マキエとは


ハリを付けたオキアミ、練りエサなどのことをツケエといいます。一方、マキエとは文字通り海に撒くエサのことです。
仮にマキエを撒かなければ広い海の中でオキアミ1尾だけが漂うことになります。これでは魚に対するアピール力が弱いです。しかし、マキエで魚を一箇所に集め、ツケエを食わせることができれば比較的簡単に魚は釣れます。マキエにはツケエが漂っているところを魚に知らせ、その場に留まらせ、ツケエをカムフラージュさせる効果があります。この釣りをフカセ釣りといいます。


オキアミが使われるようになった現代では、オキアミと集魚材を混ぜ合わせたものをマキエといいます。ただ狙う魚によって集魚材の中身が違うので注意しましょう。


パッケージにチヌかグレが描かれているので釣具店購入時に間違うことはないとは思いますが、チヌの場合は海の底に溜まる比重のある重い集魚材、グレは表層に魚を浮かせてくれる比重が軽く拡散性のある集魚材をベースにします。
マキエに集魚力、遠投性などを加えるには違う性質の集魚材を追加します。さらに魚の食い込みを促進するために添加剤を入れることもあります。


マキエに必要な道具
マキエを作るにはバッカン、水汲みバケツ、マゼラーが必要です。
バッカン

ハードタイプとセミハードタイプのものがあります。ハードタイプが使いやすいですが、波止釣りであればセミハードタイプでも十分使えます。バッカンのサイズは40㎝、36㎝と2タイプが主流です。一日に使うマキエの分量に合わせて準備しておくとよいでしょう。
水汲みバケツ
海水を汲むのに必要なアイテムです。ロープは8mあれば高い波止でも水を汲むことができます。水を汲む際、手に掛かる負担が少ないソフトタイプのロープがおすすめです。水汲みバケツは手を洗ったり、釣り場を洗い流したりと何かと出番が多いです。
マゼラー

凍ったオキアミをスライスできるステンレス製のブレード付きのマゼラー、もしくはステンレスのスコップタイプのものが使いやすいです。スコップの柄は長い方が楽にマキエを混ぜられます。
マキエの作り方

一日釣りをするならオキアミは6㎏を準備します。半分ずつ使うと無駄なく、状況に応じた硬さ調整もやりやすいです。

オキアミ6㎏に対して集魚材は3袋が標準的です。マキエの量は一日でどのくらい使うかは慣れてくると体得できるようになります。

半解凍したオキアミをバッカンに入れ海水を注ぎます。海水の量はオキアミがほぐれて混ぜやすくなる程度でよいでしょう。

タイプの違う集魚材を使う場合は、粒子の細かいものを先に入れ、遠投タイプは後から入れると効果的です。

色の違う集魚材を使う場合は、白系を先に入れ、赤系は後から入れます。ツケエにまぶす集魚材は赤系が多いです。

混ぜながら海水を足して調整します。遠投する場合は粘りをもたせますが着水してバラける程度に留めておきましょう。

全体がふんわりとした感触に仕上がれば完成です。マゼラーを差しておき、減ってくれば硬さを調整していきます。

ゴミ袋を準備しておきましょう。集魚材の袋、ツケエのパッケージ、ラインくずなど、その他、出たゴミをまとめておき持ち帰って処分しましょう。
マキエの撒き方の基本(後打ちマキエ)

今回は後打ちマキエなので先に仕掛けを投入します。投入時には周りに人がいないことを確認したうえで行います。ウキの重さを利用して竿を振り切りましょう。

ヒシャクのグリップには窪みがあるので指で押さえてマキエを固め、窪みを押しながらマキエを投入します。

マキエヒシャクのカップをバッカンの側面に押し当てて隙間がないようにしっかりとマキエを固めます。

カップを上に向け腕を伸ばしながらマキエヒシャクを下から前方へと振って止めるとマキエが飛び出します。

頭上で振りかぶりマキエの詰まったカップを前方へ押し出すようにマキエヒシャクを振って腕を止めます。

マキエはウキの周りに投入するのが基本です。エサ盗りが多いときや潮の流れが速いときは潮上を狙うと良いでしょう。

ポイントが遠い場合は棒ウキを使うと離れていても仕掛けの位置が分かるのでマキエも投入しやすくなります。

狙ったポイントから仕掛けがズレたり、ツケエが取られた場合は仕掛けを回収。ツケエの準備をして再投入しましょう。
マキエを使いこなすポイント
エサ盗りが多い場合は足元とウキの潮上を狙ってマキエを投入すると小魚をかわすことができます。
またバッカンにプレートを取り付けカップにしっかりとマキエを詰めると、コントロール性の良いマキエとなります。ちなみに、マキエヒシャクは遠投する場合は長いシャフトの方が飛距離が出やすいです。
他にもマキエを使いこなす方法はたくさんあります。ぜひ研究して、フカセ釣りをマスターしてみてください。