
百合野 崇
ゆりの たかし
金龍鉤スペシャルスタッフ、シマノフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。2018年シマノジャパンカップクロダイ大会優勝。チヌ釣りに賭ける情熱は師匠である大知 昭さんに「世界の百合野」と呼ばせるほど。

シマノのレバーブレーキリールのフラッグシップモデルでもある21BB-Xテクニウムが、SUTブレーキⅡを搭載してリニューアルし2021モデルとしてリリースされています。この高性能リールに、改めて注目してみましょう。
改善された違和感

魚はエサを咥えハリ掛かりした際に違和感を覚えます。
チヌは危険回避のため、その場から逃げるような行動に出るのですが、その逃避行動が強いと釣り人はとっさにラインを出してしまいます。

その際ハンドルやローターが逆転しますが、それは魚がラインを引っ張って、逆回転させることになるので、さらにチヌの怒りや危機感をあおる格好になります。
これでは無駄に暴れさせる原因となり取り込める確率が低くなっていきます。
不要なトラブルの解消または縮小させるのがSUTブレーキという機能です。
しかしながら、このブレーキの構造上の問題で、少しハンドルのガタツキが気になるという意見もありました。ハンドルを逆に回したとき引っ掛かりがあるような違和感がありました。
この症状は実釣時に問題やトラブルになることは皆無ですが、改善されました。
注目の新機能SUTブレーキⅡ

21BB-Xテクニウムはそれらの症状が解消され、SUTブレーキⅡとして性能を上げた機能を搭載しています。
またローターも大型化、強度を上げつつも最大限に軽量化を実現できましたのでさらに魚に与える違和感を減少させることができました。
このSUTブレーキⅡですが、軽量化されたローターもいつかは下位の機種にフィードバックしていくと思われますが、唯一下位のリールに無い特別な特徴が常に21BB-Xテクニウムにはあります。

それは機能ではなくて、ハンドルを回したときに感じられるシルキーな巻き心地です。直接、釣果や釣技に関わりませんが、この巻き心地は21BB-Xテクニウムだけにしか体験できません。
釣り具は釣りをするための道具ですが、この21BB-Xテクニウムはマシン的な要素がかなり強いです。ボディやギヤの剛性や精度は、フラッグシップならではの特別な物です。
是非、釣具店で触ってハンドルを回して頂けたら、私の言っている意味が分かってもらえると思います。