グレ釣りにおいて潮の変化が多くヒットポイントが安定しないときの対策

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潮は常に変化し、同じ流れは二つとない

潮は上げと下げでは流れる方向が反対になる。それが一般的であり、潮とはそういうものだと信じている釣り人が少なくありません。

ところが、現実はそうとは限らず、上げも下げも同じ方向に流れたり、上げ潮しか動かなかったりと「常識」とは異なる動き方をするのが自然というものです。

そういうときの釣れなかった言い訳は大体潮のせいにされます。潮が悪かったと……。皆さんもそんなことを言った経験があるのではないでしょうか。

グレ釣り

しかし、元々潮とはそういうものだということを知っておかなくてはいけません。決まりきったように、上げと下げで流れる方向が反対に入れ替わるわけではないのです。

本流が走れば引かれ潮、またはワイが発生しやすいのはみんなよく分かっています。だが、それは狭い範囲のことだとしかとらえていません。実際には広い範囲でもその現象は発生しているのです。

上の図がそれを表したもので、はるか彼方を沖潮が流れています。

この沖潮の強さや方向によってワイが生まれたり引かれ潮が発生したりする。釣り人はそれが本来の流れだと信じて、さらにそれに派生するワイや引かれ潮を釣っています。

ところが、沖潮は強さや方向も変化します。それにともなってワイは生まれたり消えたりします。同様に引かれ潮も出現したり消滅したりします。

ときには沖潮が押さえ込んで、沿岸部ではまったく潮が動かなくなるケースもあります。このように、潮とは常に変化しているものだということを認識しなければいけません。

ヒットがいつまでも続く時代ではない

オキアミが登場したばかりの頃はマキエを入れればグレが湧き、撒き続けている間は食いが続いていました。しかし、今や飽食の時代が訪れ、マキエだけではグレの活性を維持できなくなっています。

いまやツケエを先行させて仕掛けを張り、マキエと同調させないと食わせるのが難しくなっているのは皆さんよく知っている通りです。

ところが、潮の速さや方向が変わると、ツケエのタナが変わります。マキエとも同調しなくなる。それまで連続して食っていたとすればアタリは止まる。

それは自然の成り行きであり、釣り人としてはどうしようもありません。

そこで、食いが立ったときは手返しを早くして効率良く数を稼いでおきます。回収した仕掛けのツケエを交換してマキエを入れ、仕掛けを投入。

アタリがあれば手早く取り込み、釣り上げた魚を処理します。それができる人とできない人の差は大きく、ベテランが3〜5尾釣る間にビギナーはようやく1尾というケースも珍しくありません。

潮が変わればアタリが止まり、再びヒットパターンを探し当てるのにベテランは早く、ビギナーは時間がかかる。

そしてまた潮が変わったとしたら、ベテランとビギナーの釣果の差はどんどん広がっていくわけです。状況を読む能力の差は大きく、それに対応する引き出しの数もまた多いのです。

状況を読む能力をいかに養うか

磯に上がったら高いところに登って地形を観察するというのはビギナーの時代に教わることです。

足場をどこに取り、潮がこう流れたら、どこにマキエを入れて、どこで食わせ、あそこで取り込むという大まかな予定を立てるためです。

慣れてきたらそれ以上に視野を広げ、自分がいる磯と沖に浮かぶ島、伸びている半島との関係を計算して大きな潮の流れをつかむ必要があります。

目の前の潮だけをとらえるのではなくて、より広い範囲の潮を観察し推測します。そうすれば潮は今後どのように変化するかが予測でき、変化したとき慌てないですみます。

予測と違えば修正すればいいだけの話です。予測通りに変化すればさらにその先を読み、常に変化に対応できる態勢でいれば変わったときに慌てないで済みます。

重要なのは状況を読む能力にあります。干満の時刻は頭に入っているだろうから、今は上げ潮の八分辺りで満潮に近づいているという現状を把握して、潮は今後緩むと想像できます。

しかし、満潮が近づくとグレの活性は上がり、タナが浅くなる可能性が高いのです。

その後、満潮で潮が止まると活性は下がります。とはいえ、下げ潮が動き始めると再び活性は上がります。ただし、下げ潮に勢いがつくとワイが発生して流れの方向は変わると思われます。

このように、常に状況を読んでこの先を推測する習慣を身に付けておきましょう。

状況が変われば変化にすぐ対応する

潮が変わってアタリが止まれば再び釣りを組み立ててアタリが出るようにします。

この作業は省けないし、手抜きもできません。グレのタナを探り、マキエと仕掛けの投入点や投入タイミングを一つ一つチェックするという地道な作業を繰り返すことになります。

最初から釣りをするわけではないから、さまざまな情報はすでに頭の中に入っています。

エサ盗りの状況やグレのタナ、変化する前の潮の状態などで、それをベースにして新たな釣りを組み立てるというのが通常のパターンになります。

このとき、注意したいことがあります。読者の皆さんは、片潮釣り場というのを聞いたことはないでしょうか?

意味はいくつかありますが、ここでは「上げ潮でしか釣れない、下げ潮はアタリがない」という状態を指しています(上げ下げが入れ替わっても問題ない)。

上げ潮・下げ潮というのは流れる方向を意味しており、つまり右流れではよく釣れるのに左流れでは釣れないと解釈して大丈夫です。

こうなる理由はいくつか考えられます。右流れは潮下に沈み瀬があり、そこから魚が集まってきます。だが、左流れはその先に沈み瀬がなく、魚は少ないというケースが一つ。

例えば右流れだと他の潮と合流し、そこに潮目、または潮のカベができるケースもあるのです。

他にも理由はありますが、ここで言いたいのは、流れる方向が変わるとアタリが少なくなる可能性があることです。沈み瀬や潮のカベが影響すると、決してそれまでのようには釣れません。

いくら頑張っても無理なものは無理なのです。

そういう現実があることを知っていればアタリが少なくても焦らずに済みます。

目の前にある現実に対応する。それが釣りの基本であり、それを忘れてはいけません。

水位が上がれば足場を移動しなければならない

流れが変わるわけではないですが、水位の変化も潮によるものとしてここで取り上げました。水面が上下すればそれにともなって足場も移動するというケースです。

切り立っていれば足場を移動することはないですが、海面に近い場合は上がったり下がったりするし、潮が引けば頭を出した沈み瀬に移動することもあります。

移動範囲が小さくて同じポイントを釣ることができるのなら問題にはなりません。困るのはそうではない場合です。

左の図を見てください。潮位が低いときにAから竿を出し、順調にグレを追加していたとします。

だが、水位が上がって移動せざるを得なくなった。どこから竿を出すか?

まずBは論外。Aがジャマをするからここで釣りはできません。考えられるのはC、またはDになる。皆さんならどちらを選ぶでしょう。

はっきりいって、どちらも魅力のあるポイントではありません。

Cは遠投して沖を流さなければならず、それでも最後はAが妨害する。Dは足元に根が張り出していて取り込みが難しいです。

ここで、そのポイントの攻略法を解説するわけではありません。Aで釣りができる間はいいが、潮が満ちてきたらどうするかを考えておかなくてはならないということです。

いずれはAを諦めなければならないのは分かっている。そのときにどうするかを前もって予定しておきましょう。いざAから引き上げて、それからどうしようかと考えるようでは遅いのです。

満潮が間近で少し待てば潮が変わり、反対に流れるのならCでも十分釣りになります。また、食事をとったりマキエを準備していたりする間に潮が引き、再びAで竿出しできるかもしれません。

まったく異なる場所に移動したり、さらには磯替わりする場合もあるでしょう。いずれにしても最初からそれを予定しておきましょう。

潮目は現れたり消えたりする

潮の変化や海面の上下はまだ時間的に余裕があります。だから、ある程度は腰を据えて攻めることができます。しかし、それほど長続きしないポイントもあります。

ルアー釣りの場合のナブラがそれで、青物が追いかけてイワシの群れが逃げる現象は近づいたり遠ざかったりして、なかなかメタルジグの届く範囲に接近してきません。

近づいたときにキャストできる余裕は数回しかないでしょう。

グレ釣りでは潮目やワイがそれに当たります。ワイという釣り用語はそれほど一般的ではなく、サラシと混同されているエリアもあります。

ここでは当て潮とそれが跳ね返った流れとのぶつかるところという意味で使っており、その部分だけ海面が細かく波立っています。

潮目を改めて説明する必要はないでしょう。複数の流れ、または海水の塊との接触部に生じるもので、通常は泡が溜まるとそれと分かります。どちらもプランクトンやマキエが溜まり、ポイントとしてはよく知られています。

この二つの共通点は長続きしないことにあります。そこそこの時間は継続しているのかもしれませんが、目に見えるのはわずかな時間でしかない。

潮目の場合はあちらに見えたと思えばこちらに出現したりと場所も一定しておらず、まったく予測できません。

それ以外にも目に見える水面の変化は多い。そこだけザワついたり、逆に部分的に滑らかになったりもします。カモメやウミネコが集まっているところもあります。

そんな場所ばかりを狙い撃ちにして釣果を上げているベテランもいます。

多くのグレ釣り師がマキエを流して潮筋を釣っている中、彼はピンポイントで目に見える「普通ではない箇所」をダイレクトに攻めます。

ポイントが遠いこともままあるため仕掛けは遠投が利くものを使い、常に広い範囲の海面を観察しています。いうまでもなくマキエも遠投できるものでないと役に立ちません。

この釣り方をする場合は全遊動や全層釣法、あるいは沈め釣りなどのタナを探るバーチカル釣法が適しています。攻める場所が一定していないため水深が異なるし、グレの状態も同じではないからです。

半遊動ではタナを探るのに手間がかかりすぎます。いずれにしてもグレの活性は高く、タナはそれほど深くないと言えます。潮筋を攻めていてどうしてもアタリがない場合はぜひ試してほしい釣り方です。

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