
キビキビとしたダートアクションによる誘いで、堤防からのシーバスやタチウオ狙いで実績が高いワインド釣法。
その釣り方をボートに持ち込んで、根周りを撃っていくと、多彩な魚たちが出迎えてくれた。
スパークスリム75/85の紹介とセッティング方法

ワームは軽いシャクリでロングスライドダートを演出するアクアウェーブ/スパークスリム75。
タフなエラストマー素材なので耐久性もバツグン。

ヘッドには専用にアクアウェーブ/スパークスリム・ヘッドがある。3/8oz、1/2oz、5/8ozのラインアップ。
水深2~15mのポイントを1/2ozで狙った。

スパークスリム75にスパークスリム・ヘッドを装着。
メインワイヤーとアシストワイヤーのガイドホールが設けられているので簡単に脱着できる。

トレブルフックの固定位置をガイドするセンタースリットを装備。
フックが暴れないので泳ぎが安定する。

この組み合わせなら初心者でもロングスライドダートを演出することが可能。
引き抵抗が軽いスパークスリム・ヘッドは、小型のエギをシャクるよりも手首にかかる負担は少ない。
ワインド釣法とは

秋の好釣果を期待して、オフショアの釣りにチャレンジするのは女性アングラー、濟 郁恵(わたり いくえ)さんと伊佐貴江(いさ たかえ)さん。
山口県下関市安岡漁港から出港する遊漁船・ドリーマーズハイの早野択船長が計画したのは、水深15m以内の浅場を次々と撃っていくプランで、活性の高い魚をワインド釣法で狙っていくというもの。
ワインド釣法とは、ジグヘッドリグを左右にダートさせて、フィッシュイーターの本能に訴えかける釣り方で、連続ダート、ダートからのフォールによりリアクションバイトを誘発するというのが基本パターン。今回はこれに加え、ボトムを叩くことで多彩な魚種を狙ってみようという試みだ。
二人がチョイスしたアクアウェーブのスパークスリム・ヘッドは、軽いシャクリで大きくダートするワインド釣法専用のジグヘッドで、タチウオ狙いではすっかり定番のアイテム。ピンテールデザインのワーム、スパークスリム75との相性はバツグンで、初心者でも簡単にダートアクションを生じさせることができる。
いきなりガツン!
早野船長が最初に向かったポイントは灯台が設置されている瀬で、最も期待できるターゲットはシーバス。瀬を目掛けて投じた伊佐さんの1投目で、さっそくバイトが得られた。
さほど手応えもなく上がってきたのは15㎝ほどのアナハゼだったが、スパークスリム75に好反応を示すのは、シーバスやタチウオだけではないという証拠。アナハゼはボトムに潜んでいる魚だけに、根魚への期待も膨らむ。

ロッドを立てたままのシャクリでラインに与えるテンションにメリハリをつけ、スパークスリムを表層近くで大きくダートさせていた濟さんの3投目に、ガツンという衝撃が襲ってきた。

ジギングでは大型の青物を手玉に取っている濟さんをして「これは大きいかも!」と言わしめたパワーの持ち主は、40㎝オーバーのチヌで、スパークスリム・ヘッドのトレブルフックがガッチリと口元を捉えていた。

「水深は2mしかないよと船長に言われたので、着水したらすぐに巻き始めました」とのことで、軽く3回シャクった後のフォール中にアタってきた。
このチヌをすぐにリリースしてシーバスやサゴシの反応をうかがったが、わずか10分ほどでこのポイントに見切りをつけた早野船長。次に向かったのは、ショアジギングでは攻め切れない切り立った地磯エリアだった。
ロックフィッシュ連発

水深8mに沈み瀬が点在している地磯で期待するのはロックフィッシュで、濟さんは中層でのダートアクション、伊佐さんはボトムバンプを駆使して攻める。
正確なキャストで瀬際ギリギリを撃っていく濟さんの様子は、まるで湖のバスフィッシング。ロッドに伝わってくる手応えから海中の地形を想像する伊佐さんは、巧みに根掛かりを回避していた。


このポイントで最初にアワセを入れたのは伊佐さんで、キャッチしたのは25㎝ほどのマハタ。伊佐さんはこれを皮切りに爆釣モードへと突入し、30㎝オーバーのキジハタを仕留めてしまった。

「キャスト後はカウントダウンでボトムまで沈め、素早く糸フケを取ってトントントンとボトムを叩きました。最後のトンで、根掛かったような手応えになりましたが、それがアタリでしたね」
一方、濟さんにもアタリがあるもののミスバイトが続く。このようなケースではアクアウェーブ/スパーク・アシストフックのダブルを装着するのが得策だ。
ところが、まだまだ釣果を望めそうな雰囲気であるにもかかわらず、船長の決断は早い。エンジンを始動したドリーマーズハイは蓋井島に船首を向け、一気に俊足を飛ばした。
船長直伝! ロックフィッシュの狙い方

スローダウンしたのは蓋井島の南岸エリアの岩礁帯で、水深16mからのカケアガリ。ここでは早野船長もロッドを手に取り、カサゴの狙い方をレクチャーする。
実演したのは、そっと竿を立ててリグを持ち上げ、そのままの体勢をキープすることでテンションフォールによるバイトを誘発させるテクニック。アタリがなければ素早くリールのハンドルを2、3回転させて糸フケを取り、再びリフトするというパターンで誘いを掛ける。
「キモは即アワセです」というこの釣り方は、スパークスリムにスパーク・アシストフック(上下逆付け)を組み合わせることによって、高いフッキング率を実現できるが、根掛かりには要注意。うっかりラインスラックを出しすぎないように気を付けたい。

濟さんと伊佐さんが良型のカサゴを仕留めることに成功し、船長が笑顔で応える。オフショアワインドの楽しさはまだまだ奥が深そうだ。