猪熊博之のフカセ釣り新提案「必需品。偏光グラスを使いこなす」

猪熊博之
いぐまひろゆき

グレ・チヌのフカセ釣りで次々と新しいスタイルを確立してきた磯釣り界のトーナメンター。主な戦績は第30回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権優勝、第15回、第16回、第19回釣研WFG優勝、など。がまかつフィールドテスター、釣研インストラクター、東レ・モノフィラメントインストラクター、マルキユーインストラクターとして活躍中。大分県津久見市の瀬渡し船アイジーマリン船長。

猪熊博之

フカセ釣りの道具は正しく使いこなすことで機能を十二分に発揮する。

海中を見るために不可欠な偏光グラスを使いこなすために重要なのは、正しく遠近感を把握できるレンズを選ぶことと、自分の顔に合わせたフレームのチューニングだ。

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海中の状況を把握せよ

グレ

どのようなジャンルの釣りでも重要なのは、フィールドの状況をできるだけ詳細にチェックすることです。

磯のフカセ釣りの場合は、海面を見ることで潮の流れや潮目などを確認し、海中を見ることで底の形状、泳いでいる魚の種類や数、その魚の動きの情報を得ることから1日がスタートします。

海面の様子は裸眼でも判断できますが、海中の状況を把握するためには偏光グラスに頼るのが得策です。

いくら眼が良くても裸眼で見通せる範囲には限界があり、偏光グラスがもたらしてくれる海中の視野の情報量は裸眼の数倍。

海中が見える人は見えていない人より釣果が良いのは当然のことなので、偏光グラスは釣りの必需品といえるでしょう。

かく言う私も、若かりしころは偏光グラスの重要性が分かっていなくて、裸眼で釣りをしていましたが、いま思い返すとよく偏光グラス無しで釣りをしていたなと感じています。

ちなみに偏光グラスは、水面のギラつきを除去する偏光レンズにより、水中の状況をよりクリアに見るという主な目的以外に、強い日差しから目を保護する役割もあります。

偏光グラスの選択基準

猪熊博之

偏光グラスは釣果を得るための重要なアイテムのひとつであり、私は竿、ウキ、ライン、ハリなどにこだわるのと同じように偏光グラスにもこだわりを持っています。

釣り場の状況にマッチする号数のウキやハリがなかったら、イメージ通りに魚が釣れないのと同レベルで、偏光グラスの重要性を感じているのです。

偏光グラスを選ぶ基準にはデザイン性、機能性、軽量性、フィット感などがあり、各人がどの要素に重きを置くかは自由です。

でも、やはり身に着ける道具である以上、気に入ったデザインの製品を選びたいものですね。

偏光グラスを掛けて釣りをしているときに、機能性や使用感についての意識を高めることで、きっと自分に最適な偏光グラスと出会えるでしょう。

遠近感のブレに要注意

私が偏光グラスを選ぶ基準ですが、遠近感がブレる偏光レンズは絶対にNGです。

遠近感がブレると視界に入るものが微妙に遠く感じるようになり、高低差のある足場の悪い磯で移動するときなどは動きづらくて危険を伴います。

また、海中がクリアに見えたとしても、魚の見えているタナの判断がボケてしまいます。

例えば海中に見えるグレのタナが偏光レンズ越しで2ヒロぐらいに思えても、実際は1ヒロ半ぐらいだったりするようでは、せっかく偏光レンズでグレが見えていても効率良く釣ることはできません。

レンズのカーブ

遠近感がブレる原因となるのは、ほとんどがレンズの湾曲が大きいからです。偏光レンズの湾曲を示す仕様として4カーブ、6カーブ、8カーブがありますが、この数値が大きいほど湾曲しているということで、遠近感がブレやすくなります。

つまり、遠近感がブレないことを重視するなら選ぶべきは4カーブということです。

ただし、4カーブの偏光レンズは、サイドにできるクリアランスが大きくなるため遮光性に劣り、フレームの形状を工夫することが必要となります。

レンズのカーブによる影響

相対的に装着時のフィット感と遮光性のバランスが良いのは、私たちの顔の形状に合致する6カーブで、デザイン的にも多様性に富みます。

一般的に8カーブのレンズは欧米人の顔の骨格に合うデザインで、日本人を含むアジア人には不向きです。

先述したように遮光性には劣る4カーブのレンズですが、フレームのリム(レンズを囲む部分)からテンプル(つる)にかけて遮光性を求めたフレームのデザインを採用している製品であればおすすめできます。

ただし、フレームのデザインに多用性がなく、選択肢が少ないのが現実です。

偏光グラスのチューニング

偏光グラス
釣り師にとって偏光グラスは顔の一部。当然デザインにもこだわって選びたい。

普段、メガネをかけていない人は特にそうだと思いますが、意外と知られていないのが自分自身でフレームのチューニングを行えるということです。

使用している偏光グラスを自分の顔形に合わせることで、使用感が断然良くなるので、ぜひお試しください。

ノーズパッドが金具仕様となっているクリングスタイプの偏光グラスは、クリングスの金具をプライヤーもしくは手で変形させて自分の顔の形にフィットさせることが可能です。

ノーズパッドを自分の鼻の形に合わせて広げたり、フレームのリム側へ近づけたりすることで、レンズの位置を自分の目に合うように調整するだけで相当に使用感が良くなります。

また、テンプルの耳掛け部がチタンなどの金属製となっているモデルでは、自分の耳の位置に合わせて曲げ直してやることで、着用したまま下を向いたときや激しく動いたときにもズレ難くなります。

釣りに集中するためにも、偏光グラスのチューニングはぜひ行っておきたいものです。

猪熊さん愛用 がまかつ「ViSIGHT POLARIZED LENS」の特長

レンズ構造図(がまかつ偏光グラス)

紫外線を99%以上カット。偏光機能が乱反射により見えにくい対象物をクリアに。

歪みがないので瞬時に焦点を絞り対象物に集中できる。原色の波長を抑えて鮮明な色彩を放つ。太陽光線のレッド、ブルー、グリーンを鮮明に映し出す。

レンズ素材に純度の高い分子構造の強化ガラスを採用。

ヴィサイトレンズ搭載の最新偏光サングラス
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日本人の顔にフィットしやすいフレーム形状で、光の差込をカット。比較的歪みの少ない6カーブフレーム。視界が広い大型レンズは軽量で耐衝撃性に優れたポリカーボネートを採用。
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横からの日差しが入りにくい幅広テンプルを採用し、視界が広い大型レンズを採用。長時間の釣りでの使用に最適。肌当たりが優しいシリコン素材のノーズパッドは、可動式なので細かな調整が可能。テンプル(耳掛け)部は柔らかいシリコン素材を採用。
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