サヨリ釣りの秘訣と楽しみ方 釣るコツを紹介

サヨリは古くから食用として人気の白身魚で、平安朝には神饌(しんせん)魚として多用され、公家の食卓にも上がっていた。

室町・江戸時代にも気品高い魚として扱われたが、江戸時代には見た目が似ているサンマと混同されてしまい、サヨリが「真サヨリ」と呼ばれたこともある。

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サヨリの生態

サヨリの飛ばしウキ釣り

サヨリは、ダツ目サヨリ科に属する沿岸性の魚で、北海道南部から南に広く分布する。

サヨリの仲間は全世界に12属・80種以上が存在するが、そのうち日本に生息するのは一般的に知られるサヨリのほか、クルメサヨリ(絶滅危惧ⅠA類)、南方系のセンニンサヨリ、ナンヨウサヨリなど6属・13種となっている。

サヨリ科には淡水域で活動する種もあるが、本種のサヨリが入ってくるのは汽水域まで。よく見られるのは浅場で、表層の漂流物や流れ藻を好み、海面に群れをなして泳ぐ姿がしばしば見られる。

サヨリの産卵期は北日本より南日本の方が早いものの、概ね4月ごろから始まり7月ごろまで。藻に産み付けられた卵は2週間ほどで孵化する。

サヨリ

孵化したばかりのサヨリはイワシのような体形で、孵化からおよそ10日後、自分で捕食できるようになると下あごが徐々に伸びてくる。

この尖った下あごは、自分が泳いでいる位置よりも上層にいるエサを食べるのに適した形状で、サヨリは海の表層を漂う海藻の断、動物プランクトンや小型の甲殻類などを捕食する。

口は小さいので大きなハリではフッキングの成功率は上がらない。

寿命は2年余りとされ、生まれた年の秋には15〜20㎝ぐらいまで成長する。全長27㎝程度に育つとほぼ成魚と同じプロポーションになり、最大で40㎝に達する。

釣り人は秋に釣れる小型をエンピツサイズ、ひと冬を越した大型をカンヌキ(門や戸を閉めるときに使う横木)サイズと呼ぶ。

サヨリの釣れる時期は地域によって多少異なるが、産卵期となる春〜夏と、岸近くで活発にエサを食う秋〜冬が有望。

ただし、同じエリアでもその年の状況によって釣れるタイミングが変わるケースも珍しくないので、釣具店が発信している最新の情報を参考にしたい。

こんなところを狙う

サヨリ

サヨリが主に食べている動物性プランクトンが豊富な、潮通しの良いポイントに群れで回ってくる。

毎年同じ時期に同じ場所が狙いどころとなる可能性が高いので、釣具店のホームページなどで過去の実績をチェックしておくと良いだろう。

目指す釣り場に到着したら、まずは海面を広く観察する。海面付近を泳ぐサヨリの群れが回ってきていれば目で見て確認できるので、そこをダイレクトに狙うと良い。

群れが見えなければ、しばらくマキエを入れて様子を見よう。

サヨリは警戒心が強いので曇った日や濁っているときには好釣果を期待できるが、静かな海を好む傾向も見られ、海が荒れている日は移動している可能性もある。

必要な道具と仕掛け

ノベ竿サヨリ仕掛け

小さなアタリをキャッチする必要があるため、小粒のシモリウキを使った仕掛けが基本形。飛ばしカゴがセットになった仕掛けや、カゴ無しの仕掛けが各メーカーから多数市販されている。

ハリは赤色の袖バリが一般的で、釣れるサヨリのサイズに応じて3〜5号を使い分ける。

7〜8m以内の範囲で釣れている状況ならカゴ無しの仕掛けを5mほどのノベ竿と組み合わせても良いが、この場合はマキエを撒くためのマキエヒシャクが必要となる。

概ね8m以上離れたポイントを釣るのなら飛ばしカゴをセットした仕掛けが有利で、1号以下の細身の磯竿と小型のスピニングリールと組み合わせて使用すると良い。

サヨリ仕掛け

基本的に見えている群れを狙う釣りなので遠投する必要はなく、コンパクトロッドやルアーロッドでも対応可能だが、仕掛けと竿は長さのバランスを考えて組み合わせたい。

小型のアタリウキを使ってフカセ釣りスタイルで狙っても面白い。

タックルやウキ(飛ばしウキとして使用するウキ)は、クロ釣りやチヌ釣り用が流用できるが、ハリはサヨリ専用、ハリスは0.8号前後を用意すること。

あると便利なアイテムは、メゴチバサミとハリ外し。サヨリは匂いがきつく、ウロコがはげやすいので、素手で掴まない方が無難。

硬い口からハリを外すためには、ハリ外しかプライヤーを準備しておくとよい。

エサの種類と付け方

ツケエ

サヨリ釣りで定番のツケエはサシアミまたは小粒のオキアミで、釣具店で「サヨリ用」として販売されているパック入り商品を選べば間違いない。

ハリはサシアミの尾の方から刺すが、あまりにも小粒のエサはハリに付けるのに難儀する。ただし粒が大きいオキアミでは食い込みが悪い。

サシアミをハリに装着するコツは、ハリを持った方の手は動かさず、サシアミの方を動かすこと。

ただしサヨリがスレてなくて、チョン掛けでも問題なく食ってくるようなら、手返し良く釣った方が釣果は伸びるだろう。

サシアミ以外のツケエとしてはコケブなどのムシエサや、ストローで抜き出したハンペンでも釣れる。これらは1〜1.5㎝程度にカットして通し刺しにすると良い。

また、マルキユーのパワーイソメ(細)を飛ばしカゴの仕掛けにセットして引いてくるパターンでも釣れることから、今後はルアーフィッシングのターゲットとしても注目度が高まってきそうだ。

マキエ
マキエは少量ずつ絶やさずに撒くことがコツ。サヨリが食いやすいウキ下を設定して狙おう。


マキエは比重が軽く、海面直下を漂うものが望ましい。飛ばしカゴに入れるマキエはアミ単体、もしくはアミにサヨリ釣り専用の集魚材やパン粉を混ぜたマキエが定番。

ヒシャクで撒く場合も粉を混ぜた方が撒きやすい。ただしパン粉を練り込み過ぎると拡散せずに沈むので、ふんわりと混ぜること。

できるだけ足元近くにポイントを作りたいが、マキエで満腹にさせてしまうのはNG。アミに海水を加えたものを少量ずつ撒くだけでもサヨリを寄せることができる。

集魚効果が高いマキエを撒くと活性の高い小グロなどが寄ってきて、臆病なサヨリは居なくなってしまうので要注意。同様にポイントにボラを寄せてしまわないよう、マキエの遠投は控えよう。

釣り方のコツ

飛ばしウキでサヨリを釣る

大きな群れが回ってくれば日中でもコンスタントに釣れるが、潮の動きで居場所や活性が変動する。

回遊魚だけに昨日までは釣れていた場所が今日は全くダメということもあり得るので、釣り場の見切りは重要だ。

サヨリは表層を泳ぐので、マキエを海面近くに漂わせ、ウキ下は数10㎝以内に設定するのが基本。仕掛けは投入後に軽く引っ張り、シモリウキを真っすぐにしてアタリを待てばよい。

表層狙いで釣れるならハリスにガン玉は打たないが、釣り人が多い場所ではサヨリのタナが若干深くなることがある。この場合は適宜ガン玉を装着し、徐々にウキ下を深くする。

場所や時間帯によっては水深1〜2mで良型が食ってくるというパターンもあるので、ガン玉は各サイズを用意しておこう。

サヨリの飛ばしウキ釣り

サヨリ狙いでは仕掛けとマキエが表層の流れに乗るので、風の見極めも重要。

滑る上潮に乗せて広範囲を探れる追い風だと、仕掛けに張りができて釣りやすいが、逆に向かい風だと仕掛けがきちんと馴染まずアタリも出づらい。このようなケースでは仕掛けを軽く引いて張りを作る。

3〜5号の袖バリが基本と前述したが、遠投が必要な場合は、ツケエが外れにくい伊勢尼バリを使うと手返しが良くなるので、予備として持っておくことをおすすめする。

アタリから取り込みまで

サヨリ

ツケエが海面下に見えるほどの接近戦では、サヨリがエサをくわえた瞬間に掛けるサイトフィッシングを楽しめるが、通常はシモリウキでアタリを取る。

サヨリの活性が高ければ、シモリウキが一気に引き込まれたり、横に走ったりする明確なアタリが出る。

サヨリの口は硬くてハリが刺さりづらいため、微妙なアタリでも積極的にアワセを入れていくべきだが、激しくアワせることでサヨリの群れを散らしてしまうのは得策ではない。

サヨリ釣りのアワセは竿を立てる程度としたい。

ハリ掛かりしたら一気に寄せてきて、最後は竿を立てて抜き上げればOK。

小型のサヨリほど盛んにジャンプする傾向があり、寄せてくる途中で細長い体をくねらせて何度も跳ねるので、テンションを抜いてしまうとバレたり仕掛けを絡ませる恐れがある。

釣り上げたサヨリは足元で跳ね回り、水汲みバケツの中でも暴れるで、ベテラン釣り師はその場で首を折ったり、調理用のハサミやナイフで頭部をカットして、鮮度を保ったままクーラーに収めている。

エラに潜んでいるサヨリヤドリムシを見たくなければ、エラごと頭部を取り除くと良いだろう。刃物で切る場合は頭の周りの身を残すように斜めにカットすると良い。

食味と料理

サヨリ

銀白色に輝くサヨリは淡泊な白身で、細くしなやかな姿と香り高く上品な味わいが魅力。特に春には旨みや脂が適度に乗って美味となる。

サヨリは鮮度落ちが速いので、手早くおろすことが美味しく頂くコツとなる。結びサヨリが椀だねとして知られるほか、一夜干し、酢の物、コブ締め、天ぷらなど食べ方はいろいろ。

大型は刺身、糸造り、にぎり寿しのネタにも使われる。

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