釣まんインストラクターの江藤義紀さんと藤本みどりさんは、上物釣りのエキスパート。今回、乗っ込みシーズンのチヌを対象魚とした、釣まんファングループ(TFG)懇親釣り大会に合わせて長崎県松浦市の福島へと向かった。
福島がある伊万里湾一帯はチヌ釣りのメッカで、年間を通してコンスタントな釣果を期待できるが、残念ながらこの日は未明から続く雨模様。 雨が上がれば北東の風が強くなるという予報で、春の終盤の時期とは思えないほど体感温度は下がっていた。釣り人紹介
釣まんインストラクター江藤義紀

TFG(釣まんFG)、釣研FG、福岡グレ競友会所属。グレ釣り、チヌ釣り共に得意とし、ダイワグレマスターズでV3(2010、2017、2018)を達成するなどトーナメントでの好成績多数。福岡県在住。
釣まんフィールドテスター藤本みどり

TFG(釣まんFG)、釣研FG、GFG(がまかつファングループ)、福岡グレ競友会所属、釣研/スペシャルスタッフ。トレードマークは笑顔と元気。フカセ釣りはもちろん、近年は根魚狙いにも積極的に挑戦中。大分県在住。
こだわりのマキエ

ウバ瀬という平坦な磯に上礁し、午前7時からマキエの準備を開始。 満潮が11時過ぎという条件で、まずは上げ潮からの釣りとなる。

「私は、メインとなる集魚材を最初に入れるようにしています」という藤本さんが3㎏のオキアミに混ぜたのは、釣まん/カラーチヌ1袋。
比重が大きくベースエサとして最適なカラーチヌは、ウエットタイプでオキアミとなじみやすく、配合された5種類のカラー麦がチヌの視覚に訴える。
「砂底で目立ちやすいグリーンのムギを、チヌがしっかりと食べてくれます」と、江藤さんも熱烈にカラーチヌを支持する。

続いて藤本さんがバッカンに投入したのは広く拡散するプレミアムイエローチヌ1袋で、仕上げにチヌの舞ホワイトを半袋追加。
「白い集魚材は視認性をアップしてくれる効果のほか、濁りの煙幕を生じさせてくれます」
5種類のツケエをツケエケースに収めれば準備は完了。江藤さんはエイジアマスターピース01の半遊動仕掛け、藤本さんは大征黒00の全遊動仕掛けを組んだ。
集魚材紹介

カラーチヌ

5種類のカラー麦配合により、あらゆる海の変化(海の色合い等)に伴う魚の反応する色に対応。ウエットタイプなので調整程度の水分で完成。
ヒシャク離れも良く操作性に優れ、チヌの好む具材を大量に配合。
プレミアムイエローチヌ

まとまりと、シャク離れの良さから遠投性に優れ、広く拡散する黄色の煙幕でチヌを寄せる。沈下するカラー麦・コーン・カキ殻などの視覚効果でチヌの食い気を誘う。
チヌの舞ホワイト

白いマキエで視認性が抜群。高比重でまとまりが良いため遠投性に優れ、沖の深場のポイントも直撃。バイオバクター(活性誘引剤)配合によりチヌの活性を高める。
即効性の証明

チヌ釣りは狙いのポイントにしっかりとマキエを効かせることからスタートするが、20mほど沖に狙いを定めた江藤さんが最初に竿を曲げたのはわずか3投目。
「ツケエは新鮮組生LLサイズで、浅いタナで引っ手繰るようにアタってきました。左方向への潮の流れが急に速くなったなと思った瞬間に食ってきたのですが、チヌの視線が上を向いていましたね」

上から落ちてくるものに興味を示すチヌに対し、カラーチヌに配合されたカラフルなムギが即効性を発揮した結果といえるだろう。


風は左からで潮は緩やかな右流れだが、上潮(うわじお)が滑っている様子はなく、30m沖を狙っていた藤本さんにも本命がヒット。
「ツケエは黄色の練りエサ・プレミアムスイートイエローで、3ヒロぐらいのタナで食ってきました。今はとても釣りやすい状況です」

早々と1尾ずつキャッチすることに成功し、楽勝ムードとなったが、江藤さんの釣り座ではハリが取られるようになってしまった。
「白いハリを使うと、あっという間に塗装が剥がれてしまいます。かなりの数のフグがいますね」
ここからは足元から5mほどの範囲にパラパラと少量のマキエを打つことでフグが沖に出るのを阻止するパターンを実践。


ツケエはMF製法ザ・遠投チヌをメインに使用し、キビレチヌとチヌを立て続けにキャッチすることに成功した。
「ハリスにガン玉を打っていない仕掛けが潮の流れに乗っていたので、やはり浅いタナで食っていますね。誘うより流す釣り方への反応が良いようです」
チヌの視線


短いスパンで右流れになったり左流れになったりと潮の流れが安定しない中、江藤さんが釣果を上げていたポイントはフグだらけになってしまった。
ここでフグ対策で手前に打っていたマキエが釣果への布石となる。
「仕掛けを張りながら手前に打ったマキエの帯の中に入れていったら運良く食ってくれました。さっきまでのアタリと違い、ググーっと持っていったので、着底しているツケエを食ったようですね。これも遠投チヌでの釣果です」


一方の藤本さんは思い切り沖を狙い、プレミアムスイートイエローとちぬの舞だんごのマーブルを完全に底まで落として食わせることに成功。
このヒットパターンを見た江藤さんは、ハリの上20㎝にG7のガン玉を打った。
「チヌの視線は下向きになっています。練りエサで釣果が上がっているので、オキアミも安定させた方が良いだろうと判断しました」

この作戦は見事に功を奏し、40㎝級のチヌをタモへと導いた江藤さん。遠投チヌのツケエで狙ったのは15mほど沖の地点で、さらに沖のポイントを温存することで終盤の勝負を見据えている。
上げ潮に変わってからも快調に釣果を伸ばしていく江藤さんと藤本さん。
江藤さんが最後にキャッチしたチヌは、底まで落としたプレミアムスイートイエローを、ゆっくりと引きずって誘うというヒットパターンで、沖のポイントを狙っての釣果だった。

