
マゴチの食味はヒラメにも匹敵するとされており、白身の上品な味わいで程良い弾力が噛み応えとなりとてもおいしいです。
しかし、案外知られていないのが、マゴチの正しい絞め方。少しだけ他の魚と違います。
絞めに必要なもの
・水汲みバケツ
・厚めのビニール袋
・ナイフ
・アイスピックもしくはハンマー
手順1 水汲みバケツ(ビニール袋)に海水を入れる。
海水を先に用意しておかなければ、血がたくさん出るので、釣り場を汚してしまいます。そのため必ず絞める前に海水の準備を怠らないようにしましょう。
基本的に水汲みバケツだけでも血抜きはできますが、サイズによっては入らないことも。そんなときはストリンガーが便利なのですが、波が荒いサーフでは海水に浸けておくのは難しいので、その場合は厚手ビニール袋に海水を入れてその中で血抜きをします。
ただし夏のサーフはかなり暑いので、陽の当たらない場所で血抜きをし、血が抜けたらクーラーボックスに保管しましょう。
堤防や船ならストリンガーにマゴチを掛けて、海中にぶら下げて血抜きをすると手間が抑えられます。ただし夏場の海面付近も十分温度が高いので、1m以上沈めて処理を行いましょう。
手順2 表向きにして脳締め

まず最初はマゴチの脳をつぶして暴れないようにします。
眉間から3~4㎝後方あたりを狙い、アイスピックなどでひと突きします。背ビレがピンと立ってしびれて動かなくなればOK。ハンマーでそれに近い場所を叩くのもありです。
手順3 裏返して動脈を刺し、すぐに血を抜く

マゴチを裏返しにして、動脈を一突き。ナイフや包丁で構いません。
心臓は脳絞めをしても動いていますので血がどんどん出てきます。すぐ、海水に入れて血を抜きましょう。口を持ち、左右に振ってあげると、ほとんどの血は抜けてくれます。血が抜けたら冷えたクーラーボックスに入れて完了です。

覚えてしまえば意外と簡単です。マゴチは淡白でおいしい魚なので、正しい手順で絞めるとより本来の味が楽しめます。
なぜ夏はマゴチが釣れるのか
夏場でカンカン照りな時期のマゴチは通称「照りゴチ」と呼ばれ、関東をはじめ各エリアでは「照りゴチ釣り」が盛んに行われ、夏の風物詩となっています。
産卵期は春~初夏で、そのころに浅場に移動し活発にハゼやキスなどのエサを捕食するようになります。マゴチは浅場に近づく春から、越冬準備のためにエサをよく食べる秋ごろまで釣れる魚なのですが、釣りのピークは産卵後の夏ごろとなります。冬も釣れないことはないのですが、条件が合わないとなかなか釣れません。冬は同じフラットフィッシュであるヒラメが本番となるので、こちらを狙う人が多いようです。
