
ルアーフィッシングにおいて、メインラインはPEラインを使用するというのが、もはや常識となりつつあります。フカセ釣りにおいては、PEラインが導入されるようになってまだ歴史が浅く、まだまだナイロンラインを使う人が多数派です。
しかし、PEラインを使う人も確実に増えてきており、状況に応じて使い分けるという人も少なくはありません。
PEラインがフカセ釣りに導入されるにあたって、フカセ釣りに適したもの、より扱いやすいものへと進化を遂げてきました。PEラインのメリットとデメリット、おすすめの商品をピックアップしました。
PEラインのメリット

強い
PEラインが他のラインと比べて最も優れている点は強度です。ただし、これは引っ張る力に対しての強さのことを指しています。
PEラインは引っ張り強度がナイロンラインやフロロカーボンラインに対して4倍程度強いと言われています。そのため、ナイロンやフロロカーボンと同程度の強度であれば、より細いものを使用できます。
ラインが細くなればその分、キャストでの飛距離も出せるようになり、また水切りが良くなり海中で潮の影響なども受けづらくなるというメリットが生まれます。
感度が高い
PEラインは他のラインと比べてほとんど伸びません。この伸びの少なさというのは感度に直結します。ターゲットが、エサに絡んでくるわずかな感触、繊細な前アタリなども手元に伝わりやすくなってきます。
劣化が少ない
また吸水性がなく、紫外線などの影響で劣化が極めて少ないというところも大きいです。ナイロンラインは1日使用すると、吸水などの影響で強度が約20%程度下がるというデータもあります。そのため、従来の性能を維持するためには、こまめなライン交換が必要となってきますが、PEラインは擦れなどの影響以外ではほとんど劣化しません。そのような利点から、価格は多少高くても、長期間安定して使えるという面を持ち合わせています。価格にしても、現在はかなり下がっており、長く使えることを考えると、価格面でのデメリットはあまりないといえるでしょう。

デメリット

擦れに弱い
デメリットの最たるものが、摩擦に極端に弱いということです。何かに当たって擦れてしまうと、細糸だといとも簡単に切れてしまいます。
ライントラブル

PEラインは極細の原糸を束ねたものを編み込んで作られています。そのため他のラインに比べてコシが弱く風の影響を非常に受けやすいです。横から風が吹いているときなどは、ガイド絡みが頻発しやすくなります。またほつれたときなど、元に戻すのは容易ではありません。戻せない場合も多々あり、そうなると先端からほつれまでの部分をカットするしかなくなってしまいます。
比重が小さい
PEラインがフカセ釣りに普及しなかった最大の要因は比重が小さいということです。ラインが水に浮いてしまうため、軽い仕掛けを海中に届けるフカセ釣りにおいては、致命的ともいえる欠点となっていました。
欠点を克服
このような欠点に対してさまざまな手段で対応することで、PEラインがフカセ釣りでも使いやすくなり、近年急速に浸透しつつあります。
まず擦れに弱いということに対しては海底と接触しやすい先の部分にリーダーを設けることによって対策しています。これはルアーフィッシングでもおなじみの手段で、ルアーの世界では今やラインはリーダーを結ぶというのが当たり前になっています。
フカセ釣りでもナイロンラインの先にフロロカーボンのハリスを結ぶというのが基本となっているので、ラインの結束という点に対してはあまり違和感はないかもしれません。しかし、リーダーの先にハリスを結束する場合は、一手間増えることにはなります。
コシがない、比重が小さいという点については、表面を他の素材でコーテイングする、または違う素材の糸と一緒に編み込むというということで解決し、現在ではサスペンドやシンキングなど好みのタイプを選ぶことも可能となっています。

現在、フカセ用PEラインとしてラインアップされているものは、弱点を重点的に改善して、PEラインのメリットを活かしながらナイロンラインに近い使い心地を実現しています。
従来のナイロンラインと比べ、圧倒的な細さで水切りが良く、強度も高い。それでいて、使用感はナイロンラインと比べても違和感が少ないという仕様となっているものがほとんです。各メーカーからラインアップされているフカセ専用PEラインを集めましたのでチェックしてみましょう。