アオリイカが好む場所はベイトが多い潮通しの良い場所や藻場、瀬の周辺のほか、漁港なら船道やテトラ周り、夜間の外灯の下など。
好調なポイントには真新しいスミ跡があるので目安になるが、あまりに黒々としたスミ跡はコウイカの仕業の可能性が高いだろう。
アオリイカの回遊ルートをイメージして、可能性が高そうなカケアガリや根の周りに仕掛けを投入してアタリを待つ。基本的にアジがサビキで釣れる場所ならアオリイカがいる可能性は十分ある。
期待が高まる時間帯は潮の流れが変わる前後、朝夕のまづめ時や月夜の夜間とされている。ただし夜間は足元が見えづらいので、安全第一を心掛けよう。
釣り方のコツ

日中は海底付近にいるアオリイカも、月夜にはベイトを追って表層付近まで上がってくることがあり、ウキ下はそのことを念頭において設定することが肝心。
日中はきちんとタナを取り、根掛かりしないよう底を1~2m切るぐらいにするのが基本だが、3ヒロ程度のウキ下から始めてアタリがなければ深くしていけばよい。
アタリはウキが沈んだり、流れていたウキが静止したり、横方向に走ったりするほかに、食い上げてくることがあり、棒ウキの目盛りで読み取ることができる。
アジが動き回ることでウキが沈むことがあるが、その場合はウキの浮力を大きくするか、オモリを軽くすることで対応しよう。
ウキ釣りの仕掛けを投入できる範囲はせいぜい10数m以ほどだが、潮に乗せて仕掛けを流せば広範囲を探っていける。
泳がせ釣り

アオリイカ狙いといえばルアー感覚で楽しめるエギングと、スリリングな攻防を味わえるヤエン釣りが人気だが、アジをエサにした泳がせ釣りも面白い。
食い上げたり消し込んだりするウキの動きは興奮もので、釣果を得られる確率も比較的高い。
ハリメーカーの各社からアオリイカ釣り用の泳がせ釣りセットが発売されていて、ウキやウキ止め、シモリ玉までセットになったものを選べば道糸の先に結ぶだけで準備完了。
あとは生きたアジを用意すれば釣りができる。このお手軽さも魅力に挙げられるだろう。

アオリイカ狙いの泳がせ釣りの仕掛けは、ステンレス製のシャフトに掛けバリがセットされた跳ね上げ式(テコ式)が一般的。
跳ね上げ式の長所はフッキングの成功率の高さだが、アタリの多さを優先するならハリスの先端に一段バリを結んだ仕掛けを選ぶとよい。
アオリイカの泳がせ釣りは日中でも夜間でも楽しめる釣りで、暗い時間帯は電気ウキまたは発光体をセットできるウキを使用する。
冷凍アジを使った仕掛け

生きたアジは、一部の釣具店で販売されているが、現地にてサビキ釣りで調達するのが一般的で、子どもにサビキ釣りを担当してもらえば家族でこの釣りを楽しめる。
アジ以外の魚では小型のグレやマダイもエサとして利用できる。
しかしどうしても生きているアジが手に入らない場合は、スーパーの鮮魚コーナーで売っているアジや、釣具店で買える冷凍アジでもウキ釣りを楽しむことができる。

この場合は、アジの胴体を串刺しにすることで、水平姿勢をキープできる専用の2段傘バリを利用する。
二段に配置されたフックのセンターを通るシャフトでアジを串刺しにして付属のワイヤーで固定。
エサを水平に取り付けることで、どんな状態のアジでも生きているように見せかけることができるというわけだ。釣り方や狙うポイントは生きアジをエサにした場合と同じ。
取り込みの注意点

アタリが出たらそっと糸フケを取り、イカの重さを感じ取ってからアワセを入れる。この時点でアオリイカはアジを離すまいとしているので慌てる必要はない。
アオリイカが走ってくれたらフッキングが決まる確率がアップ。良型のアオリイカは身が硬いので、ストロークの大きなアワセを入れて、しっかりと掛けバリを刺そう。
ヒットしたら竿をしっかりと曲げたまま、一定のスピードで寄せてくる。ポンピングを行うとラインのテンションが抜けた瞬間にハリ外れするので要注意。
ジェット噴射に対してはドラグで対応し、走りが止まったら再び寄せに掛かる。タモ入れの瞬間のジェット噴射に対応できるよう、タモ網はアオリイカの頭部側から入れるようにしよう。