「釣り場に到着した! あとはワームをジグヘッドにセットするだけ」と、結ぶ前に少し待って欲しい。ライトゲームのワームと一口にいっても、さまざまなリグがあります。
本当にそのフィールドは、ジグ単で攻めても大丈夫な状況でしょうか?
ジグ単は簡単にセッティングできますが、それだけでは攻められない場所もあるし、戦略の幅も狭くなってしまいます。
ビギナーから一歩前進するために、ライトゲームで主に使われるリグの使い分けを覚えましょう!
ワームに仕掛けを組もう!
アジングやメバリングなどのライトゲームではさまざまなルアーが使われます。
ミノーやメタルジグといったハードプラグが有効なケースも少なくはないですが、たいていの場合、メインとなるのはワームです。
ワームは、別途フックに刺す必要があるため仕掛けを組まなければなりません。ワームにおける仕掛けをリグと呼びます。
シンカーのないシングルフックに刺しただけのリグをノーシンカーリグと呼び、ジグヘッド単体にワームをセットして使うのがジグヘッドリグ。

そのほか、ラインにシンカーを配するキャロライナリグ(以下、キャロ)やスプリットショットリグ(以下、スプリット)、飛ばしウキを取りつけるフロートリグなど、リグにはいろいろな種類があります。
ほかの釣りと同じように、状況に応じて仕掛けに手を加えることは釣果を伸ばすための第一歩なのです。
まずはリグの種類とそれぞれの特徴について知っておきましょう。
リグを使い分けることで攻略できるシチュエーションが広がり、そのうえルアーの特性をフルに活かしたアプローチができるようになりますよ。
シンプルでオーソドックス ジグヘッドリグ

ライトゲームの定番はジグヘッドリグです。ジグを単体で使うのでジグ単とも呼ばれます。
ラインの先端にジグヘッドを結び、それにワームを刺すだけのシンプルなもの。
アタリがダイレクトに伝わりやすく、重心が1点のみなので特に気を使わなくてもキャストできます。
浅めのレンジを探るのに効果的でルアーの操作性も高い。
近年、さまざまなタイプのジグヘッドがリリースされており、ウエイトのバリエーションが多いのはもとより、ただ引きするとヘッドが首を振るものやマイクロワインド釣法に対応するダート性の高いジグヘッドなどがあります。
また、フックサイズや形状もバリエーションが増えているから購入する際にチェックしてみましょう。

ここでワームについて少し説明しておきます。アジやメバルには微波動を起こすワームが有効で、テールが激しく震えるよりもボディ全体がプルプルと動く程度のアクションが効きます。
そのため細身のストレート、ピンテールがよく使われ、吸い込みの良さからシャッドテールやそのほかのワームが使い分けられています。
なお、ジグ単だけに限ったことではありませんが、ルアーをきちんとアクションさせるにはワームが曲がらないようにまっすぐ刺すことが大切です。
特にルアーを意図的にコントロールするためにジグヘッドリグにする場合、ワームがまっすぐ刺さっていないとターゲットに見切られてしまいますので注意。
ちなみに、ショートバイトが多発するときにはワームをサイズダウンするのがベターですが、使っているワームのヘッド側の先を少しカットして短くするのも有効ですよ。

アジやメバルにはルアーをまっすぐ引く動きやフォーリング、ダートアクションなどが効きます。ジグヘッドリグはルアーをダイレクトに操作できるため、そのような演出が自在に行えるのが利点です。
特にストラクチャーの際を繊細にアプローチするにはもってこい。
ただ、ジグヘッドリグにも苦手分野はあります。深場や流れが強いポイントを探るのに不向きで、遠投性においてもジグヘッドを重いものに替えたとしても限界があります。
また、ルアーにテンションをかけずにフォールさせるのが難しいです。でも、このような点をカバーするためにほかにもいろいろとリグが存在するというわけですね。
食い込みと遠投に優れる半遊動式 フロートリグとキャロライナリグ

ルアーゲームといえばバス釣りと思われる方も少なくないですが、そのバス釣りでもさまざまなリグで釣るのが一般的です。
それを海の対象魚に合わせて進化させたのが現在のソルトゲームのスタイルといえます。
ただでさえ海はフィールドが広いですから、遠投性を高める釣り方が導入されるようになりました。
その先駆けがフロートリグであり、それには半遊動式も固定式も含まれました。
その後、アジングブームの到来とともにキャロが一気に認知されました。遠投性に加えて食い込みのよさやアジに効くアピールを追求した結果というわけですね。
キャロは左の仕掛け図のようにシンカーをリーダー側につけます。シンカーをセットすることで飛距離が伸び、深いレンジも探れるようになります。
しかも重めのジグヘッドを単体で使用するのとは違ってルアー自体のウエイトは軽いためナチュラルなアピールと食い込みの良さが利点です。中でもゆっくりとフォールするルアーに高反応を示し、ベイトを吸い込んで捕食するアジには特に有効なリグですね。

アジングで人気なのはパイプを用いた左のアイテムのようなシンカーです。
このシンカーを使う利点はフルキャストしても仕掛けが絡みにくいという点です。
また、アジング用のキャロシンカーにはフォールスピードを調節するために、さまざまな比重のシンカーがあります。
ポイントの水深や流れの強さを考慮しつつ、ヒットレンジや有効なフォーリングアクションを見いだすことがアジングでは重要視されるのです。
付け加えていうと、キャロにするとき、フックはシングルフックか極小ジグヘッドが用いられます。
遠投してリトリーブするのがメインであればシングルフックでも構いませんが、フォール主体で探る場合はルアーがバランスを崩さないように0.5g前後の軽いジグヘッドにするのがいいですね。

中通しタイプの飛ばしウキを使ったフロートリグも厳密にいうとキャロの1種になります。
最近は、カン付きフロートによる半遊動式リグもよく使われるようになりました。
レンジキープ力が高い固定式 調整しやすいスプリットリグ

キャロはウエイトを替える場合に仕掛けを組み直す必要があるものがほとんどです。シンカーとルアーとの長さを調整する際にはラインを結び変えなくてはなりません。
そのわずらわしさを解消できるのがシンカーを固定するスプリットです。
要はラインにオモリを固定するわけです。こうすればウエイトが増して遠投できると同時に、深場や急流ポイントも攻略可能となる。
特にヒットパターンやレンジが変わりやすいときにはフレキシブルに対応できるリグが重宝されます。食い込みのよさはキャロに劣るかもしれないが、状況に対応しやすいのはスプリットなのです。
スプリットはラインに大きめのガン玉(ルアー釣りではスプリットシンカーという)を打つのがかねてよりのスタンダードでした。
しかし、海のライトゲームではシンカーの両端をストッパーで固定するスタイルがメジャーとなっています。
その理由は、この釣りでは3〜4lbといった極めて細いラインを使用するからです。

極細ラインに大きなガン玉を打ってフルキャストするとガン玉がズレやすい。
また、ラインに傷が入るのもよくない。その点をフォローできるのがストッパーで止めるタイプのシンカーなのです。
以前のライトゲームは流れの緩い港湾部や地磯などで行うのが主でした。そこに流れの強いエリアでアジを狙うケースが増えてきたのです。
タングステン製のスプリットシンカーが本領を発揮するのは急流の釣り場です。
刻々と変化する状況にきちんと対応することが可能で、狙いのポイントやレンジを外すことなく攻めきれるのが最大のメリットです。
そのため、この手のものは水切れのいいシルエットが多く、流れの中でレンジを保ってリトリーブしたりフォールさせやすい作りとなっています。

最近は、ゲームの内容についてキャロとスプリットを区別する人が増えてきました。キャロは食わせの釣りであるのに対し、スプリットはジグヘッドの延長となる攻める釣りとして認知されつつあるのです。
なにはともあれ状況に合った戦略を取るべきであることはいうまでもないでしょう。
ライトゲームのテクニックは日を追うごとに進化し、新しいメソッドが次々と確立されています。
それにともなって多種多様のルアーが開発されると同時にリグのあり方も時代とともに変化しているのです。