マキエの役割
マキエを使う主な理由は、
◯魚を寄せる
◯寄せた魚を足止めする
◯魚の活性を上げる
◯ハリの付いたエサをカモフラージュする
などです。
使い方は二通りに分けることができます。カゴなどに入れて仕掛けと一緒に流す方法と、ヒシャクで撒きながら釣る方法です。
カゴに入れるやり方が一般的で、仕掛けを流す距離も長く設定できます。堤防ではサビキ釣りがカゴ釣り仕掛けの代表です。

ヒシャクで撒くのはウキフカセ釣りというジャンル。自由にマキエと仕掛けを投入できるから、ピンポイントで狙う場合に効率良い釣り方です。
ちなみに、ルアー釣りでもマキエやアミノ酸などの集魚材を使うことがあります。が、今回はエサ釣りに限定して解説します。
マキエの種類
カゴに入れて使用するマキエは、まとまりを良くするために集魚材を混ぜることもありますが、ほとんどがオキアミやアミをそのまま使います。
オキアミ・アミのどちらを使うかは使用する仕掛けによって違いますが、主にアジやサバなどサビキ釣りではアミを使い、ツケエにオキアミを使うカゴ釣りではマキエにもオキアミを使うのが一般的。

ウキフカセ釣りでもオキアミやアミをマキエとして使用しますが、集魚材と混ぜて使います。市販されている集魚材はグレ用とチヌ用が大半で、マダイ用やイサキ用、アジ用なども売られています。
これらの違いは対象魚に合わせた成分もそうですが、大きくは比重にあります。魚の遊泳層や性質に合わせて釣るのがウキ釣りなので、使用する集魚材もそれに合わせて選びます。
グレ用は比重が小さく浅い水深が狙いやすいように軽い素材が多く含まれています。だから、ゆっくりと沈んでいくものが多いです。
チヌは海底付近を遊泳する魚なので、チヌ用の集魚材は比重が大きく早く沈む成分が多く含まれているものが多いです。
集魚材を入れる場合は狙う魚の遊泳層に合わせて、集魚材の比重で選択します。
カゴを使って使用するマキエ

アミを使う場合
代表的なのはサビキ釣り。目の細かなカゴを使い、その中にアミを入れます。
アミを選ぶ際は、粒がしっかりしたものを選びたいです。冷凍・解凍を繰り返したものほどアミの形状がなくなるほど崩れているから、アピール力が薄れ、魚の食いも悪くなる傾向にあります。

オキアミを使う場合
マキエに使うオキアミは、冷凍ブロックを購入します。オキアミのサイズはあまり気にせずよく、迷ったらSかMサイズをおすすめします。その方がオキアミの数量が多くなるからです。
通常は釣具店の冷凍庫で売られているため、購入してもカチカチですぐに使えません。釣りに行く前日に購入して解凍しておくか、オキアミの解凍予約ができる釣具店を利用するとよいでしょう。
ヒシャクを使って使用するマキエ(ウキフカセ釣り)

ウキフカセ釣りでは集魚材をメインとして、オキアミやアミ、その他を加えてマキエを作り上げます。それだけこの釣りでは重要ということです。
集魚材は前述のように比重で選ぶのが基本です。これにオキアミやアミを混ぜるが、混ぜない場合もあります。
オキアミを入れる
集魚材+オキアミというのがマキエの基本。しかし、オキアミの値段が高騰していることもあり、堤防釣りでは入れないで使っている人も多いです。
オキアミを入れることで粒が大きくなり、より長時間魚を寄せて足止めすることが可能となるのと、ツケエにもオキアミを使うことで、違和感なく食わせることが可能となります。

アミを入れる
マキエにアミを入れる最大の利点は、匂いによる集魚効果。アミは粒が小さいため、集魚材と混ぜるとほとんど潰れて固形物はなくなります。
しかし、成分が集魚材に染み込んで強い匂いを演出してくれるのと、粘りのあるマキエを作ることができ、遠投しやすい仕上がりになります。
注意点

オキアミやアミのことを生エサとも呼びますが、その名の通りどちらも長持ちしないので注意。
特に夏場の日差しが強く気温が高い時期は、2時間も放置しておくと黒変したり、匂いが変わってしまう恐れがあります。
すぐに使わない生エサは、マキエ用だけに限らず、ツケエ用も冷えたクーラーボックスで保管しておきましょう。
黒変したオキアミだと、釣れないわけではないですが、視覚効果に影響が出るのも懸念されます。なによりあまり良い匂いではありません。
ツケエ用は特に注意。身が柔らかくなったり、逆に乾燥して硬くなり皮が剥がれやすくなります。ツケエは状態の良いものから選んで順に使って行きましょう。
解凍方法

釣具店では冷凍販売されているから、購入後に自分で解凍するか、お店に解凍を頼むかすることになります。
ただし、春〜秋はサビキ釣りシーズンでもあるので、アミに関してはすぐに使えるように、解凍されたものが店頭でも売られるようになります。
しかし、解凍されてから時間が経ったものは悪くなっているものもあるので、選んで購入しましょう。
最初はどの状態が良いのか分からないと思いますので、一度は自分で解凍してみることをおすすめします。

直射日光が当たる場所や、気温の変化が大きい時間帯は均一に解凍しにくいので、日が暮れてから解凍をはじめます。
夏場なら2〜4時間、冬場なら4〜6時間くらいが目安。注意したいのは、オキアミやアミの温度が上がりすぎる前に解凍処理を終わらせること。
理想としては半解凍といったところで、少しシャキシャキ感が残っている程度が良いです。
急いでいるときは、ビニールのまま多めの水に浸けておいたり、現場では海水に浸けて解凍を早めることもあります。
アミ解凍の裏技

アミは外国産が多く流通しており、国内産よりも安価で手に入れることができます。しかし、粒が潰れているものも多いです。これを少し軽減するには、ちょっとだけボイルしてやるとよいでしょう。
ボイルといっても火にかけるのではなく、ぬるま湯程度のお湯を入れた容器に、ビニールのままアミを入れて解凍するだけ。やりすぎると硬くなるので注意しましょう。
解凍途中には分かりにくいですが、使用時にはプリプリとしたアミとなっています。