高級魚の代表格として知られるヒラメ。大昔はカレイもヒラメも同じ魚として扱われており、「平目」とはカレイやヒラメの総称を指した言葉でもある。
食味は、刺し身など生で食べる場合はヒラメの方が良いとされており、カレイは煮付けなど火を通した料理が多いとされている。
生息域と漁獲量

生息エリアは、オホーツク海から東シナ海と幅広いが、瀬戸内海を除くと、太平洋側よりも日本海側に生息数が多い。
養殖も盛んに行われていて全国で2000tほどあり、大分県、鹿児島県、愛媛県の順で生産量が多い。
漁獲量は全国で6500tほどで、北海道、宮城県、青森県の順に高く、養殖に比べて東日本の方が多くなる。
養殖と天然の見分け方として、お腹の色で確認されることが多い。天然は真っ白だが、養殖はまだらに模様が入っている場合がほとんどだ。
釣り人が釣る場合、海から釣れるので天然であるが、稚魚放流も盛んに行われているため、その恩恵は大きい。
生息域は、水深10〜100mと幅広いから、多くのエリアで狙うことが可能だ。
堤防や河口、サーフやゴロタ場など、生息している範囲も広く、ソゲサイズ(40㎝以下)が他の釣りのゲストとして掛かることも多い。
大物は船釣りで狙うものと思われがちであるが、堤防やサーフで釣れることもめずらしくない。特にゴロタ混じりのサーフでは、ルアー釣りで大型が出る。
産卵期と成長速度

産卵期は地域差があるものの全国で見ると1〜8月と長く続く。孵化した仔魚は、最初から親と同じ姿ではなく、普通の魚と同じように左右に目が別れている。
成長とともに目の位置が変わり、体長13㎝以上になると親と同じ姿になる。産卵前の荒食いはヒラメも同じで、普段は海底に潜んでエサを待ち構えているが、積極的に捕食行動に出る。
産卵は50m以浅の岩礁地帯にある砂泥域や砂れき域で、夜間を中心として行われる。産卵後は再び荒食いに転じ、産卵前よりも活発に活動し、昼夜問わず摂餌行動をとる。
水温による活性は、20度を下回ると上がるようだ。
ヒラメの成長速度は早く、1年で20〜30㎝、3年で40〜50㎝、5年で60〜70㎝となる。大型はメスの割合が高く、1mを超すような個体のほとんどはメスとなる。ただし、養殖での観察結果も含んでいるので、自然界ではこればかりではない。
ヒラメの釣り方は食わせサビキ(のませサビキ)がおすすめ!

船から泳がせ釣りやルアー釣りが有名だが、一番おすすめしたいのが堤防からの「食わせサビキ(のませサビキ)」。
シーズンは春と秋で、砂泥底が条件とはなるが堤防でも簡単に狙える。
狙い方は簡単で、まずサビキ釣りでアジを狙い、魚が掛かったらヒラメがアジを食ってくれるまで待つだけだ。
サビキ釣りを行う手間はあるが、釣れたアジは南蛮漬けに良いサイズなので、一石二鳥でもある。
釣れるヒラメはソゲサイズがメインとなるが、数は見込める。たまに仕掛けを切る大型が食うこともある。
泳がせて釣る 堤防食わせサビキのコツ

まずはアジを釣らなければならないので、アジの釣果が見込める場所を調べることから始めるが、アジがいてもヒラメがいないと意味がない。
逆にアジがいないとヒラメも接岸していない可能性があるので注意。
まず、アジが釣れている堤防を探し、その周辺に磯やゴロタ場があるかを確認する。
少しくらい遠くても、視認できるほどの距離に磯やゴロタがあればヒラメが堤防に寄る可能性は高くなる。沖にテトラが設置されている場所なども有望だ。
竿を構える場所はアジが群れて釣れている場所となるが、その中でも潮通しが良いところがポイントになりやすい。
堤防でいうと先端付近の外海に面したところだ。アジは足元でも釣れるが、足元には敷石が入っているので根掛りの可能性があり、ポイントとしては釣りにくい。
できれば、沖向き10mくらいをポイントにしたい。

何度もサビキ仕掛けを打ち込んでマキエを効かせればアジがその場所に集まるようになるので、繰り返し行う。
狙い方はいろいろあるが、ウキサビキ釣りが面倒ではなくおすすめ。
タナの設定は底付近にして、サビキはハリスが4号以上のものを使い、アジが掛かったらヒラメが食うのを待つ。理想のタナは、底にアミカゴが着底しておりウキまでの仕掛けに遊びが少ない状態。
しかし、ヒラメはエサを見つけると浮上してくるので、底から1mくらいサビキが浮いていても大丈夫だ。
アタリはアジが暴れるので間違わないように。ウキが沈んで見えなくなってからアワせるようにする。少し遅アワセの方が掛かりはよい。掛けたらあまり遊ばせないように取り込む。