水温が下がったわけでもないのにエサ盗りさえアタらないとき、考えられる理由は?

魚の活性が落ちた原因はいろいろ考えられる

ハリに刺した生のオキアミがまったくかじられず、何時間も同じ状態が続くことが厳寒期にはよくあります。オキアミがなくなると「食べられた!」と喜ぶありさまで、エサ盗りの多い時期には考えられない状況ですよね。

厳寒期でなくてもこういうシーンに遭遇することがありますが、どちらにせよ、なぜエサがなくならないのかが分からなければ対策の立てようがありません。

そこで、可能性のある原因をピックアップしてみました。

・潮の変化
・青物やサメなどの外敵
・水温の変化

他にも地震や飽食、同じツケエに飽きた、ポイントが違うなど、グレやチヌが食わない理由はあります。だが、エサ盗りもアタらず、ツケエが丸々残っているとなると、そうではない確率が高いです。魚全体の活性が落ちた原因は前述した三つであると見なしていいでしょう。

一口に潮といってもいろいろなパターンがある

潮が悪い……釣り人が釣れなかったときの理由にしばしば用いる言い訳ですが、これにはさまざまな意味が込められています。以下、書き出してみました。

①止まった、方向が変わった。
②大きな川から大量の濁り水が流れ出た。
③赤潮や青潮、菜っ葉潮などが発生した。
④異質な沖潮が入ってきた。
⑤二枚潮が発生した。

では、順番に解説していきましょう。まずは潮の動きです。本当をいうと、潮の動きがエサ盗りの食欲を完全に奪うことはありません。流れが変わっても止まってしまっても恐れを知らず貪欲なエサ盗りはかじります。

ただ、これに干潮が加わるとまったくかじらないことがままあります。沿岸部ではほとんどの魚が満潮前後に活性が上がり、潮が引くと活性は落ちます。それに潮が止まるというマイナス要素が加わると、まったくエサに反応しなくなります。

こういうときの選択肢はあまりありません。潮が動く、または満ちるのを待つというのがひとつ。少しでも潮が動くところを探し、仕掛けを遠投したり足場を移動したりします。磯替わりも視野に入れていいでしょう。

潮が止まると弁当を食べたり昼寝したりして潮待ちをする釣り人が少なくありません。空腹になれば集中力が落ちるし、帰途の運転を考えれば少しでも睡眠不足を補うのは悪いことではありません。だが、潮が変わった直後は大きなチャンスでもあるのです。その瞬間は見逃さないようにしておきましょう。

河口から大量の濁り水が流れ出た

大雨が降ると河口から大量の真水が流れ出ます。それも単なる真水ではありません。泥やゴミを大量に含んだ濁り水です。これが流れ込めば周辺の釣り場は大きな影響を受けます。魚はいち早く異変を察知してその海域から避難しており、いくらマキエしても魚の反応は期待できません。

河口にはこのような状況が常について回ります。したがって、雨が降ったあとは要注意なのですが、河口一帯では小雨程度だったのに上流では大量に降った可能性があります。

どの程度の濁りが発生しているかは実際に行ってみないと分かりません。

で、行ってみたら濁っていたというのでは救われません。なんとかしたいというのが人情でしょうが、このケースでははっきりいって救済策は期待できません。早朝に港へ着いて船長に現状を確認できたらさっさと他の釣り場に移動した方が得策です。沖にポツンと浮かんでいる島なら被害は比較的少ないでしょう。

瀬戸に面して流れが速い釣り場なら回復も早いでしょう。

赤潮、青潮、菜っ葉潮が発生した

海水の異変はさまざまな原因で発生します。プランクトンが異常に増えて海面が赤く変色する赤潮はよく知られていますが、青白くなる青潮というのもあります。

大量に発生したプランクトンが死ぬと海底の窪みに溜まる。それがバクテリアによって分解されると酸素が奪われ、非常に酸素の少ない水塊となります。

通常、その水塊は冷たく、浮上することはありませんが、いくつかの理由によって水面まで浮き上がることがあります。

これが青潮で、冷たくて酸素が少ないため赤潮同様魚は嫌います。

酸素が少ない水塊とまでは至らなくても、単に冷たい水塊がこのような状況になることも多いです。

菜っ葉潮とはプランクトンや藻などの緑色色素を持つ微細生物が大量に発生して、海水が菜っ葉のような色になる現象をいいます。これも赤潮と同じく、エラに微細生物が付着すると呼吸困難になる恐れがあり、また水中の酸素が不足するため魚は嫌って避難するか、またはすみかにこもって出てきません。

魚が避難していなければ食わせるチャンスはあります。とはいえ、活性が恐ろしく下がっているから、いくらマキエを入れてもすみかから出てこない。ここは徹底して際釣りにこだわるべきでしょう。

潮の入れ替わりが激しい沖磯であれば悪影響から免れる可能性が高くなるからです。

異質な潮が沖から入ってきた

赤潮、青潮、菜っ葉潮はその場に特有の異常ですが、上げ潮に乗って沖から異質な潮が入ってくるケースもあります。

よく見られるのは冷たい海水ですが、塩分濃度の高い潮や酸性度の強い潮などもあります。

ただ、知識としてそういうことがあるとは知っていても、現実とはなかなか結び付きません。突然魚のアタリがなくなったとき、釣り人は原因をいろいろと考えてその対策を施そうとします。だが、原因がこの沖潮のせいだと思い至るのは少ないでしょう。

往々にして、沖潮が入ってくるのは上げ潮であり、干潮から上げ潮が動き始めたとき、海水の色に変化があった場合はこの可能性が高いと思っていいでしょう。また、グレがよく釣れる潮はもともと青みの強い色が多く、菜っ葉潮のような緑っぽい潮の場合はあまり期待できません。

沖潮が入ってアタリがなくなった場合は湾内に移動するというのが常套手段です。沖潮の影響が少ない場所ならグレの食いに関係ないと想定しているわけで、ほとんどのケースでそれは間違っていない。ただし、湾内に生息しているグレの型は平均して小さいのです。

脅威が迫ると魚はすみかに隠れて出てこない

魚にとっての脅威はいくつかあります。その一つに、サメやイルカ、青物などの外敵があります。自分が食べられる恐れがあれば、グレやチヌも含めて自分のすみかに隠れて出てこないのは当然でしょう。

サメは広く分布していますが、被害が多いのは四国南西部や九州西海岸などで、いずれも黒潮やその分流が流れるところからの情報が多いです。以前は水温が高い時期によく出現していましたが、近年は温暖化のせいか時期が長くなり、特に四国・鵜来島方面では一年中見られるようになっています。

といっても、一日中磯の周囲をうろついているわけではありません。時間帯によって、あるいは潮によって出現したりしなかったりします。

いないと思って安心して釣りをしていると、突然魚の反応が消えてツケエがそのまま上がってくるようになります。また、ハリに掛けてグレとやり取りしていると、突然ものすごい勢いでグレが走り出します。サメがグレを食ったのです。2mも3mもあるサメが相手ではグレ用の仕掛けで対抗することはできず、あっという間に切られてしまいます。

残念ながら、サメに対抗する手段はありません。ただ、ある日突然現れるケースは少なく、その海域にずっと居着いている場合が多いです。渡船の船長に前もって聞いていれば情報は入手できていたでしょうから、その釣り場を避けるか、または覚悟の上で釣行しているはずです。

この状況はイルカにも共通しています。付近をうろついていれば魚は脅えて出てこない。サメやイルカが遠ざかるのを待つしかありません。

青物は沖に出せば足元でグレがヒットする

サメやイルカの絶対数はそれほど多くありませんが、青物は多いです。

青物を釣りたいのなら満喫できるでしょうが(サイズは別として)、グレ釣り師にとっては頭の痛いことです。

もっとも、青物のサイズによってはありがたい存在となります。小型の青物はグレにとっては脅威ではありません。ですが、小さなエサ盗りにとっては脅威であり、青物が回遊してくるとエサ盗りは姿を消します。つまり、非常に釣りやすいのです。

しかし、青物が大きくなるとそうはいきません。肝心のグレも隠れて出てこなくなります。

そういう状況では青物を沖に追いやることで対処できる可能性があります。青物がオキアミに興味を示さなければ難しいですが、本流に乗せてマキエを沖に流すと青物はそれを追って沖に出る。その間に足元を攻めるとグレがヒットします。

青物が沖に出るとエサ盗りも現われますが、その場合は磯際を釣るといいでしょう。

水温が高過ぎても魚の活性は落ちる

今のシーズンとは外れますが、水温の上がり過ぎについてもここで触れておきましょう。魚の適水温には幅があり、低過ぎても高過ぎても活性は落ちます。

そのことは皆さんよくご存知とは思いますが、低水温についてはしばしば話題になるのに、高水温に語られるケースは少ないです。グレの好シーズンがほとんどのエリアでは11〜2月、および6〜7月であるため、最高の水温をマークする8〜9月にグレ釣りをすることがまれであるためと思われます。

しかし、朝夕の短時間に絞れば期待はできますし、釣り場によっては夜釣りが可能なところもある。したがって、夏グレを楽しむ人もまったくいないわけではありません。

ところが、水温が非常に高くなると、夕方〜夜間〜早朝の気温が低い時間帯に竿を出しても、なかなかツケエがなくならないという状況に陥ります。

一旦上昇した水温は少々気温が低くなっても下がることはありませんし、涼しい時間帯に竿を出すのはどちらかというと釣り人の立場を考慮しての上だと思われます。 もちろん、水温が上がり過ぎているのは間違いなく、こういうときは大雨後とは反対に河口の近くの磯で釣るとアタリを拾うことができます。特に、チヌの場合は他の理由もあって夏は河口が圧倒的に強いのでオススメです。

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