▼ 前編ではサビキ釣りに必要な物、仕掛け作りなどをレクチャーしています! ▼
仕掛けの投入方法

サビキ仕掛けの投入方法は2パターンあります。一つは足元に落とすだけなので、何も難しいことはありません。ただ竿を前に出し、リールから道糸を出してやるだけです。
もう一つはウキサビキ仕掛けの場合。沖のポイントを狙うためには、遠くへ仕掛けを飛ばす必要があります。
投げ方の基本はオーバーヘッドキャストです。頭上に大きく振りかぶって、利き手で竿を押し出し、竿尻を持った反対の手を胸元に強く引いて竿の弾力を生かした飛ばし方をします。これが遠くに飛ばすコツです。
形ができていれば、投入時にサビキバリとウキが絡まることもありません。
ただし、海釣り公園を利用する場合はキャスト禁止の場合もあるので注意しましょう。
ウキサビキ釣り仕掛け投入法(キャスティング)

①仕掛けを投げるため大きく振りかぶる際には、後方に人がいないかしっかり確認しましょう。自分の不注意から人にケガをさせてしまうと大変です。

②竿先からウキを20㎝ほど離れるように調節します。ウキが穂先にぶつかると折れることもあるので注意です。

③道糸をリールから引き出して人差し指に掛け、リールのベイルを起こしてオープン状態にします。

④そのまま後方に振りかぶります。障害物や人がいないか注意しましょう。無理してあせって投入しないことです。

⑤右手で押し出し、竿尻を持った左手は体に引きつけます。頭上を竿が通過するときに道糸を掛けていた人差し指を離します。

⑥仕掛けが着水するまで、竿の角度は45度を維持することが理想的です。道糸が出なくなるまでじっとしておきます。
サビキ釣りに必要なエサ

サビキ釣りのエサは主にアミ(アミエビ)を使用します。アミは姿形がエビに似たプランクトンの一種。アミを詰めたコマセカゴ(マキエカゴ)を水中に入れると同時に拡散しその匂いで魚を仕掛けに寄せてきます。
サビキ仕掛けにはエサに似せた疑餌バリがついているため、基本的にはハリにエサは付けません。しかし、魚は見えているのに釣れないとき、またサイズアップを狙いたい場合などはハリにエサを刺して使用するのも効果的です。
サビキバリは小さいから、ツケエにはサシアミが使いやすいです。
エサは解凍して使う

マキエ(コマセ)に使うアミは冷凍販売されているものがあります。この状態では使用できないから解凍が必要です。春〜夏はバケツに海水を入れてその中に浸けておきます。外気温が高いのでそれほど解凍に時間もかからないでしょう。
気温も水温も下がる冬は自然解凍に時間が掛かるので、釣行前日に購入して屋外に出しておきましょう。一晩外気にさらせば大抵は解凍できます。
マキエ(コマセ)を入れる
アミは匂いが強く良い香りとはとてもいえません。また水分が出るため衣類や手も汚れるからタオルは必需品です。除菌タイプのウエットティッシュがあるとなおよし。
本来なら手で入れるほうが手早くできておすすめですが、苦手な人は便利グッズを使うと快適な釣りが楽しめます。
チューブ式のタイプを利用する

近年人気なのがチューブタイプのマキエです。直接カゴにエサを入れられるのも魅力ですが、手の汚れを最低限に抑えてくれるのがありがたいところです。
常温で保存できるタイプもあり、手軽さが人気です。
スプーンや割り箸を利用する

コマセカゴにエサを詰める際、バケツでそのまま解凍して使用するのであれば、スプーンや割り箸を使うと手が汚れない。より詰めやすい専用品も売られています。
専用のバケツを利用する

「吸い込みバケツ」を準備しておくとサビキ釣りで大変重宝します。解凍した状態のアミと海水を入れて使用します。完全に解凍できていなくても海水が入っているから徐々に解凍しながら釣りができます。
サビキ釣り専用の設計になっており、コマセカゴをバケツの中央に入れて2~3回上下させるとバケツの中が撹拌され、舞いあがったアミが自動的にコマセカゴの中に入る仕組みです。
手返しもよくアミが飛び散りません。
ザルを利用する
料理などに使用するザルも便利です。軽量で持ち運び優先ならプラスチック製、長持ち優先ならステンレス製を選びます。
解凍したマキエをバケツに入れておくと、水分が出てカゴに入れにくいですが、ザルに入れておけば水分が切れてカゴに入れるときにも手の汚れを抑えることができます。
釣果を上げるにはポイント選びから

サビキ釣りとは魚の群れを狙って、たくさん数を釣るための釣りです。とはいえ、数を上げるためにはコツがあります。爆釣することを目指して参考にしてください。
最初はポイント選びから。たくさん釣っている釣り人は、必ずといっていいほど、良いポジションを取っています。では、たくさん魚が釣れる場所をどうやって探せばいいのでしょう?

初めて釣行するビギナーは、まず多くの釣り人が竿を出している場所を探してみましょう。魚がよく釣れるからそこに釣り人がいるわけで、自分もその場所で竿が出せれば釣れる可能性は高くなります。
ただし、隣で竿を出させてもらうときは、トラブル防止のため必ずひと声かけて入れてもらうこと。ウキサビキ釣りの場合、キャストもするのである程度距離を取りましょう。
マキエが落ちている形跡がある場所も釣れたポイントである可能性が高いです。もしそういう場所が見つからない場合は、港の地形や潮の流れから判断します。
漁港などでは外海に比べて港内は比較的潮の流れがおだやかになっています。こういった場所に魚が集まりやすいです。
アジやサバは潮が速い場所でも元気に泳げるため、適度に潮が流れている場所を好むようです。
堤防や漁港ではテトラ帯が一級ポイントとされますが、サビキ釣りの場合は根掛かりが頻発することと、足元が不安定なためあまりおすすめできません。
それよりも港内の奥まった場所やケーソンに変化がある場所などはエサが溜まりやすく好ポイントとなる場合が多いです。

また夜にサビキ仕掛けで狙う場合は、常夜灯付近が狙い目です。明かりの下に集まったプランクトンなどを食べに魚が集まるため、格好のポイントとなります。
ウキの動き方などを見て潮の流れている方向が分かったなら、潮下側に陣取るのが有利です。他の人がサビキで撒いたエサが自分の方向に流れてきて、魚の群れ自体も移動してくるため釣れる可能性が高くなります。
基本となる釣り方
ポイントを決めたら、次は釣り方です。釣り方をしっかりマスターしていれば、周りと同じように自分にも魚がたくさん釣れます。仕掛けの入れ方から魚の誘い方などを知っておきましょう。
実釣前の注意点

マキエの解凍が終わり、仕掛けのセッティングも終えたらついに竿を出す瞬間が訪れます。
サビキ釣りは手返しが重要で、常にマキエが効いている状態にしておく必要があります。マキエを切らさなければ魚をその場に留めることができるので、同じ場所に仕掛けを入れ続けても釣果を上げ続けられます。
継続して仕掛けを入れるために、仕掛け投入前のトラブルは避けましょう。だから気をつけてほしいことを一つだけ。
マキエをコマセカゴに詰めるときは、必ず仕掛けがまっすぐに張った状態を維持しましょう。サビキ仕掛けが大きくたわんでいると仕掛けが絡まったり、サビキバリ同士が引っ掛かってしまいます。
ハリが引っ掛かる程度ならすぐに解消することもできますが、絡まってしまうと仕掛け交換もあり得ます。
いざ仕掛けの投入

マキエをコマセカゴに詰め、仕掛けを投入します。胴突き仕掛けの場合、道糸の動きに注目すること。
沈むときはオモリの重さでピンと張っていた道糸が、着底と同時にふわりとゆるむ。それが海の底に着いたという合図です。
海底に着いたらすぐにリールで道糸を巻き取りましょう。この動作を素早くやらないと根掛かりの原因になってしまうので注意。
そして魚のいるタナまで道糸をリールで巻き取り仕掛けを上げてくれば良いです。

ウキサビキ仕掛けの場合は、基本的にオーバーヘッドキャストで仕掛けを投入します。ただ遠くに投げればいいというものではなく、魚のいるポイントの近くに投げられるように練習が必要です。
最初のうちは具体的にどこにいるかはわからないと思いますので、何も考えず投げてしまって構いませんが、後々、潮目やカケアガリなど、知識が増えていくごとに狙い目がはっきりと分かるようになってきます。
仕掛けを飛ばしているときに、マキエがコマセカゴからこぼれてしまわないように少しだけ押さえておきましょう。
竿をあおって誘う

仕掛けを魚のいるタナで停止させます。そこで何もアタリがないときは竿を大きくあおってみましょう。仕掛けを上下させることでカゴの中に入ったマキエが放出され、魚を仕掛けに寄せることができます。
1度に1〜2回あおり、そのたびにしばらく動きを止めます。コマセカゴの中からマキエが放出され、縦にマキエの煙幕ができます。その中をサビキバリが漂っているイメージです。
このとき、竿先を小刻みに揺らして、擬餌バリを細かく動かし、エサに見せかけるのも有効です。
仕掛けがマキエの煙幕から出ないことが前提ですから、マキエが潮で流されるときは竿もその方向に移動させます。

アタリがない場合にはそれを繰り返しますが、何度か繰り返すとマキエカゴの中が空になってしまうので、仕掛けを回収してエサを詰めなおします。この一連の作業をテンポ良く繰り返しましょう。
ビギナーはコマセカゴにたっぷりとマキエを詰めてしまいがちですが、それだとカゴの目が詰まりエサが出ていきにくいです。詰める量はコマセカゴの八分目ほどに留めた方がマキエはうまく放出されます。
また詰めたあとに押さえつけるのもよくありません。マキエがかたまって放出されて仕掛けと同調しなかったり放出される量が少なくなったりするので気をつけましょう。
アタリが出た後は

魚がハリに掛かると、手元にブルブルと感触が伝わってきます。対象魚がアジの場合、口が弱い魚なので慌てて引き上げると口切れを起こして逃げられてしまいます。
がっかりしないためにも、やり取りはゆっくり行いましょう。
まずは竿を軽く前方45度くらいに立てしっかりとハリを掛けます。そこから道糸をゆるめないよう、リールのハンドルを回して仕掛けを手前に寄せます。
魚の食いが良く、頻繁にアタリがあるときには追い食いを狙ってみるのもよいでしょう。最初に掛かった魚が暴れることで仕掛け全体が揺れ、それ自体が誘いになることがあります。うまくハマれば次々にハリ掛かりし、効率よく数が釣れます。
サビキ釣りは手返しが重要。釣った魚はとりあえずバケツなどに入れておきましょう。
よりおいしく食べたい場合は、サビキ釣りなら氷絞めがおすすめ。海水に氷を入れたバケツに入れておくだけでよいのでお手軽です。

なかなか釣れないときは
以上のことを試してみても、なかなか釣れないときがあります。そんなときの対応策を挙げましょう。
まず疑うのは、水中の仕掛けが絡まっていないかということ。仕掛け投入時に絡まってしまい、ハリが機能しない状態になっている場合があります。
そういったことがないように、小まめにチェックしましょう。また仕掛けの上下を間違っていることも考えられるので注意。

タナが合っているかどうかも重要です。多くの釣りでもいえるように、タナが合っていないと仕掛けが魚に届かないため全く釣れない状態が続きます。
もし周りが釣れているのに自分だけが釣れないような状況であれば、タナを小まめに変更してみましょう。
サビキバリのカラーが状況にマッチしているかという問題もあります。カラーが判別しにくいときは別々のカラーのサビキバリを組み合わせてヒットカラーを見つけ出すという手もあります。
周りも釣れていないなら回遊してきていない可能性もあるため、最終的には場所の移動を考えてみるのも手段の一つです。

