ライフジャケットの正しい選び方

数年前からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用が義務化された。2022年2月からは乗船者にライフジャケットを着用させなかった船長(小型船舶操縦者)には、違反点数2点が付され、再教育講習を受講しなければならないという罰則が課せられるようになる。さらに違反点数が累積して行政処分基準に達すると、最大で6か月の免許停止処分となる。つまり遊漁船で乗客がライフジャケットを着用していなかった場合、船長に罰則が課せられるということだ。これに伴い、現在ではどの遊漁船でも乗客にライフジャケットの着用を義務付けるようになっている。

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国の基準をクリアしたものでなければならない

ライフジャケット

ライフジャケットは以前に購入したものがあるので大丈夫! と思っている方は注意が必要だ。

ここで重要になってくるのが「ライフジャケットなら何でもよいというわけではない」ということだ。国の検査基準に合格したという刻印(いわゆる桜マーク)が付いているものでなければならないのだ。ネット通販などで格安で販売されていたような膨張式のライフジャケットは、オフショアフィシングでは使用不可の可能性が非常に高い。また磯釣りやショアのルアーゲームで使うゲームベストはほとんどどれも適合していない。一度確認した方がよいだろう。

桜マーク
桜マーク

さらにもう一つ気を付けないといけないことは、桜マークが刻印されているものでもランクがいくつかあり、使用する状況に合ったものでないとならないということだ。具体的には遊漁船での使用の場合、タイプAとタイプDという基準を満たしているものが使用可能だ。

タイプAは全ての状況下での使用が可能となっており、これを選べばまず間違いがない。

タイプDは定員が12名以下となっている船で、2時間以内の航行可能エリアで釣りをする場合に使用可能となっている。湾内でのボートシーバスやボートアジングなど、小さな船で行う近場での釣りならタイプDでも問題ないというわけだ。

ライフジャケット
こういった岸寄りのポイントのみで釣りを展開するのなら、TypeDでも問題ない。

しかし、実際に釣り用として販売されているものは、タイプAの基準をクリアしているものがほとんどだ。タイプAであれば近場で楽しむ場合でも、有名ポイントでの釣りでも、遠征しての大物狙いでも、どのような状況でも使用可能だ。

購入の際にはタイプAの基準を満たしているものを選んだ方がよいだろう。小型船舶用Type Aと記載されているものが正解で、いくら国土交通省型式承認品でも「小型船舶用浮力補助具」や「小型船舶用救命浮環」などと記載されているものは遊漁船では使用不可となるため注意したい。

形状の違い

オフショアで使用される膨張式のライフジャケットにはいくつかの種類があるが、形状は大きく分けて肩掛けタイプ、腰巻タイプ、ポーチタイプの3種類となっている。

肩掛けタイプ

ライフジャケット
ライフジャケット

一番安全性が高いと言えるのがこのタイプ。内部の浮力体が膨張したときに首の後ろから肩周りを包み込むような形となり、呼吸を確保するために必要な顔面が上を向きやすい。万が一意識を失っているようなときでも顔が水に浸かりにくい構造となっているのだ。

通常の使用時ではジギングなどの常時ロッドアクションを必要とする釣りでは、胸周りが若干邪魔に感じる場合もあるが、安全性を最優先させるなら肩掛けタイプを選んだ方がよいだろう。

肩掛けタイプ ライフジャケット
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自動・手動膨張式。国際承認を受けたUML-MK5膨張装置装着 着用性が向上されたホルダーネックタイプのライフジャケット。
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ベーシックタイプの膨脹式ライフジャケット。

腰巻きタイプ

ライフジャケット
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装着感があまり気にならないのが特徴だ。このタイプは浮力体が膨張したときに腰周りが浮き輪のような状態で膨らむ(一部、腰に巻かれずに浮力体が出るだけのものもある)。使用感と安全性の面で一番人気のタイプだ。

腰巻きタイプ ライフジャケット
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BLUESTORMウエストシリーズの中でも最も細い形状。体に触れる面積を減らした事により、夏は涼しく長時間の着用を容易にする。

ポーチタイプ

ライフジャケット
ライフジャケット

一番コンパクトで装着感が気にならないが、浮力体が膨らむときに体に巻かれないというものも多い。浮力体を掴んで自分自身で体に装着する必要があるので、気を失っている場合などは、安全装備として機能しない場合もある。

しかし、現在ではポーチタイプでも浮力体が体に巻かれるようになってあり、そういったものであれば安全性の面では腰巻きタイプとあまり変わりはない。

ポーチタイプ ライフジャケット
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レールシステムを搭載し、よりコンパクトに、より軽量に。
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ライフジャケットがコンパクトなウエストポーチに収納されており、つけやすく非常に軽量です。

 

膨張方式

万が一落水したときに、浮力体が出るための仕組みとして、自動膨張と手動膨張がある。

自動膨張はセンサーが水を感知して、自動的に浮力体が膨らむようになっている。手動膨張はヒモに繋がれたツマミを引くことによって任意で浮力体を膨らませることができる。カヤックやフローター、水上バイクなど、水が掛かりやすい状態では自動膨張だと勝手に膨らんでしまう可能性もあるので、手動膨張を選ぶのが基本だ。しかし、気を失ってしまうと手動膨張は膨らませることができないというデメリットもある。

現在、オフショアフィッシング用としてラインアップされているタイプAクラスのものは、ほとんどが自動+手動膨張となっている。落水した場合は基本的には自動で膨張するが、万が一センサーが反応しなかった場合や早く膨らませたい場合に手動でも操作できるようになっている。

自動膨張タイプは大雨などで濡れてしまった場合もセンサーが反応することもあるので、雨天時は注意したい。

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