妥協を知らないクオリティは本当だった

ラインメーカー・ダイヤフィッシング製品のフィールドインプレッションを、福岡グレ競友会の中村久志さんにオファーした。テスト地に選んだフィールドは、大分県佐伯市沖・米水津の磯。グレ釣りシーズンインには少し遠い状況だが釣果については竿を出してみるまでわからない。しかし、道糸の操作性や使いやすさ、ハリスとハリの結節力や強度を確かめるにはタフコンディションが好都合だった。
船長と話し合って目指した磯は、横島の「ロープ」。そこは風裏になるため行ってみると先客が竿出ししていたので、横に位置する「ミチグイ」に乗ることになった。

道具を安全な場所に移動してマキエを作る。中村さんが準備した集魚材は、西京物産釣まんのグレナビ、プレミアムレッドグレとプレミアムホワイトグレを2セットにオキアミ生15㎏(5角)。オキアミ生は3㎏ずつ使い、こまめにマキエを作っていく。オキアミは原型を残して刻まないで混ぜる。海水も加えずオキアミのエキスのみでちょうどよい硬さになるよう集魚材の量を入れて調整する。ツケエは、オキアミ新鮮組生Mと半生グレ鮮を用意した。
マキエが完成するとタックルの準備だ。竿はトーナメント磯1号53に、ダイヤフィッシングのフロストンVⅢ1.5号が巻かれたトーナメントISO競技2500LBDをセットする。

仕掛けは師匠直伝の二段ハリス。フロロカーボンのジョイナープレミアム・リアルブラウン1.5号を2ヒロ取り、目印を50㎝に結びエイジアマスターピース01を通す。
潮受ウキゴムでウキを止め、そこから同じくジョイナープレミアム1.5号2ヒロを直結しハリスとして使う。
ハリスにも潮受ウキゴムをセットして仕掛けの入り方をチェックする。ハリはヤイバ渋グレ4号を結んで完成だ。



グレのサイズアップに秘策 ハリ上30㎝にガン玉を追加
下げ潮は「ロープ」の方向に流れるとグレも食ってくるのだが、長潮のこの日はうまく流れず、たまに小ダイがハリ掛かりする状況。活性は低くなく潮の動きが悪いだけで、グレの捕食スイッチが入っていないようだ。ミチグイ瀬と呼ばれるだけに午前8時からの上げ潮に期待して竿を出す。しかし、グレは1尾釣れたが、良型の気配が少ないと見回りに来た瀬渡し船に乗り込み瀬替わりをすることになった。

次に選んだのは半島側の「ワニの3番」。ここは満ち潮が半島先端方向に流れ、潮切れの良い場所だ。しかし、乗って分かったことは、太平洋上を北上している強い勢力の台風19号の影響を受けていることだった。波はほとんどないと感じるのに、ワニの3番の両サイドには大サラシができて目の前には泡が溜まっているのだ。よく見ると波長の長いウネリが押し寄せてくるのが分かった。

そんな状況の中、仕掛けを入れると27~30㎝のグレが釣れるが、どうも潮が上ずっているようでツケエの馴染み方が悪い。そこで少し深めのタナでツケエを安定させるべく、ハリ上30㎝のところにG5のガン玉を打つことにした。こうやって仕掛けを立て気味にして、良型がいるであろう層を狙い撃ち、少しでもサイズアップしようという作戦だ。
この作戦が功を奏したのか、釣れるグレのサイズが徐々に上がってきた。海水温はまだ25.3℃と高めだったが、グレの状況は良好に推移していた。これから水温が下がってくるのが楽しみだ。

最後に、使用しているラインについての印象や使い心地を中村さんに聞いてみた。まずはナイロンタイプのフロストンVⅢで、一番気に入った点が「鮮やかな色」だった。パッションオレンジのカラーリングは、薄暗いまづめ時でも抜群に見やすかったと言う。もちろん、快晴で海上の色と同化しそうな場面でも視認性は高く、ウキや仕掛けの位置がどこにあるのか判別しやすいことを挙げた。しかもサラシがある中、パワーアップした超撥水性のおかげで操作性が格段に良く、ストレスなく釣りが続けられたと言葉を重ねた。

フロロカーボンのジョイナープレミアムについては、適度に張りがあり瀬際でも安心して使え、自信につながるハリスだとのこと。加えて、ハリとの結びやすさも絶賛していた。
