風が強くてマキエのコントロールができない! 事前の対策がグレの釣果を決める

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風対策の基本は硬いマキエにある

風が強いと、仕掛けだけではなくマキエにも悪影響を与えます。向かい風だと飛ばないし、横風では正確なコントロールが望めません。唯一、背風の場合のみ超遠投が可能になって、いつもは届かないエリアを釣ることができます。とはいえ、そのような恩恵に預かれる機会はめったにありません。

風の影響のほとんどは悪い方向に働き、それをカバーできなければ満足のいく釣果は望めません。

風が強いときのマキエはこうしなければならないという基本がいくつかあります。最初はそこから解説していきましょう。

水分を控えて硬めのマキエに仕上げる

ご存知の方も多いかもしれませんが、特にアミエビを使うときはつい油断してしまいがちなことです。冷凍状態にあるオキアミとアミエビでは含んでいる水分が大きく違います。オキアミは少なく、アミエビは多い。厳寒期など魚全体の活性が低いときはアミエビを撒くとしばしば効果があり、これをマキエに加える人は少なくありません。

だが、アミエビが完全に解けてしまうと予想外に水分が出て、マキエはビチャビチャになります。解凍し、水気を切るという手間が欠かせません。集魚材を多めに加えるというのも一つの方法になります。

全体を丁寧に混ぜる

釣具店のマキエクラッシャーを使えば均一に混ぜることができます。しかし、釣り場で状況に応じたマキエにしたくて自分で混ぜるとムラができやすい。特に、オキアミやアミエビが完全に解けていないと固まりが残る可能性が高いので注意しましょう。

集魚材が均一に混ざっていないとその能力を発揮することはできません。マキエを投入したとき粉が吹き飛び、周囲の釣り人に迷惑をかけたとすれば均一に混ざっていなかったと判断できます。

予備の集魚材は常に準備しておく

釣り場ではなにが起こるか分かりません。しばしば想定外の出来事が生じるのが自然というものです。にわか雨、飛沫、波、バッカンの転落などマキエが水分過多になる原因はいくつもあります。軟らか過ぎるマキエは強風下では役に立ちません。常にスペアを準備する習慣を身に付けておきましょう。

ピンポイントのマキエにこだわらない

横風が強いとマキエが思うところに飛んでいかないことがよくおきます。風は自然の摂理であり、人間の力ではコントロールできません。その状況を素直に受け入れるというのも選択肢の一つに含めておきましょう。

どういうことかというと、マキエをピンポイントで投入するのではなく、面として効かせるという意味です。

エサ盗りを釘付けにするためのものは別として、マキエは少なければ少ないほどいい。それが原則です。グレ用のマキエを入れ過ぎるとタナが深くなり、たらふく食べた結果、活性が落ちてしまいます。

また、エサ盗り対策として遠近分離する場合も、本命用のマキエはピンポイントで1杯だけ沖に入れる。

だが、コントロールするのが難しい状況ではそれにこだわらず、「その辺り」に落とせればいいと考えます。そして、何杯か投入してその範囲にマキエを効かせます。マキエはたくさん必要だし、回数撒かなくてはならず、それだけにくたびれる。しかし、風のためにコントロールがままならないとイライラするよりは、10〜20m四方内に落ちればいいと軽く考えた方がいいでしょう。

ピンポイントで同調させる努力は必要ですが、それが不可能な場合は潔く諦めれば良いでしょう。

遠投用の集魚材でマキエをコントロールする

集魚材が果たす役目は多く、現在はこれなくしてウキフカセ釣りは考えられないといっていいでしょう。その数ある機能の中で注目したい一つが「つなぎ」としての役目です。オキアミに粘りはなく、投入時に力を加えることができません。無理に力を加えるとバラけて逆に飛ばなくなります。

それを補うのが「つなぎ」であり、集魚材を加えると飛ばしやすくなります。特に、遠投用の集魚材は飛ばすことに特化しており、通常の集魚材とは飛距離が格段に異なります。

遠投用の集魚材に見られるもう一つの特徴は、着水したマキエが拡散することにあります。

小麦粉のように強い粘りを持つつなぎを加えると、マキエは拡散しづらくなります。塊のままだと早く沈下し、グレのタナが深くなる可能性も高いのです。

沖はグレが浮きやすい。せっかく浮いたグレをマキエのせいで沈めるのは意図に反するというものです。

オーバースローかアンダースローか

マキエの投入フォームにはアンダースローとオーバースローがあります。マキエヒシャクを上から振るか、それとも下から振るかでそれは決められます。

一般に、アンダーは近距離、オーバーは遠投と区分されていますが、それに異を唱える釣り人は少なくありません。かつてのマキエの内容、さらには進化する前のマキエヒシャクを使っていた時代の話であり、現代は状況が大幅に変わってきています。

といっても、遠投をどの程度の距離ととらえているかによって印象は変わります。ここでは仮に、30〜50mを遠投、50m以上を超遠投としておきましょう。

通常の遠投ならアンダースローでも十分可能ということなら、風が強い場合はどちらが有利かという話になります。

アンダーは弾道が低く、オーバーでは高いからアンダーの方が有利と考える人は多いのです。

しかし、風の影響を受けるのは空中に滞在する時間であり、高い・低いは関係ありません。

つまり、マキエヒシャクを離れて水面に達するまでの時間が問題になります。

そう考えたとき、オーバースローでも速いスピードで投入すれば風の影響はあまり受けないし、アンダーでもスロースピードで投入すれば風に影響されやすいことになります。

ここで考えなければならないのは、投入フォームよりもマキエヒシャクの方になります。カップの材質はプラスチックよりもステンレスやチタンの方がマキエ離れはよく、常に洗うことでそれは促進されます。

カップの深さや握りやすいグリップ、シャフトの長さ、しなり具合と飛ばしやすくするための要素は数々あり、それによって強風時のコントロールは左右されると思っていいでしょう。

オキアミを潰せばさらに飛ばしやすくなる

強風の中で遠投、あるいはコントロールをつける究極の方法があります。それがオキアミをすり潰し、マキエ全体をよく練り込むことです。チヌ釣りでは練りエサをツケエに使うのはよく知られていますが、その練りエサと同じ状態にしてしまえば少々の風でも狙い通りに投入することができるのです。

ただし、問題点が二つあります。

まず、すり潰して練り込むのに手間と時間がかかります。上がった磯が風の強いところだったら最初にオキアミだけを丁寧に潰す。それが終わったところで集魚材を加えて全体を練り込む。単に混ぜるのではなく練り込むというのがキーで、量が多いとこれは結構ハードな作業となります。

もう一つの問題は比重が大きくなって速く沈むところにあります。中身がぎっしり詰まっているのだからそれも無理はありません。だからといって、その重たいマキエをなんの考えもなしに投入したのでは、やはりグレのタナが深くなります。粘りも強くバラ打ちができない。つまり、拡散しないというわけです。

チヌ釣りのようにマキエを底に溜めて、そこに魚を集めるのならそれでも一向に構いません。しかし、中層でエサを食べるグレの場合、それは適切とはいえません。流れが速くない限り、マキエはフワフワと沈めた方がベターです。

それならばどうすればいいのでしょう?

一つ考えられるのは、小さいカップを使ってマキエの量を減らすことです。

カップの小さいヒシャクで一回分のマキエを減らす

一般のグレ釣り師には15㏄のカップを使う人が多いです。チヌ釣りの場合は20〜30㏄が好まれており、底に溜めるにはある程度の量が必要で、それがカップサイズに反映されています。

しかし、よく練り上げたマキエをそのカップで撒くと、よほど潮が速くない限りすぐ底まで沈んでしまいます。その点、15㏄ならマキエの固まりは小さく、流れの抵抗を受けてゆっくり沈みます。

とはいえ、潮が緩いとそれでも沈むのは早いです。そこでもっと小さいカップを使います。

現在のところ、市販品の中で小さいカップは9㏄ほどで、ここまで小さいとゆっくり沈むし、途中でエサ盗りに食べられるとさらに小さくなります。

市販のものよりカップをさらにサイズダウンするには自作するしかありません。といって、すべて自作するのは大変だからプラシャクを改造してみましょう。

遠投しやすくするためにフェイス部分を削ったり、底に穴を開けて水抜きを作ったりするのはよく知られていますが、熱を加えて変形させることまでやる人もいます。

もちろんですが熱を加えるのは危険がありますので、火傷に注意して、あくまで自己責任で行ってください。

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