ヒラマサにチャレンジ! 青物・・・豪快な走りを体感しよう

  1. 釣り方は2通り。泳がせ釣りと遠投カゴ釣りが主流
  2. マキエでヒラマサを呼び寄せる遠投カゴ釣り
  3. ヒラマサをバラさずに取り込むためのキーワード
  4. 自由に走らせ、止まったら腰の強い竿で寄せる
  5. 取り込みは共同態勢で、呼吸を合わせて掬う
  6. 実績のある釣り場をチェックし、こまめに情報を得る
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釣り方は2通り。泳がせ釣りと遠投カゴ釣りが主流

ヒラマサ釣り
パワー対パワーのヒラマサ釣り。10㎏オーバーともなれば全身を使ったやり取りが要求される。

ブリ、カンパチ、ヒラマサなどの回遊魚は、一様に背中が青いことから「青物」と呼ばれており、秋になると接岸してくる。

走りは豪快で、食べて美味しく人気が高い。特に、近年、ヒラマサは離島の堤防でも釣れるようになり、入門するには絶好のターゲットとなった。

堤防で経験を積んで、ある程度自信がもてるようになれば沖磯に挑戦するのもいいだろう。グレ釣り、チヌ釣りとはまったく異なる世界にチャレンジしてみよう!

タイトルに「ヒラマサ釣り」としたのは、九州を中心に日本海沿岸で釣れている青物はヒラマサが最も多いことによる。

ブリやカンパチも同じ道具、同じ方法で釣れるから、必ずしもヒラマサだけを対象としているわけではないことを断っておく。

アジ
エサは現地調達が一番。そのとき食べている魚を使うことで警戒されにくくなる。

まずは釣り方から始めよう。ヒラマサに代表される青物の釣り方は、大きく分けると2通りある。

カゴ釣りと泳がせ釣りがそれで、一部にはフカセ釣りで狙うところもあるが、一般的ではなく、ここでは触れない。基本的には、グレ釣り仕掛けの超太いものと思えばいいだろう。

泳がせ釣りは、生きた小魚をハリに掛け、それを泳がせる。エサにする魚は小アジが一般的だ。ヒラマサが喜んで食べるから、この時期は簡単に釣ることができる。

この釣り方のメリットには次のようなものがある。

・シーズン初期はヒラマサがオキアミを食べない。自然界にある小魚を好んで食べるという習性があり、オキアミでは釣果は上がらない。
・エサ盗りが多い時期だが、小魚をエサにすると比較的残りやすい。オキアミではすぐ食べられてしまう。
・時間があればエサを自分で釣ることができるから、経費が少なくてすむ。
・アミカゴを遠投する必要がなく、比較的疲れない。
・他の高級魚が釣れる。小魚を食べる魚は、他にヒラメ、マゴチ、アラ類などがいる。エソやダツも掛かることはあるが、概して美味魚が多い。
・スペースに余裕があれば、他の釣りの合間にできる。置き竿にしておいてアタリを待つという釣り方だから、例えば小アジ釣りをしつつ、釣った小アジをエサにしてヒラマサを狙ったりもできる。この場合は竿掛けにセットしておき、ヒラマサがアタっても竿を引きずり込まれないようにしておく必要がある。

 一方、デメリットもある。

・小アジを販売しているところは少なく、近くになければ自給するしかない。また、元気よく生かしておくためには、それなりの道具&配慮が欠かせない。
・原則としてマキエはしない。そのため、ヒラマサが回遊してくるのをひたすら待つことになる。青物が回遊してこなければヒマだし、したがって、カゴ釣りに比べると釣果は少ない。

例外はあるものの、一般的にこの泳がせ釣りは堤防で行われるケースが多い。沖磯に渡ってアタリが少なければ、渡船代に見合う価値がないからである。

釣り方は特に難しいところはない。小アジにハリを刺して自由に泳がせるだけだ。ウキ下は2〜3ヒロとる。アジの元気がいいとウキを引き込むが、構わずにそのまま泳がせる。

ウキを引き込むだけの元気がなくなれば小アジを交換する。

ウキを使わず、完全フリーの状態で小アジを泳がせる人もいる。その方が元気は持続するという。

小アジを泳がせているとハタ類も掛かったりする。フィッシュイーター(魚食魚)はほとんどが美味魚であり、外道ながら釣れると嬉しい。

海水を入れたバッカンで小アジを生かす。弱って動きが悪くなればすぐ交換した方がよい。装餌法はいくつかあるが、背掛けが一般的。他に鼻掛け、口掛けがある。

竿は太くて重い。リールも大きい。それで大きなカゴをブン投げる。カゴ釣りでは一日中それを繰り返す。はっきりいって重労働である。

マキエでヒラマサを呼び寄せる遠投カゴ釣り

ヒラマサカゴ釣り
カゴ釣りで良型を狙え!

遠投カゴ釣りの場合、考え方としてはチヌ釣りと似たところがある。マキエを効かせそこにヒラマサを寄せるのだ。

マキエを効かせるためならカゴ釣りをする必要はなく、マキエヒシャクで撒けばいいではないかと思うかもしれない。だが、次の三つの理由により、カゴ釣りの方が有利といえる。

1.ヒラマサは早朝なら接岸してくるが、太陽が高く昇ると沖の方を回遊する。

2.マキエを利かせるのに都合がいい本流はしばしば沖を走る。

3.ヒラマサは沖で食わせた方が取り込みやすい。特に、磯は障害物が多く、その近くでヒットするとバラシが多い。

マキエを効率よく効かせるには、単独で撒くよりも複数の釣り人が同じ地点を攻めた方がよい。

ヒラマサ釣りはチームワークの釣りとも言われており、同じ磯に上がった釣り人が連係して同一地点にマキエを効かせると、ヒラマサは早く集まってくる。

ただ、マキエを効かせるためのアミカゴの選定には注意が必要だ。

ヒラマサ釣りには上カゴと底カゴがある。上カゴはウキとアミカゴがセットになっており、水面でマキエを放出する。それにともなって、ヒラマサは水面に浮上する。

水面近くで食わせると、周囲に障害物がないから比較的取り込みやすい。仕掛けを沈ませる必要がないから、手返しも早くなるというメリットがある。

一方の底カゴは、マダイ釣りと同じく竿2〜3本の深場を攻めるのに用いる。深場で食わせると、近くに海底や沈み瀬がある可能性が高く、バラす確率が高くなる。仕掛けを沈めるのにも時間がかかる。

カゴ釣り
カゴに積め込まれたオキアミボイル。ヒラマサも思わずよだれが出てしまうだろう。

それなのにあえて底カゴを使うのは、ヒラマサがどうしても浮いてこないときがあるからだ。また、釣り場によっては魚がそれに慣らされている場合もある。

エサは原則としてボイルのオキアミで、沖から接岸してきたばかりのヒラマサは食べ慣れていない。そのため、初期は小アジをエサにした方がいいのである。

なお、アミカゴをフリーにするのは、ヒラマサが走ったときの抵抗をできるだけ少なくするためだ。アミカゴを固定していると、それが抵抗となって道糸、またはハリスが切れる可能性が高い。

ハリスに通した小さな玉ウキは、ヒラマサが食い渋ったときこれでアタリを取る。活性が高いと一気に食って走るが、いつもそうとは限らない。

モゾモゾするだけで、そのうちツケエだけを食ってしまうことも珍しくない。

ハリは太軸で、折れたり曲がったりしないというのが原則だが、太いハリスを結んでもスッポ抜け難いという機能も要求される。

その意味で、このヒラマサ・ブリ王は定評がある。オキアミを2〜3尾掛けるのにも適している。

釣り場によっては60cmまでの「ヒラゴ」しかアタらないところもある。そんな場合は磯竿2〜3号、ハリス3〜5号でも対処はできる。

しかし、大型が食う可能性が10%でもあれば、最強のタックルで臨んだ方が正解だ。

ヒラマサをバラさずに取り込むためのキーワード

ヒラマサ釣りの一番の難関は取り込みにある。それまで体験したことのないスピードとパワーで走り、なおかつ簡単には諦めず、最後の最後まで抵抗するからである。

グレ、チヌならひとたび空気を吸わせたら、抵抗力は格段に衰える。だが、ヒラマサはそうはいかない。足下まで寄せても再び走り回る。

もう大丈夫だと安心して油断し、そこで走られたためバラした経験のある人は多い。

ブリやカンパチとの違いはそこにある。青物の中でも、ヒラマサは最も手ごわい相手だと思ってよい。

以下、ヒラマサを取り込むための注意点を解説する。

自由に走らせ、止まったら腰の強い竿で寄せる

ヒラマサをバラす確率が高いのは、まずハリ掛かりである。小アジにしろボイルにしろ、それを食ってアワセが入った直後、ヒラマサは猛烈なスピードで走る。

小型ならともかく、この段階ではオープンベイルでヒラマサをフリーの状態で走らせることが望ましい。ヘタに抵抗を与えると障害物に沿って走り、瀬ズレでバラすことにつながる。

したがって、アワセを入れて相手が大きいと分かれば、即座にベイルを起こす必要がある。

その余裕がない、または魚のサイズを判別する自信がなければ、オープンベイルの状態で竿を立てることをお勧めする。道糸と竿を一緒に握り込めばいいわけで、難しいことではない。

道糸は長く巻いておかないと、自由に走らせることができない。最低でも200mは必要だと思ってほしい。

走りが止まれば巻き取りにかかる。このとき、竿の性能が大きく影響してくる。

ヒラマサ釣り竿
全身を使い竿の弾力を最大限に活用すべし!

一般に、竿の能力はオモリ負荷で表される(自重、長さは使い勝手を示すもの)。

これは、例えばオモリ負荷1号なら、1号のオモリを吊るしても竿の弾力は失われず、能力を充分発揮できることを表している。

ところが、これは本来、船釣りのようにオモリの荷重を直接竿先にかけたときの目安であり、上物竿では単に大物の引きに耐えられるかどうかというものでしかない。

つまり、数字が大きければ、より大きい魚の引きに耐えられるという判断基準になる。

抵抗するヒラマサをグイグイ寄せてくるには、腰の強さが要求される。0号のチヌ竿で寄せることはできない。腰の強さとは、硬さと言い換えた方が分かりやすいかもしれない。

だが、硬いばかりでは道糸&ハリスの能力を引き出すことはできない。すぐ限界に達し、切れてしまう。そのため、竿には弾力という要素も欠かせない。

魚がパワーを発揮すればそれを受け止めてしなり、道糸&ハリスにすぐにはパワーが伝わらない。だから、切れにくい。釣り人もその恩恵を多大に受けている。

弾力がまったくない竿を使っていて魚がいきなり走れば、釣り人は簡単に引き倒されてしまうのだ。

3号竿と4号竿の違いはここにある。オモリ負荷は同じでも、比較すれば3号は軟らかく、4号は硬い。言い換えるなら、反発力がより強いのは4号ということになる。

ただし、この規格はメーカーが独自に定めているもので、メーカーが異なれば基準は変わる。同じ3号だから弾力も同じとは判断できないのである。

この辺りが厄介だが、現在のところ数字で表せるものではないから、規格化できず、仕方がない部分はある。

オモリ負荷が同じ3〜10号でも、弾力が少なく反発力が弱い竿は次のような傾向を見せる。強い力が加わるとすぐ限界まで曲がり込み、弾力を失ってしまう。

そのため、道糸&ハリスにモロに魚のパワーが伝わる。この手の竿は俗に「粘りがない」といわれる。その点、反発力の強い竿はヒラマサの走りをガッチリ受け止め、最後まで粘りを失わない。

その結果、道糸&ハリスは強度を充分発揮し、取り込みできる確率は格段にアップする。

取り込みは共同態勢で、呼吸を合わせて掬う

大物の取り込みはポンピングが基本だが、ヒラマサの場合は原則としてポンピングはしない方がよい。反転する機会を与えるからだ。竿を曲げたままグイグイ巻き取った方が手早く寄せることができる。

ヒラマサをバラす確率が高いもう一つのステップが、取り込み時になる。足下まで寄せたから釣り人には油断があり、また足下は沖と違って障害物が多いのだ。

具体的にバラす状況を挙げてみよう。

1.グレやチヌのようにタモを海中に浸け、その中にヒラマサを誘い込もうとした。

ところが、ヒラマサはタモを見ると途端に暴れだし、片手で竿を持っていたため支えることができず、のされてハリス切れ。

2.何度もタモで掬おうとしたが失敗続きで、最後はタモがハリスに当たってハリス切れ、またはハリ外れ。

3.魚を浮かせたものの、タモを手に取ろうと後ろを向いた瞬間、足下に突っ込まれて瀬ズレした。

他にもいろいろあるだろうが、このようなケースをよく耳にする。

ヒラマサ釣り上げ
協力して釣り上げた達成感は格別だ。

ヒラマサを取り込むときは、浮いてきた瞬間にタモを突っ込み、掬い取る。最初からタモを突っ込んでいてはいけない。したがって、1人で掬おうとはせず、必ず2人で連係して取り込む。

このとき、タモ係は必ずベテランが務め、できれば一発で掬うようにする。ビギナーが何度もやり直していると、そのうち切れたり外れたりする。

3のケースも含めて、何度もバラして経験を積むことによって釣り人は成長していくものだ。最初から何もかも完璧にやれるものではない。

ヒラマサの取り込みは、2人で呼吸を合わせて一発ですませたい。

タモ枠は大きければ大きいほどヒラマサを掬いやすい。通常は60cmまでがポピュラーだが、探せば80cmもある。また、タモの柄も大物に対応したものが望ましい。

実績のある釣り場をチェックし、こまめに情報を得る

ヒラマサが回遊してくるエリアは、毎年ほぼ確定している。いつもは釣れないところで突然釣れ始めることはまずない。

したがって、ヒラマサを釣りたいと思えば、実績のある釣り場の情報を細かくチェックしておく必要がある。そして、釣れ始めたなら、すぐ行動に移す。

ヒラマサ釣りは非常に人気が高い。それでいて、釣り場には限りがある。そのため、釣り人が集中する。シーズン盛期ともなると多くの釣り人が訪れる。

そうなると、釣り座を確保するのさえ難しくなる。釣りはどんな魚でもそうだが、話題になってから釣行したのではもう遅い。

そうでなくとも、ビギナーは往々にして気後れしがちだから、なかなか思うような釣りができなくなる。ぼつぼつ釣れてはいるが、まだ本格的ではないというくらいがちょうどいい。

その頃ならまだ釣り人はそれほど多くはないだろうから、あまり混雑していない。釣り座にも余裕があるというものだ。あとは実践あるのみである。

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