特徴とメリット
イカ釣り用品にテーラーやスッテというものがあります。
テーラーとはエサを付けてイカを釣るための道具で、エサを乗せる部分が平らになっていることから「平ら」が訛ってテーラーと呼ばれるようになったという説があります。
スッテにも種類がいろいろあり、オモリ付きやオモリなし、エサ巻きタイプとエサなしで使用するものなど。
スッテの語源は、腕のいい漁師が仲間にどのようなもので釣っているのか聞かれたときに「素手で釣っている」と答えたことに由来するそうです。

その分類はメーカーによって異なりますが、イカ釣り用の漁具が発展したものだと考えてよいようです。
堤防釣りでもテーラーやスッテは有効です。
主にターゲットとなるのはヤリイカやケンサキイカ、スルメイカなど、群れで回遊するツツイカ系のイカです。枝スををとり、複数のテーラーやスッテをつけて狙うのが一般的。
大きな群れにあたれば一荷や多点掛けも夢ではありません。手軽なうえに短時間で好釣果が見込めるというのがこの釣りの魅力です。
主なシーズン
特定のイカがターゲットではないため、好機はどのイカを狙うかによって変わってきます。
共通していえるのは狙いのツツイカが回遊して接岸する時期が狙い目だということ。総体的に見てツツイカが接岸するのは12月から5月頃まで。それ以降は船釣りでよく釣れるようになります。
地域差があるため、エリアごとにどのようなイカがいつ頃接岸するのか調べておくとよいでしょう。ツツイカには亜種(別種とするほどはないが、形質に違いが見られる種)も多いですが、この釣りはさまざまなツツイカに有効で、各地で親しまれています。
有効なポイント

テーラー釣りのメインは夜釣りです。潮通しが良い場所で、その影響を受けやすい港湾部がメジャースポットとなります。さらに常夜灯があると効果的。
このような場所にはイカのエサとなる小魚が溜まりやすく、それを狙うイカの回遊が期待できるからです。
中でも水深のあるポイントはイカのストック量も多いです。
必要な道具とエサ
基本はキビナゴやサバの切り身といった魚の身。収まりのいいサイズにカットしてテーラーやスッテの上に乗せて巻きつけます。
光沢のあるものにはフラッシング効果があり、反射する光アピールになります。そのほか鶏のササミなどを使う人も多いです。
肉類は身持ちがよいタンパク質のかたまりで、これにもイカは食ってきます。
仕掛けのセッティング
テーラー

蓄光のプラスチックボディを持つ一般的なタイプ。
平らな板状のものが多く、エサをつけるために作られている。ピンにエサを刺し、細いワイヤーを巻きつけて固定します。ラインアイが上下にあり、水中で水平姿勢になります。
エサ巻きスッテ

上部にエサを乗せて使うエサ巻きスッテ。
下部にオモリがついているエサ巻きエギと呼ばれるものも用途は同じ。ラインアイが1つで姿勢が安定するものは、枝スをとって結んだり仕掛けの最下部に取りつけられます。
仕掛けのポイント

ツツイカのアタリは繊細だから棒ウキが分かりやすいです。夜釣りでは電気ウキを使うが、なければ手持ちの棒ウキのトップに発光体を取りつけるとアタリが分かるようになります。
大きい群れに当たり、なおかつイカの活性が高いときはウキが引き込まれたりあらぬ方向に走るアタリが出ます。しかし、状況が逆だと居食いするケースも多々あります。エサはこまめにチェックしましょう。
居食いが続くようであれば仕掛けに手を加えます。まずはテーラーやスッテをローテーションしてカラーやタイプの異なるものでリトライします。それでダメならウキも含めて仕掛けを軽くします。
エサはタンパク質の固まりであればなんでもいいというベテランもいるほどいろいろなものが代用できます。中でも味と匂いが強いものほど集魚効果が高いといいます。なにが効くのか試すのも面白いです。
釣り方

イカの回遊を待ちながら仕掛けを流していきます。流れが速い釣り場で並んで竿を出すときは隣同士協力して観音釣りをするとよいでしょう。
アタリが遠いときは竿をシャクってアクションをつけるのも有効。また、この釣りでは日によって当たりカラーや当たりスッテというのがあるためそれらをローテーションするのも効果的です。

仕掛けの種類もさまざまあり、細かく替えることで釣果に差が出る場合があります。ビギナーがトライする場合、まずは細かなウキ下調整から始めましょう。
アタリの多いタナを見つけだすことが好釣への一歩です。
基準はウキ下5m。それを50㎝刻みで浅くしたり深くしたりして水深3〜7mを探っていくようにします。

潮が横に流れているとき、釣り人が仕掛けの動きに合わせて一緒に歩きながら釣ります。そのとき、複数の人がいたら順に入れ替わりながら釣るのが観音釣りです。
こうすることで広く探りながら釣ることが可能で、特に速い潮が流れている場所では有利です。
ただし、それなりに歩調を合わせる必要があるため、いきなりの参加は難しいです。仕掛け操作に慣れてきたら声をかけて参加させてもらうとよいでしょう。
そのとき、慣れていないことを伝えればアドバイスをもらいながら快適な釣りができるはずです。