道糸をきれいに置くことができます。

道糸の置き方さえきちんとできていれば、ヒット率が上がるだけでなく、余分なラインが出ていないので、アタリも明確に捉えることができますし、とにかく必ず意識してほしいポイントです。
これからの時期、梅雨グレなどの高水温期に比べて、水温も下がりグレも少しシビアになってくるころです。小さなアタリも多くなってくるかと思います。「グレ=ラインが走る大きなアタリ」そうばかりでもなくなってきますよね。
しかし、グレは最終的にはしっかり持っていく! と思っているので、例えばウキに反応があるのに途中で反応がなくなってしまうときや、居食いしていたときなんかは何かが違うと考えます。仕掛けをもう少し浅くしたらしっかりアタリが出るのではないか? ツケエを嫌がっているなら、加工オキアミからオキアミ生に替えてみよう。など、何かしらの工夫をすることで、はっきりとしたアタリを出すようにこちらからアプローチしていくようにしています。

ウキを浮かべて釣っているときだと、そんな小さな変化も気付きやすいので対応も早くできます。そうやって小さなことでも面倒くさがらずに変えていくことで、必ず答えは返ってきます。そしてしっかりとアワセが決まった瞬間が、一番嬉しいときですよね!
グレ釣りは、ときにシビアで難しい釣りですが、だからこそ魅力がいっぱいな面白い釣りです。自分の考えをしっかり持って釣りに行き、価値ある1尾をぜひ仕留めてくださいね!