
大分県佐伯市米水津にある竹野浦港。そこから出船する政進丸で吉田英司さんと合流して乗船し、沖へ向かう。船は米水津でも人気の高い沖黒島方面に進んだ。足元から水深があるここ一帯は、特に冬季は有望ポイントとなり上礁する人が絶えないほどだ。なので、出船後まずは沖黒島を目指すことが多い。船は次々と瀬着けして釣り人を下ろしていく。「地黒島のハナレ」が近づくと名前を呼ばれたので荷物をまとめて降り立った。


上礁後、暗い中で緊張感と期待を覚えながら明るくなるのを待ってマキエを作り始めた。
マキエの内容は、オキアミ12㎏に、ダイワ/全層グレど遠投2袋・遠投オキアミレッド2袋・マシンガングレ2袋を準備。ツケエはマルキユー/くわせオキアミV9とボイル。ボイルはアジやエサ盗り対策として用意した。

米水津では朝方、グレが浮いてくることが多いので、浅ダナにターゲットを絞って仕掛けは、自立小型棒ウキの00号をチョイスした。

道糸はパッションオレンジで視認性抜群のダイヤフィッシング/フロストンVⅢ1.5号。撥水性が高くライン操作が抜群にやりやすい。冬季など風に悩まされる時期は特に心強い味方になってくれる道糸だ。ハリスは信頼のジョイナープレミアム1.5号を使用。当然同メーカー同士のラインなので相性が良く、直結がバッチリと決まり結束強度が高い。食い渋り時にもブラウンカラーだから魚に警戒心を与えないので積極的に攻めることが可能だ。



釣り始めるとすぐにアタリがあったが、アワせるとハリがスッポ抜けた。続けて食ってっきたのは30㎝クラスのグレ。丁寧にタモですくった瞬間ハリが外れて網の中にグレが落ちた。かなり食いが浅いようだ。その状況を見た吉田さんは、掛かりを良くするため5号から6号へとハリのサイズをアップした。それから1時間ほど経過したが魚はサイズがアップしない。

攻め方を変更するため小型棒ウキから釣研/エイジアマスターピースLCの0号をチョイス。ハリスにガン玉G6を打ってウキの浮力を調整し、沖の深場を攻めた。しかし、釣果は出るもののサイズアップしない。

潮の状況を再度確認するため、フカセからまん棒の軸をロングにして3個のウキゴムをセット。視認性の高い目印で潮の流れをよく観察すると、上層の流れに対して中層が緩く潮が上滑りしていることが分かった。
すぐに0号からエイジアマスターピースLC02に替え下潮を掴む作戦に切り替えた。
その後これといったイベントはなく、潮が止まったタイミングでマキエを作り直す。
フロストンVⅢの使い心地を聞いてみた。
「驚くほど水切れが良く操作性が抜群に良いですね。パッケージの謳い文句に間違いありません。パッションオレンジカラーも見やすくて見失わないから気疲れしないし釣りに集中できます」
30㎝クラスは釣れるがこれでは満足できない。

吉田さんが最後に取った作戦は、エイジアマスターピースLC02から01に替え、ガン玉G5を打ってウキごと沈め、深場まで探っていくことだった。
またマキエにツケエを正確に同調させることが米水津攻略の基本であるが、吉田さんはこれまで打ったマキエが沖で溜まり、そこで大型がマキエを拾っていると仮定。
ウキにマキエを被せず目の前にマキエを集中して打ち、仕掛けは右沖に流れる潮目にダイレクトに遠投した。
最後に決断した作戦に答えがでた。撥水性を増したフロストンVⅢがスッと走りアタリを知らせる。竿を立てるとラインが魚の大きさを教えてくれる。

丁寧にやり取りして寄せると、今までにない大きさだと分かる。慎重にタモ網に収めたグレは44㎝と満足のいくものだった。
潮を読み3Dで海を想像し、実行することで手にすることができた1尾を釣り上げた吉田さんが「また釣りが好きになってしまう」と漏らした一言が心に残った。

