シブダイ釣り方はフカセ釣り、カゴ釣り、ブッ込み釣りの3種類で実績がある。いまのところルアーによるシブダイ攻略法はパターンが確立されていないようだ。
その中でフカセ釣りをメインとして釣り方をご紹介しよう。
フカセ釣り半遊動仕掛けで狙う

フカセ釣りで使用するツケエはオキアミボイル、キビナゴ、イカの切り身などで、マキエはオキアミボイルにマダイ用やグレ用の集魚材を混ぜる。
事前にエサ盗りが多いと分かっていれば、マキエはボイルのみにした方が無難だろう。
海底に溜まりやすい魚の切り身をマキエにすれば確実にポイントを作ることができるが、キビナゴのツケエが底を擦ったときにウツボが食ってくることがあるのが難点。
ウツボを釣ってしまうと仕掛けがグチャグチャにされる。
シブダイはかなり引きが強い魚なので、フカセ釣りで使用するロッドは磯竿の4号クラスで、10号前後の道糸を巻いた4000番クラスのリールをセットする。
ハリスは釣り場の状況と魚の活性によってフロロカーボンの8~12号、ハリは使うエサの種類によってサイズを合わせると良い。
特徴と釣れる場所

シブダイの標準和名はフエダイ。体側に白い点があるのが特徴で、点が黒いクロホシフエダイとは全くの別種となる。
両者をシロテン、クロテンと呼ぶことがあるが、あくまでもシロテンが本命。シロテンシブダイは超高級魚としてその食味は高い評価を得ている。
フエダイ科の魚では北に棲息する種で、紀伊半島南部、高知県、九州南部などで釣りの対象となっている。

近年は生息域が広がっているのか、長崎県五島列島の磯でグレ狙いの夜釣りにシブダイがアタることがある。
カゴ釣りとフカセ釣りで狙いたいのは潮が動く場所。沖磯や地磯で、仕掛けを流した先に海溝や沈み瀬といった地形の変化があるようなポイントは狙い所が絞りやすい。
ブッ込み釣りは基本的に足元狙いなので、ある程度の水深がある釣り場が狙いやすい。同じ海域でもその時々で好調なエリアと不調なエリアが出る傾向があり、瀬渡し船の釣果情報が参考になる。
釣果を期待できる条件

シブダイは夏を象徴する魚で、うだるような暑さが続く時期がベストシーズン。日中はほとんど釣れない魚だが、夜釣りではあまり水深がない磯でもアタってくる。
好釣果を期待できる条件は闇夜で、波のない穏やかな日の方が実績は高い。
朝夕のまづめ時、潮止まり前後といった、何らかの変化がある時間帯に突然アタってくることがあるが、基本的にはマキエを絶やさず、チャンスが訪れるのを待つ。
シブダイは群れで行動しているため、時合になれば複数の釣果を上げることができる。
釣り方のコツ

肝心なのはマキエで寄せることで、フカセ釣りの場合は絶えず少量のマキエを打ちながら時合がくるのを待つ。
ブッ込み釣りで魚の切り身をマキエにする場合は、釣りを開始するときと潮止まりのタイミングに多めに撒いておくことも有効。シブダイの群れが回ってきたときに足止めする効果を期待できる。
フカセ釣りのマキエは、明るいうちから打ち始めるとエサ盗りが居付いてしまう恐れがあるので、釣り開始までは控えておいた方がいい。
カゴ釣りもフカセ釣りも、ウキ下は中層から底層までの間で反応をみるが、フカセ釣りの場合はウキ止めなしで広くタナを探るという手もある。