サビキ釣りは海釣りの中ではポピュラーな仕掛けで、特にファミリーに人気の釣り方です。さほどテクニックを必要とせずに魚を数狙うことができるため、これから釣りを始める初心者にもおすすめです。
サビキ釣りは仕掛けの中のカゴに詰めたマキエを散布しながら魚を集め、これをサビキバリと呼ばれる擬餌バリを食わせて掛ける釣り方です。
ハリにエサを付けなくてもいいからビギナーでもテンポ良く釣りが行えます。対象となる魚種は、プランクトンや小魚を主食とし、群れで生活しているアジやコノシロです。
サビキ釣りは堤防釣りの代名詞ともいえます。
サビキ釣りのメリット

何といっても短時間でたくさんの魚が釣れるところです。
仕掛けには複数のハリが付いているから、魚の群れが近寄ると一度に2尾3尾と釣ることができ、入れ食いもよくあります。誰もが単純に楽しめ、魚を釣り上げることの喜びを感じることができる釣りだといえるでしょう。
擬餌バリを使うのもメリットのひとつで、エサを付ける手間が省けるから釣りやすく、ハリによる危険度も少なくなります。道具類もエサも比較的少ないから経済的なのも人気です。
また料理のバラエティある魚が釣れるというのもファミリーで狙う理由でしょう。
サビキ釣りで狙える主な魚
アジ

サビキ釣りに限らず釣りものとしてポピュラーな魚種。サイズが小さいものほど群れが大きくたくさん釣れる。
コノシロ

小型はコハダとして鮨ネタに使われる。小骨が多く食べづらいためつみれにすると子供でも食べやすい。
イワシ

いつも狙えるというわけではなく、群れが接岸したときにのみ釣れる。長居はしないので情報収集が重要。
サバ

泳ぎが速く引きが強いためハリに掛かったら四方に走り回る。他の釣り人の仕掛けに絡まないように注意。
サッパ

コノシロに良く似ているが別種類。ママカリとも呼ばれ小型は酢漬けに、大きいものはみりん干しが美味。
サビキ釣りにはこれ!

他の仕掛けに比べてサビキ釣りの道具はさほど多くありません。それに低予算で道具を揃えることができるのもビギナー受けしています。
釣具店では1,500円ほどでサビキ釣りセットが販売されています。リールと竿、サビキ釣り仕掛けと、残りはエサだけ買えばすぐに釣りができる内容です。
タックルを持っていないビギナーはそれを購入するのも良いでしょう。何を揃えればいいのか悩んだら釣具店で聞いて実物を確認することです。
地域により若干仕掛けが違うから下見を兼ねて釣り場に行ってみるのもよいでしょう。釣り人がいたら釣れる魚と場所、仕掛けを聞いてみましょう。
サビキ釣りに必要な物リスト
竿 | 万能竿 3.6〜5.3m | 釣具店に行けば「万能竿」として販売されているものがあります。サビキ釣りにも適した太さです。 |
リール | スピニングリール 3000〜4000番 | 中型のスピニングリールで、3〜4号の道糸(ナイロンライン)を100〜150m巻けるものが望ましいです。 |
道糸 | ナイロンライン 3〜5号 | サビキ釣りは想像以上に重く力の必要な釣りなので、道糸の強度も重要です。 |
ウキ | サビキ用ウキ 4〜8号 | 任意の深さを維持するため、また仕掛けをより遠くに飛ばす役割を担います。 |
ウキ止め | 糸タイプか ゴムタイプ | 釣りたい深さを釣るために、タナ(深さ)を設定する道具です。 |
シモリ玉 | シモリ玉か シモリペット | ウキ止めがウキ穴を通らないようにするための道具 |
ウキストッパー | Mサイズ | サビキ仕掛けとウキが接触しないように止める役割を持ちます。 |
コマセカゴ | プラスチック製のカゴか コマセ袋 | 上カゴ胴突き仕掛けの場合はナイロン製のものを、下カゴ胴付き仕掛けの場合は錘付きを使用します。 |
ハリ | サビキバリ 5〜8号 | 狙う魚の種類や大きさによって号数やカラーを変えましょう。 |
オモリ | ナス型オモリ 4〜8号 | 上カゴ仕掛けの場合に必要です。深さに合わせたオモリを用意します。 |
サビキバリはカラーで選ぶ

サビキバリは幹糸と呼ばれる糸に、複数の枝スと呼ばれる糸が枝分かれして構成されたものです。ハリの先はエサに見立てた疑餌バリとなっています。
サビキバリは種類が多く、加えてハリの大小もあります。だからどれを選べばよいか迷ってしまうのも事実です。
ハリの号数は釣れる魚のサイズに合わせるのが基本です。問題は擬似餌となる素材のカラーで、その選択によって釣れる数に影響が出るので重要です。
カラーを状況によって使い分けることが重要で、できるだけ多くのパターンに対応するため、数種類そろえておくことをおすすめします。
サビキバリカラーの使い分け
ハゲ皮
疑似餌バリにカワハギの皮を使用したもの。魚が群れているように見せることで、集魚力をアップしてくれます。
ピンク
マキエのアミと同色に近く、魚に違和感なくハリを食わせます。
グリーン
潮が濁っているときや魚が底に溜まっているときに有効です。
蛍光色
夜釣りのサビキ釣りなど、周囲が暗いときなどに使用します。アピール力は抜群です。
ラメ・オーロラ系
透明、あるいはホワイト系を基調にして、ラメを入れることによって小魚を演出します。食い渋りの切り札となることも。
ブレンド
さまざまなカラーが組み合わされており、異なる色で魚にアピールしてくれます。なかなか釣れないときなど有効。
オモリの選び方

まず、魚の泳いでいる層まで仕掛けを落とさなければ釣りになりません。
例えば釣り場の水深が浅い場合は、狙う範囲も当然浅い。このときに重いオモリを使用すると、仕掛けの落ちるスピードが速すぎてせっかくの魚が驚いて逃げてしまいます。
だから、ある程度仕掛けがゆっくり落ちるように適度な重さのオモリを使用するのがコツです。
逆に釣り場の水深が深い場合は魚がどのくらいの深さを泳いでいるかということも考慮する必要がありますが、それなりに重いオモリを使用して一気に仕掛けを落とすのも手です。
しかし、あまり重いものを選ぶと全体が重く釣りづらくなるから注意しましょう。
カゴの選び方

コマセカゴにはいくつかの種類があり、ナイロン製で作られた軟らかく軽いものや、プラスチック製あるいはステンレス製の硬いものがあります。
ナイロン製で作られたコマセ袋やコマセカゴは軽いため、サビキバリより上に付けて使用します。
そのままでは軽くて仕掛けを沈めることはできないから、ナス型オモリと併用するのが基本です。サビキバリの上にセットするためマキエはハリの上から落ちてきます。
オモリ付きのプラカゴやステンレスカゴは、仕掛けの末端、サビキバリより下に取り付けます。
仕掛けが沈む際にカゴから放出されたマキエがハリに同調する仕組みです。浅いタナを狙うときに適した仕掛けです。
釣り場の環境によって適したカゴがあるから、釣り場にいる他の釣り人を参考にするか釣具店で聞くと良いでしょう。地域によって使用するカゴの形状や種類は異なります。

コマセカゴの中には、よりエサの詰めやすさを追求した洗濯バサミのような商品もあります。両脇のつまみを押して開き、そのままマキエを挟むようにしてカゴに詰めることが可能です。
オモリ付きの仕掛けと同じ位置に付けて使います。このタイプはマキエを詰める際に手が汚れないのがメリットです。
下カゴ仕掛けの場合、根掛かりなどでコマセカゴを紛失したり、カゴ自体が破損することも考えて、2〜3個予備を準備しておくと安心です。
ウキとの重さの兼ね合いに気をつけて選びましょう。色はさほど釣果に関係しないから、見やすいものがよいでしょう。
基本の仕掛け

サビキ釣り仕掛けは大きく分けて、胴突き仕掛けとウキサビキ仕掛けの2種類があります。
胴突き仕掛けはウキを付けずに、足元など比較的近い場所を狙うときに有効であり、仕掛けを落とすだけなので手返しがよいです。
ウキサビキ仕掛けは胴突き仕掛けよりも広い範囲を狙う際に有効です。当然足元だけに魚がいるわけではなく、少し沖目に群れている場合もあります。そんなときはウキサビキ仕掛けで少し遠くに投げて釣ります。
魚が食ったらウキが沈んで知らせてくれますが、すでに掛かっているためアワセは必要ありません。ウキサビキ釣りはタナの調整が重要です。場所や位置も大切ですが、タナの調整も忘れないように行いましょう。


下カゴウキサビキ仕掛けのセッティング

①リールのスプールを上げ、道糸を引き出します。

②竿のガイドに道糸を通します。竿を縮めたまま仕掛けをセットしたほうが、組みやすく絡みにくいです。

③ウキ止めをセットします。糸タイプとゴムタイプがあり、どちらでも使えます。ゴムタイプは一番最初にセットします。

④道糸にシモリ玉を通します。シモリペットを利用する場合は穴の小さい方から通します。同じならどちらでも良いです。

⑤サビキウキを通します。シモリペットを使わない場合、スナップ付きスイベルを利用すると糸通りがスムーズになります。

⑥道糸をサビキ仕掛けに結びます。直結せずに輪にしておくとサビキの取り替えが素早くできるのでおすすめ。

⑦最後にマキエカゴを取り付けて完成。オモリの重さはウキの号数に合わせます。これで完成です。
胴突きカゴ仕掛けのセット法はもっと簡単。①、②、⑥、⑦の順番で組めばできあがりです。

市販のウキ止めには結び方が分からなくても、簡単に使用できるものがあります。上の写真は道糸に筒を通し、引き抜いて両サイドを引っ張るだけのウキ止め糸です。
下の写真はゴムタイプで、輪に道糸を通して引くだけです。
