筏釣りの魅力といえばカセ釣り(ダゴチン)だ!! と思っている人は少なくないが、暖かいシーズンになると五目釣りが断然面白くなる。
仕掛けは陸っぱりのものにちょっと手を加えるだけでよく、ヒラメや青物、大きめのアジや船釣りサイズのマダイ、沖でしか狙えないイサキなど、普段は釣れない魚種が狙えるようになる。
それに船のように揺れないから、船酔いしやすい人でも平気な場合が多い。さぁ、今からが魅力満載の筏シーズン。あなたはどこに出撃する!?
だれでも楽しめる筏

釣り専用に設置された、板張りの足場の良い筏から、牡蠣や魚の養殖イケスの縁に乗せてくれる筏までといろいろあるが、釣りが快適に楽しめるように整備された筏を基準に説明する。
目的はマニアックな内容ではなく、娯楽と釣果優先である。
筏は動く

ほとんどの筏はロープに繋がれて固定されている。ロープはパンパンに張っているわけではなく、潮の干満などを考慮してある程度遊びがある。このため潮の流れなどにより若干動いている筏が多い。
底をコツコツとオモリなどで叩いてみると分かるが、海底の起伏が感じられ、筏が動いていることが分かるはずだ。これは潮の流れにより筏がどちらかに押されている場合がほとんど。
緩やかな場合はさほど気にしなくてよいが、流れが速い場合は固定するためのロープに仕掛けが引っ掛かりやすくなるので注意。
また養殖筏や牡蠣筏の場合も同様に、筏の下に潜り込むような潮が流れる場合は、場所を移動した方がよいだろう。
できれば、最初に乗った際に潮が左右どちらかに流れているような場所が好ましく、あとで移動しないで済むし、仕掛けの操作が楽になる。
ライフジャケット必須

渡船を利用して筏に乗る場合は、必ずライフジャケットが必要になる。
ライフジャケットのタイプはどれでもよいが、自動膨張式の場合突然の雨で誤動作することもあるようなので、レインウエアも一緒に持っていくとよいだろう。
対象魚と仕掛け

釣り方の説明はあまり要らない。筏だからそのまま下に仕掛けを垂らすだけなのだ。
もちろんルアー釣りの場合はアクションが必要になるから、普段通りにプラスして、水深が深い分だけオーバーアクション気味に動かせば、よりルアーに動きが伝わりやすくなる。あとは実践あるのみだ。
チヌ狙い(カセ釣り・ダゴチン)

専用の竿が必要になるため、本格的に楽しみたい人向けであるが、タイラバロッド&リールを持っているなら代用可能。
ただしPEラインは使いにくいので、リーダーラインにフロロカーボンを50m巻いておけば道糸を巻き替えることなく使用可能だ。
アジ狙い(サビキ)

筏でも定番の釣り。水深が深い分狙うタナを定めにくい。筏に乗る前に船長に釣れるタナを聞いておこう。釣れないときは水深を上層・中層・下層に分けて探ってみる。
タナにより釣れるサイズが変わることも。近くに青物の養殖イケスがあるとヤズの30〜40㎝も期待できる。
青物&マダイ狙い

狙い方はいろいろあるが、置き竿にして待つ釣りはこれがおすすめ。ただし、青物は比較的中層〜上層、マダイは底付近で釣れることが多いから、同時に狙うのは難しい。
置き竿といってもほったらかしだと竿ごと持っていかれるので、カールコードなどをセットしておこう。
ヒラメ狙い

生きたアジが確保できたなら、ヒラメ狙いがおすすめ。海底に仕掛けを落とすだけで狙えるから、だれでも簡単だ。流れが速い筏よりもゆったりとした場所が狙いやすい。
底を狙うため根掛かりが多くなることもあるので、オモリの予備は多めに用意しておこう。
アオリイカ狙い(ヤエン)

水深が20mを超えるような筏では泳がせ釣りが有利だが、水深が浅い筏ではヤエンが面白い。比較的岸に近い筏なら、沖向きではなく地向きを狙うと吉と出やすい。
水深があるためイカが食った時点でラインに角度があるから、ヤエン投入も楽に行える。

アオリイカ狙い(エギング)

狙う範囲が限られている筏でも、エギングで狙えば広範囲を探れる。おかっぱりと違うのは水深の深さ。
しっかりと沈めてボトムを取るには後付けシンカーも必要になるので、セットできるタイプのエギが使いやすい。ディープタイプやティップラン用のエギがおすすめ。
マダイ狙い(ジギング)

オフショアのように船を流しながら次々とポイントを撃つことはできないが、バーチカルなオフショアジギングといった感じだ。
さすがに1日中行うのはしんどいので、他のルアーと併用して楽しむのがおすすめ。特にスロージギングが有効で、回遊魚を狙い撃ちにできる。

マダイ狙い(タイラバ)

マダイの実績がある場所なら、1投目で食ってくるほど効果の高い釣り方がタイラバだ。釣り方はオフショアと全く同じだが、スレ対策が必要になる。
ワームやカラーのローテーションはもちろん、フォールで食わせるテクニックも有効。軽量ヘッドを使って攻略しよう。