エサ釣りの中でも釣れる確率が高い遠投カゴ釣り。そのキモはマキエの同調がたやすく、しかも長いスパンで仕掛けとともに流せることにあります。
大海原へと遠投する爽快感、ウキが一気に海へと吸い込まれ、激闘の末、大物を仕留めたときの達成感は格別です。
釣れる場所と時期
青物御三家といわれているブリ、ヒラマサ、カンパチ。小型の魚やイカなどを捕食しているフィッシュイーターと呼ばれる魚の代表格です。
どれも成長すると1mを超える大型魚で、エサ・ルアー問わず、さまざまな釣り方で狙うことができるため、大物志向の釣り人に人気の高いターゲットとなっています。
堤防から狙えるブリは3㎏クラスがアベレージとなりますが、場所が良ければ5〜7㎏の大型が釣れます。ヒラマサやカンパチは岩礁帯を好むため、狙えるのは基本的に磯場となりますが、堤防から釣れることもあります。

回遊魚のため、潮通しが良いということがポイント選定の最低条件となります。基本的には通年狙えますが、ベストシーズンとなるのは秋です。しかし魚が回ってこなければ釣れる期待度は低く、情報収集が大切になります。こまめに釣具店に行ったり、ネットで調べたりしましょう。
青物が釣れ出したという情報が入ってきたら、期待度は一気に高まります。年によって異なりますが、釣れ出すと数カ月はコンスタントに釣果に恵まれることも少なくはないので、シーズンインしたら足繁く釣り場に通うことをおすすめします。
厳寒期になると水温が安定する深場へ移動するため、陸から釣れにくくなります。そして春、水温が上がってくると、数は少なくなるものの大型が釣れるチャンスが訪れますので狙ってみましょう。

捕食パターンとエサ
通常は小型の魚やイカなどを捕食しているため、生きたエサを使った釣り方が有効です。しかし、多くの釣り人がマキエとしてオキアミを投入する時期には、そういったエサにしか反応しなくなることもあります。
追い回して捕食しなければならないエサより、簡単に食べられるエサに着く傾向にあります。
強靭な道具で挑む

ブリ、ヒラマサ、カンパチはどれも遊泳力が高く、パワーがあります。そのため、使用する道具も、その力強さを受け止める強靭なものが必要となってきます。
中でも「海のスプリンター」と称されるヒラマサの引きは群を抜いて強烈。陸からでも10㎏オーバーが釣れた実績もあり、ハリに掛かると根に突っ込もうとする習性があり強引に引き寄せないと行けないため、ヒラマサをメインターゲットとする場合は、特に強靭なタックルや太仕掛けで臨む必要があります。
ブリも引きは強いのですが、根に向かうリスクは低いため、掛かってからの取り込みは青物の中では比較的楽です。カンパチは、成長した個体であれば沖の深場へ移動するため、陸から狙えるのは3〜5㎏クラスまでが対象となります。
遠投カゴ釣りの仕掛け
青物狙いでは、仕掛けを投入するときの飛距離が釣果を左右することも少なくありません。カゴやウキなどはもちろん、タックルも遠投しやすいものを選んだ方が釣果に結びつきやすいです。

仕掛け投入後、ロケットカゴは大きく竿を煽るとフタが開いて、エサが出る仕組みとなっています。エサの付いたハリをカゴに入れて仕掛けを投入すると、仕掛けの投入時にハリからエサが外れる心配がなくなるので、フルキャストが可能となるのです。
キャストで届く範囲に潮目があるときは、必ずその周辺を狙いましょう。潮目には遊泳力の弱い小魚が集まることが多く、大型の魚は、そのような場所で効率良くエサを捕食しようと考えているからです。

リールは大型スピニングリールの5000〜8000番が必要です。竿は磯用か遠投竿の3〜5号、5m以上のものが好ましいですね。
道糸はナイロンラインの7〜13号。特にヒラマサは引きが半端じゃないので10号以上を使いましょう。「青物の引きが怖いから、とにかく太いラインを」と選んでしまうと、今度は飛距離が犠牲になってしまいますので、バランスをとって考えて選びましょう。
こういうと「PEラインのほうがいいのでは?」という意見が出てきそうです。確かにPEという選択肢もあります。ただウキ止めが固定しづらくなるので、リーダーを結束しておく必要があります。アタリが一目瞭然なので、感度が要らないことを踏まえるとナイロンラインの方がおすすめです
カゴの下からはフロロカーボンの8〜13号のハリスを使いましょう。これもやはりヒラマサを狙うなら12号以上と太めにしておくとよいでしょう。ヒラマサは浅ダナを狙うのが基本なので、ウキ下は2ヒロ程度になるように調整します。
ハリはブリ、カンパチを狙うなら青物用(ヒラマサバリなど)の8〜10号、ヒラマサは10〜12号からチョイスしましょう。