日没前後から夜にかけて、ゴカイなどのムシ類をエサにしてスズキが狙えます。スズキがエサに食いつくと、暗闇の中で光る電気ウキがグンッと沈み、アタリを知らせてくれます。
セイゴ、フッコクラスの数釣りから、ときには80㎝オーバーの大物まで狙えます。また、チヌやメバル、カサゴなどが掛かることもあり、退屈しないで楽しめます。
シーズンと時間帯

スズキが捕食する小魚やムシ類の活性が上がる春(4月)から秋(11月)が釣りやすいです。冬期も狙えないことはないですが、産卵前の荒食いシーズンを過ぎると大型が沖に出るため小型が中心となります。
時間帯は夕まづめから日没後2〜3時間がゴールデンタイムで最もアタリが多いです。そのため、真夏になると暑くて釣りにくい日中を避けて、日没前後の数時間だけスズキを狙う釣り人が増えます。
一発大物狙いとなると夜間全ての時間帯に可能性があります。夜中から出掛け、朝まづめに照準を定める釣り方も有効です。
釣り場

スズキの行動範囲は広く、港湾部、地磯、沖磯、砂浜、河口、そして河川中流の淡水域まであらゆるところにいますが、ウキ釣りに適しているのは、ゆるい流れがあり、エサとなるムシ類や甲殻類、小魚が集まる場所です。
実績が高いのは「港湾」や「河口」。特に大型河川の河口部はメーターオーバーも狙える一級ポイントです。
この釣りに必要な道具
スズキ釣りの道具はチヌ釣りと共通するものが多いです。チヌ釣りの道具を持っているなら、そのまま利用できます。ただし、ハリスを太くすることと、スズキ用のハリを使用したほうが掛かりがよいです。



この釣りで一番大事な役目を担う仕掛けは電気ウキです。これからという時間帯に電池切れでは話にならないので釣りに行く前に電気が点くか確認しましょう。
もちろん予備のウキ、電池も忘れずに。万全を期してウキに取り付ける発光体も用意しておいた方がよいでしょう。
基本のタックル以外に、夜釣りならではの道具も必要になります。ライト類を忘れると暗闇の中では何もできないので気をつけましょう。



タックル

竿は万能竿の2〜3号を用意しましょう。スズキの引きは強いから少しかたい竿のほうが対応しやすいです。ルアーロッドを流用してもOKです。
夜釣りがメインなので柔らかいナイロンラインを使うとライントラブルが避けられて釣りやすいです。太さは3〜5号を使います。視認性の高いラインを選びましょう。
遠投する必要性はありませんが、大物がかかったときも対応できるように中〜大型のリールがおすすめです。スピニングリールの3000〜4000番を選びましょう。
夜釣りがメインなので電気ウキの0.5〜2号を選びます。河口で釣ることも考え、流れに負けないよう仕掛け全体は重く設定します。アタリが大きいので浮力設定は大まかでOK。
ハリやその他の仕掛けはセット販売されているものがあるのでビギナーはそれを買っておいて問題ありません。ハリ結びを覚えたら仕掛け作りにも挑戦してみると経済的でよいです。
仕掛けのセッティング方法

ウキ下を調整するためのウキ止め糸を結ぶ。ゴムタイプを使う場合は先に道糸に通しておくこと。

シモリペットを道糸に通す。シモリペットの上下は特に関係ない。

ウキストッパーをセットする。まず2つのウキゴムを道糸に通し、ゴムの間に芯棒を差し込む。

中通しオモリを道糸に通す。

道糸をスイベルに結び、もう片方のカンにハリス付きのハリを結ぶ。

シモリペットに電気ウキをセットして光らせれば完成。
エサ

夜釣りでよく使われるのはアオイソメやイソゴカイなどのムシ類です。
特にアオイソメは暗闇の中で光る性質を持つため、魚に対するアピールに繋がり、夜釣りには打ってつけです。
関西ではシラサエビを使ったエビ撒き釣りなども盛んです。
スズキは新鮮なエサにしか反応しないので、数投してエサの動きが悪くなってきたと感じたらすぐに交換しましょう。
釣り方

エサの位置は底から1m程度が基本です。まずは水深を測り、狙う水深の位置をエサが漂うようにウキ止めの位置を調整しましょう。
エサをつけたら仕掛けを投入します。
スズキは堤防や護岸の際に潜んでいることが多いので、障害物に引っ掛けないように気をつけながら流れの上流方向に向かって仕掛けを投げ、堤防の際を堤防と平行に流していきます。
際から50㎝以内を目安にに、あまり沖へ出ないように竿を動かして調整しましょう。

仕掛けを流しながらアタリを待ち、しばらく流しても反応がなければエサをチェックして再度投入します。基本はこの繰り返しです。
ただし、単純に流れにまかせて流すだけではなかなか食わないので、時折軽く竿をあおったり、流れるのにブレーキををかけたりしてエサを動かす誘いを入れてみましょう。
それでも釣れなければ、タナを変えて(ウキ止めを上下に動かして)探ってみます。
アタリが出ても焦ってすぐにアワせてはいけません。前アタリのあとにウキを引き込む本アタリが出るので、ウキが完全に沈むまで待ち、一呼吸置いてアワせましょう。
見事掛けたら、ゆっくりとスピードを変えずに巻き取ります。50㎝を超えると引きも強烈だが、見かけによらず体力のない魚なので、じっくり取り込みましょう。焦りは禁物です。
