
いつかは釣ってみたいと誰しも思う巨大魚、クエ(アラ)。食通もうならせる味もさることながら、なかなかお目にかかれない高級なターゲットでもあります。
巨体からくり出されるパワーに対抗するには、万全の体制で挑む必要性があります。クエに挑戦するなら、オフショアでのイカの泳がせ釣りがおすすめです。この釣りはチャンスを増やすと同時に、さまざまな魚との出会いを釣り師にもたらしてくれます。
クエの生態
旬は基本的に秋~冬あたりとされることが多いのですが、地域によっては産卵期前の5月頃から動き出します。それから8月頃に産卵を迎え、産卵後には活発にエサを追うため身にたっぷり脂を蓄えます。
そのため夏~秋頃のクエがおいしいとされています。
大型が釣れる場所は日本国内でも限られています。有名なところでは玄界灘。食味も素晴らしく、鍋や汁物が有名ですが、刺身や湯引き、から揚げなんかもおいしいです。
釣るためにはヘビーなタックルが必要

パワーもさることながらサイズも大きい。場所によっては20kgオーバーも期待できます。そのためタックルもかなり大型。写真のタックルは9000番クラスの電動リールにPEラインは15号、ハリスはフロロの70号。ハリもクエバリ30号を使用しています。
イカの泳がせ釣りはヤリイカやブドウイカの頭部にチョン掛けします。この釣りで重要なのはエサの鮮度。仕掛け投入前の鮮度管理はもちろんですが、投入後もツケエが弱って来たら即交換します。エサ盗りも多く、気が付いたら頭から下が持っていかれたということもあります。

根掛かりはポイントをつぶす可能性もあるので要注意です。
アタリは強く、かなりの衝撃が来るので油断禁物です。ロッドを曲げた後も、慎重に行動しなくてはいけません。いきなり反撃してくることがあり、バラシはもちろん、太いハリスやPEラインを引きちぎるパワーを持っています。

アタリがあったら、まずは根から引き離して、一気に浮かせることを考えましょう。一気に引き上げて浮き袋を出させてしまうのがやり取りのコツですが、巨大なクエ相手に冷静にアワセるのはなかなか難しいものです。
ハリ掛かりしないサイズがエサに食いついているアタリに対し、掛かったと思ってアワせてしまうと、エサがハリから外れてチャンスを逃す可能性もあるからです。
この釣りに精通するベテランは、電動リールのスイッチに指をかけながらアタリを待ち、上半身を持っていこうとするクエのパワーを利用しながらスイッチを押します。この方が余裕をもってアタリに対処できるようです。

クエ以外にもさまざまな出会いが
イカの泳がせ釣りはクエ以外にも多彩な魚がヒットします。
青物、根魚、マダイ。ほかにも、キジハタやザブトン級のヒラメも食ってきます。
さまざまなドラマをもたらしてくれる、この釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
